世界経済を破壊するとまで恐れられた原油価格が遂に1バレルあたり$150手前から折り返し、$120ドル割れで粘っていましたが金曜日の終値は$115台。
1オンスあたり$1,000超えは時間の問題とも思われた金価格が$900を割ってからも下落を続け金曜日の終値は$855台。
過去10年で9回が下落という”円高ドル安の8月”が話題になったドル円は、107円台で底固めをして不気味な上昇を繰り返し、金曜日の終値が110円台。
3月に95円台(95.77)まで下落したドル円が鬼門の110円を回復したのは実は規模が小さい部類で、為替市場における米ドルの復活は、実に広範且つ大規模なものです。
米ドルは1985年から1987年の大暴落に匹敵する下落の渦中にあり、2002年度から始まっている今回の下落は後数年続くと言う予想が圧倒的に市場を支配しています。
米国経済のファンダメンタルズが注文どおり劣化を続ける中での米ドルの大復活は今後大きな注目材料となるでしょう。米国の失速、劣化、或いは没落を背景とした米ドル下落と言うメインテーマに対して、米国経済好調でドル安、米国失速ならドル高という他国では成立しないアンチテーゼが遂に実現するのでしょうか?
ドル円が107円台⇒110円台、ユーロが1.56台⇒1.49台、GBPが1.98台⇒1.91台、AUDが0.94台⇒0.88台、NZDが0.73台⇒0.69台…..等実質1週間での米ドルの上昇は実に圧巻でした。このアンチテーゼの中身と可能性はまた別項で考察したいと思います。
実はこのアンチテーゼと無関係ではないのですが、米ドルと原油の関係も実に奇妙な軌跡を辿っています。
1 サブプライム問題以降今年の3月のドルインデックス最安値まで ⇒ 逆相関
2 3月のドルインデックス最安値~7月の原油最高値まで ⇒ 相関なし or 正相関
3 7月の原油最高値以降現在まで ⇒ 逆相関に回帰
1の期間で急速なドル安、原油高。
2の期間でドル乱高下で最安値は更新せず。原油は44%も上昇。
3の期間(現在進行形)で原油が急落、ドルが急騰。
いよいよ日本はお盆休みに入るのですが、金融市場はちょっとした突風が吹き荒れてきました。米ドルの上昇、各主要通貨の下落、原油、金などの商品価格の下落などは30日、60日、90日そして200日と次から次に長期移動平均(=トレンドライン)を突破して加速してきました。
さて、北京オリンピックと金融市場と来週はどちらを中心に見ましょうか?
日本でも漢字の八を末広がりと言って歓迎しますが、中国でも8は7よりも縁起がよいとされているそうで、2008年の8月8日を五輪の開会式にしたそうです。8.8.8ですね。
英語の略字で、Greatを発音からGR8と短縮して書く事がありますが、まさに金曜日はドルにGR8な日となりました。