2009年7月6日月曜日

Colour of Summer

今年も半分経過と言う事で驚いてしまいますが、金融市場の方はここへ来てかなり煮詰まった状態にあると感じています。

第1四半期(1月~3月)は間違いなく世界景気は未だ混乱の最中にあったと言えると思いますが、そこで飛躍的に高まっていたリスク回避モードによって現金化されていた運用資本が第2四半期に入って徐々に、段階的に、そしてある所からは加速度的にリターンを求めて世界中のアセット市場に再流入した事で金融市場は以前振るわない実体経済を置き去りにする形で予想以上の回復を成し遂げました。

金融当局が素晴らしい仕事をしたことは言うまでも無いでしょう。米国の個人投資家のグル的存在で金融危機初期には金融緩和に及び腰だったFRBのバーナンキ議長を公共の電波上で罵倒していたジム・クレイマーは今では同議長の事を救世主と呼ぶほどの変わりようで、先日はバフェット氏もバーナンキ議長とポールソン前財務長官を英雄的な仕事をしたと評価していました。

市場センチは悲観と楽観の間を往来する振り子のようなものですが、3月の時点で極端な資産処分⇒現金化が進行していたことから多くの株式銘柄は極端なUndervalue状態にあり、底が抜けてしまうような金融混乱が回避出来る方に掛けるならば絶好の買い場であったと言えそうです。少なくとも4月~6月の第2四半期には底が抜けるような景気減速は無かったわけですのでリスクを取る価値は十分にあったと言う事になるでしょう。

7月は年の後半戦の開始であり、第3四半期の開始月でもあります。資産市場は著しい回復を遂げて株式市場のVIX指数も通貨オプション市場などのImplied Volatilityも申し合わせたように20089月中旬のリーマンショック発生以前の水準にまで下落してきましたが、はたしてこのまま世の中丸くおさまるのかどうかというのが最大のテーマという事になるでしょう。

これは一部では、Green Shoots vs Brown Weeds という図式となっています。楽観派の春の芽吹き論に対して景気回復懐疑派は「そんなものは春の新芽じゃなくて雑草なのよ」と言っている訳です。この議論が続くような相場になれば金融市場は所謂夏枯れ的な様相を呈していくと思われますが、ある友人がこのどちらとも判断の付かない状況をBrown Shootsと上手い表現を使って表現していました。

我々が見極めるべきはまさに今年の夏の色という事になりそうです。