2010年11月29日月曜日

The most painful PAIN TRADE.

日本の会計年度は3月が年度末になりますが、当然ながら海外は12月が年度末になりますのでこの時期にはそれを意識して相場を見ていく必要があります。

基本的には、

①基本的には積極的にリスク量を増やす事は無い
②ただし必ずしも機械的なポジション手仕舞いのフローが出るほど単純でもない
③しかし実際にリスク縮小を余儀なくさせる材料があれば少しでも流動性のあるうちに集中的な手仕舞いを仕掛けてくる場合もある
④どこかが痛むと利が乗ったもので益出し⇒損失補填という動きとなるので直接関係の無いアセットもダメージを受ける傾向がある

等の注意点がありますが、特に③、④のような動きが拡大していくと一部の痛みが全体に広がっていく事になり、市場参加者の間では PAIN TRADEと言われるような動きとなります。

前項では為替市場で順調だったAUDやNZDが一転して売り込まれていると言う現象を見ましたが、これは別のところで出ているダメージを補填する益出しの動きであった可能性が高く、明らかにPAIN TRADEと位置付けてよい動きだったのではないでしょうか。

では、PAIN TRADEの根源はどこにあるのかと言えば、間違いなく長期債市場ということになるでしょう。

とにかく長期金利の急騰(=長期債の大幅下落)は今の金融市場の台風の目となっており、先週は中盤に欧米の債券市場が暴落=金利の急騰が起こり、週末にはJGB市場(円債市場)が暴落して円金利も急騰しています。

米日の未曾有の規模での量的緩和に中央銀行による国債購入という政策も実施されている訳ですので、これを先取りした世界中の機関投資家や金融機関が日米欧の国債を大量購入している状態でしたのでここが崩される事のPAIN TRADEのダメージは計り知れないものがあります。

PAIN TRADEの怖いところは、本来であれば大丈夫そうだったものまでおかしくなってしまう事です。どこかの債券が国債でも社債でも暴落すると、次に市場は誰がそれを沢山保有していたかを探し出してその保有者の信用不安を喧伝して株や社債を空売りすると言うのはよくあることです。

もうすぐ12月。PAIN TRADEの動向には十分な注意が必要です。特にその台風の目となっている各国の国債市場(=長期金利動向)からは目が離せません。