2009年2月15日日曜日

Spring Storm Has Come.

先週の金曜日は帰宅時に結構な強風に煽られました。

週末の間に、あれが春一番だったと言う報道を見ましたが、確かに週末の間も気温は温暖でしたね。


そのせいもあってか、花粉が猛威を振るい始めているのを身をもって感じているのですが、この週末も外出が多かったせいか目は痒く、鼻水は垂れてくるという悲しい状況になっています。これを書きながらキーボードに涙や鼻水がこぼれない様に注意している有り様です。


以前も似たような事を書いた記憶がありますが、この花粉が猛威を振るう昨今の状況と現状の世界経済の状況には共通点があります。


小さいながらもそこそこ東西南北に広い日本列島には、各地の気候に適した植物分布が在ったのですが、林業振興目的などで地域に適した森林を伐採して国内外に需要のある杉を日本中に植林する政策が進められました。


杉にも順応性はありますので暫くは何とかなったのでしょうが、その後の林業不振で徐々に手入れが滞るようになり山や森林が荒れ始めると、元々気候の合わない所にも植林されてきた杉林が悲鳴をあげるようになって来ました。更に酸性雨や地球温暖化なども拍車をかけて日本中の山の杉林が存亡の危機に立たされているようです。


存亡の危機にある杉の木々が子孫を残すべく異常な量で精子(=花粉)を撒き散らしていると言うのが今の日本の状況の一側面であるそうです。


これは欧米型の金融経済の成功を杉に、世界を日本の山々と置き換えれば過去10年ほどの間のGlobalizationの経緯によく似ていると思います。


元々世界中には地域性や風土、宗教、民族性などに根ざした政治経済の分布が在ったわけですが、欧米型の金融経済の成功と繁栄は世界中から需要され、輸出もされててきました。


あたかもWall街の地平線が世界に拡大していくようなパラダイムは世界経済を新境地に導くかとも思われた時期がありますが、中心となる米国・欧州の経済の縮小開始が確認された今となっては、世界中の中途半端な欧米化は置き去りにされた杉林状態となり一時は雪崩の如く流入してきた資本を花粉の如く吐き出し、世界中の政治、金融当局に大きな課題を突きつけているのです。


この動きにどう歯止めをかけて、どのように事後処理をつけていくのかが問われた週末のG7会合はこれまた総花的な声明文を出すのが精一杯だったように見えます。


週明けは北米市場が休場ですので落ち着いた展開が予想されますが、火曜日以降は今回のG7声明等に対する金融市場の評価が突きつけられる展開が予想されます。


個人的には株式市場がかなり危険な状態にあると感じているのですが、小規模な反発を消化しながら着実に下値を切り下げていく展開を予想しており、債券市場や為替市場も株式市場を中心に展開していく流れを予想しています。


春一番が告げるものは、Risk Aversion なのか Risk Appetite なのか。


2月後半の金融市場を注意深く見ていく事に致しましょう。 そう、涙目で・・・・

(小春日和に野良猫もこの通り・・)