2010年4月25日日曜日

The last man standing?

今年のテーマの一つと考えられているのがソブリンリスクという物ですが、ほんの少し前までは世界中の政府の負債(Sovereign Debtを集めたグローバルソブリンという種類の投資信託は飛ぶように売れていました。

そうして世界中で多くの個人投資家までがSovereign Debtを保有するようになったところで意外にも欧州圏のギリシャを含むPIIGS諸国(ポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペイン)から政府の借金である財政赤字の問題が噴出した訳で、ここまでの流れはサブプライム証券を個人レベルまで含む世界中の投資家が購入したところで金融危機が発生した流れと酷似していないでしょうか?

となると、今現在圧倒的に売れている投資信託も数年後には危なくなっているのでしょうか? ブラジルをスターとした新興国の株や債券を組み込んだ投信が今の売れ筋ということになりますが・・・

さて、ギリシャ問題で浮き彫りになったソブリンリスクですが、この議論の都度圧倒的な頻度で引き合いに出され続け、そのせいか随分と弱気な相場観が世界中に幅広く共有されるに至ったものと言えば?

そう、日本円ですね。

例えば、我々はほぼ毎日こういう資料をどこかで見かけるわけです。

日本の貿易収支

2008年の金融危機以降大幅に悪化。対中国などが好調で足元は改善しているがピークアウトは間違いなし?

日本の財政収支

どうするのあなた・・・・と言う状況。

それでも頑張る日本円・・・という相場が続いていましたが、やはりドル円で言えば95円超え→次は100円回復という相場観は海外勢を中心に非常に根強いものがあります。

USDJPY Weekly : 右下がりの抵抗線を突破?

と言う事なのですが、この今週もドル円の上昇を見込む向きが圧倒的な中でその正反対のViewを提示している老舗の集団があって個人的にも気になっています。

ここは、業界の老舗の一つなのですが元はチャートやサイクル理論で通貨の動向を予想する会社だったのですが、国際的に事業を展開する際の為替ヘッジの参考に同社の情報を利用していた企業の中から同社に為替ヘッジそのものを丸投げするところが出てきたことから今で言うところのカレンシーオバーレイというビジネスの草分けとなったという歴史を持つ会社です。その後通貨というものがヘッジツールではなく独立した一つのアセットであるという認識に昇格した流れの中で同社の本業であった市場予測は事業規模からすると副業となってしまい、顧客から集めた資産運用の方が本業のようになってしまっているのですが、自分達の原点や初心を忘れないこと、予想を公表することで真剣度が維持されるというトップの方針で市場予想業務も継続しているという話には感心した覚えがあります。

今この会社は、滅多に一致しないものの一致した場合はかなりの精度と強さを示すと言う同社独自のドル円とあらゆるクロス円のサイクルのトップアウトのタイミングの一致を理由に今週から円高への反転が始まると言う予想を出しています。

ちょっと気になっているので紹介しておきます。

Stay tuned.