2010年4月18日日曜日

Filled !!

先週は前週末に欧州内でギリシャ救済案の詳細が固まったことを受けて週明け直後のウェリントン/シドニー市場からユーロが急騰し、結果として前週北米市場の終値と週初の寄付き水準(取引開始値)が大きく乖離する展開となりました。前項でこの状況について書いていますが、このユーロのJump Startは週央に失速し、週末前の金曜日の北米市場の取引で遂に大きく反落して週初のGapを埋めて終了しました。

野球に例えるならユーロは初回にいきなり大量得点をして試合をリードしながら徐々に点差を縮められた挙句に9階の裏にまさかの同点に追いつかれたと言ったところでしょうか。

EURUSD Daily

先週の5本のロウソクのうちの3本が陰線となっている事、最後の2本つまり木曜日と金曜日の陰線が長い事などを考えれば明らかにこのチャートはブル相場のそれではないでしょう。

EURUSD Weekly

週足で見ても陰線が続いた後に実体部分が短い陽線状態のトンボが2匹登場し、先週開始時点では反転上昇の気配が濃厚だった訳ですが、Gapを明けて始まったものが最後にそれを埋めて終わっているために先週部分が前週よりも高い部分で陰線になると言うかなり珍しいチャートになっています。

実はこの動き・・・・ギリシャ問題の再燃というようなシナリオでこうなっている訳ではありません。寧ろ移り気な市場参加者はギリシャネタには食傷気味の連中も多く、むしろ堅調な株価などリスクアセットの上昇に勇気付けられた資源国や新興国への投資を活発化する動きに押されて欧州通貨にもしっかり買いが入り始めていました。

 まさに昨年のGreen Shoots相場再来の入り口まで来たところで一気に株式市場市場や商品市場の調整を引き起こしたのがSEC(米証券取引委員会)によるGoldman Sachs社とPaulson&Co(ヘッジファンド)の提訴という報道でした。サブプライムに絡む詐欺容疑ということなのですが、一部でギリシャネタには新鮮味がなくなったなどと言う声が聞かれ始めた途端にギリシャ懸念どころかサブプライムネタが復活して市場を動かすという予想外の展開となった訳です。

Green ShootsRisk-Onという動きの再燃を告げるようなチャートの窓明けの動きは、サブプライムの亡霊の足音に後退し、チャートの窓もしっかり閉まった(埋まった)というのが先週のドタバタでした。