2007年秋に世の中がおかしくなり始めたのが所謂サブプライム問題と言うやつで、2008年は3月にベアスターンズショック、9月にはリーマンショックで金融混乱はある意味でクライマックスに突入しました。最近NHKでも特集番組が組まれていましたがWall街のビジネスモデルの崩壊は我々にとっても極めて大きな出来事でしたし間違いなく将来の歴史の教科書にも相応のスペースが割り当てられることでしょう。
当初は金融経済(金融市場)の混乱が実体経済に影響を及ぼすのに一定の時間差を伴うために日常生活の実感と言う意味でも一般メディアもさほど騒いでいなかった時期がありましたが、経済指標や企業業績の悪化が鮮明となり株価が崩落し始めてからは世の中は大騒ぎとなっていきました。
金融市場が実体経済を先導する形で景気の波が確認される事はよくある事で、特にそれは景気の回復時に顕著です。例えば株式市場は必ずと言って良い位に実体経済に先行して底打ちして上昇に転じるものなのですが、2009年度入りしてからの世界的な株式市場の反発は価格面もさることながらその持続力において既に私が知っている全ての専門家の予想を上回る規模で進行しています。
世界的株式市場の反発を主導する米国のダウとナスダックのSummation Indexも未だ明確な失速の兆候は見せていません。
先週は米銀のストレステストの結果発表や4月の雇用統計の発表がありましたが、内容的に悪材料と解釈しようと思えば出来ないことは無い結果であったにもかかわらず市場は全くNegativeな影響は受けずに全ての材料を消化してしまった感があります。
日経平均も1万円台回復を視野に入れる水準まで戻してきましたし、世界的に株式市場が上値を試す勢いは当面維持される見通しです。
私も含めてですが、株式市場の回復は所詮はベアマーケットラリーでしかないと考えてきた市場参加者も多いことを考えれば、目先は調整局面はあっても大きな反落の可能性は小さいのではないでしょうか。
最悪期は脱したと考える投資家が増えている事、中国をコアとしたアジアや新興国経済の復活が確認されている事、世界各国の積極的な金融緩和と財政出動もあり実体経済の各指標も大きく改善しないまでも底抜け感は払拭されて来た事などで企業体力や投資家のリスク許容度が急速に回復してきたと言う説明が目を引きますが一市民としては嬉しい驚きであり、相応の経験のある一市場参加者としては未だ半信半疑な金融市場の急回復です。
週明けは、とにかく株式市場の動向と為替市場で鮮明となってきたドル安、円安の動き(⇒これもリスク許容度の回復で説明されていますが・・・)から目が離せなくなってきました。