2020年3月29日日曜日

Overshoot

CORONAVIRUS に世界中が翻弄される状況下、東京も感染者の増加ペースが要警戒水準に達しており、この週末も不要不急の外出を控えるよう要請が出されています。

そんな中で、Overshootという言葉を久し振りに耳にしました。

この言葉は、金融市場で大きなトレンドが発生した際に、相場がそのトレンドの方向に一気に大きく値を伸ばす現象を表現する言葉として使用されるのですが、昨今の年単位で続いた低Volatilityの安定推移の中では、この言葉は死語のように冬眠していました。

ここへ来て懸念されている感染者数が手に負えぬ規模で急増する事態の事を、Overshootと呼んでいる事を知りました。

ディーラーにとっては、市場のOvershootは飯の種であり、大きな収益機会です。特にこういう時にはOption市場でImplied Volatility(オプションの価格と思ってください)が急騰するので、ポートフォリオがVega-Long(オプションの買い持ちと思ってください)であった場合は瞬時に爆発的な収益を得ることになります。

私自身も何度かそのような逆転本塁打のような収益を得た経験がありますが、久し振りに聞くこのOvershootという感染者の急増は誰一人幸福にする事は無く、絶対に避けなければいけない事です。

1つの用語が使用されるフィールドにより善玉、悪玉が逆転するような事象を表す事もあるのだと改めて思った次第です。

ポートフォリオ管理も、ウィルスとの戦いも、そこを生き残ってこそ教訓が生かせるわけですので、一日でも早く世の中が落ち着いて正常化することを祈らずにはいられません。

どうか、みんなで教訓が生かせますように。心から祈ります。