2011年10月2日日曜日

Despearate demand for USD liquidity2

アジアの優等生シンガポールからすらも急速にキャッシュアウトが進行中です。先週も言及しましたがアジア各国の当局がドル売り自国通貨買いの介入を繰り返してもこういうチャートになると言うのは凄い事です。

USDSGD DAILY ⇒ ドル急騰中!


個人的な意見ですが、アジア市場も暫くというか、多分相当な期間混乱が続くと見ています。

積極的なアジア投資は控えて暫くはアジアへのExposureも縮小しておく事が上策のような気がします。

最終的にはどこかで絶好の買い場が来ると思いますが、時間的にも価格的にもまだまだ先があると見ています。

Desperate demand for USD liquidity.

仕組債等を含む広義のデリバティブ取引によって悪い(というか悪化してしまった)ドル資産が世界中にばら撒かれた状態の中で世界中がドル調達に苦労している状況です。

金融市場は疑心暗鬼で欧州の銀行などが中々ドルが取れない状況になっており、流動性のある処分可能な資産を処分してドルキャッシュを手当てする動きも拡大しています。

最終的には長期的にドルもユーロも円も弱くなる可能性が無視出来ませんが、足元は真逆の潮流が加速しています。

通貨の中では資源国通貨である南半球のAUD,NZDの不調が目立ちます。

NZDUSD DAILY⇒下げ止まらず。


AUDUSD DAILY ⇒下げ止まらず。












Top FX Movers Last Week.

先週は序盤から中盤にかけては市場センチが幾分持ち直す展開でリスク資産の反発上昇も見られましたが、またまたと言う感じで終盤にセンチも相場も崩れてしまったと言う展開でした。

特に商品市場のCRBインデックスがほぼ1年振りに300を割り込んでの越週となっており、株式市場よりも商品市場の不調が目立つ展開でした。

主要通貨ペアでも商品関連通貨の不調が続いています。

       通貨ペア 先週終値 前週終値 値幅(pips) 値幅(%)
①GBPNZD↑ 2.0451    1.9882    +569      +2.78%

②GBPCAD↑1.6314     1.5863    +451     +2.76%

③GBPAUD↑1.6125     1.5779    +346     +2.15%

④USDCAD↑1.0495     1.0277    +218    +2.08%

⑤NZDUSD↓0.7597     0.7754     -157    -2.07%

⑥CADCHF↓0.8641     0.8794     -153    -1.77%

⑦EURGBP↓0.8589      0.8727     -138    -1.61%

⑧NZDCHF↓0.6905     0.7014     -109    -1.58%

⑨CADJPY↓ 73.33      74.43        -110    -1.50%

⑩GBPJPY↑  119.97   118.23      +174   +1.45%

上昇サイドではGBP5回,USD2回,CHF2回,JPY1回となっており、下落サイドの顔触れはCAD4回,NZD3回で,AUD,EUR,JPYが1回ずつでした。

コモディティ通貨であるCAD,NZDが叩かれたという結果です。

2011年9月25日日曜日

Ex-plosive Im-plosion of risk.

チャートは正直というか、群集心理の鏡と言う事なのでしょう。

足元のリスク回避の様相とボラティリティを少し確認してみましょう。

1 金価格 ⇒ 遂に調整へ

Gold Daily












2 銀価格 ⇒ 遂に調整へ
Silver Daily











3 USDSGD(米ドル/シンガポールドル)⇒アジア通貨の下落
                                                                           (USDの急反発)
USDSGD Weekly











最後のシンガポールドルのチャートだけは週次のチャートです。欧州通貨等が売られる動きにつられて3週間ほど前から新興国通貨が下落し始めて米ドルが反発上昇する展開になっていますが、先週はそれが大きく加速している様子がわかります。

最初の二つのGold、Silverの反落も激しいですね。これらは日次のチャートなのですが、先週の木曜日と金曜日の下落の激しさが確認出来ます。

FRBのOperation Twistの絡みでFRBのカウンターに立つ民間サイドの足元のドル需要が云々という仮説も立てられなくは無いのですが、これはポジションの縮小と考えるべきでしょう。その要因は9月末が第3四半期の締めになるのでヘッジファンドなどもPLを固めに来ているという要因もあれば、この段階で投資家の解約請求などを受けてファンドの清算を余儀なくされたファンド勢がポートフォリオの中身を現金化し始めたという要因もあると思います。

Top FX Movers Last Week.

先週も欧米の材料を中心にリスク回避バイアスが急上昇する流れとなっています。

欧州はギリシャの当事者意識の希薄さと救済方法や条件を巡る欧州共同体としての足並みの乱れが浮き彫りになっていますが、米国では注目されたFOMCにおいて・・・予想通りですが・・・QE3の発表は無く、Operation Twistと言う方法で長期金利を押し下げる方針が発表されました。

欧州に関しては週末にBBCで識者たちをパネリストとした討論会を放映していましたが、全く打つ手なしと言う印象で、兎に角未曾有の事態なので団結していく事が大事と言う程度の結論になっていました。ちょっと出口が見えない感じがします・・・
 米国のOperation Twistですが、残存期間が3年以下となった米国債を$400bio規模売却し、同規模の残存期間が6年~30年の長期債を購入すると言うものです。インフレ抑制をMandateの一つとするFRBとして長期金利の上昇を許容しないとするCommitmentを示したもので、効果の程は議論が分かれるのですがFRBとして方策は尽きていないというメッセージにはなっていると思います。

市場のリスク回避の程度は尋常ではありません。

・Dowは週ベースで2008年以来で最大の下落を記録。
・CRB商品指標は9ヶ月振り安値まで下落。
・Goldは単日の下落幅としては1983年来最大の下落を記録。
・Silverも単日で32年振りとなる大幅な陰線を記録。

必然的にこのようなリスク回避の動きは主要通貨のパフォーマンスにも強く反映されています。

    通貨ペア ↑↓ 先週終値 前週終値 変動(pips) 変動(%)
① NZDJPY↓  59.37      63.58      -421        -7.09%

②NZDUSD↓  0.7754    0.8284    -530       -6.84%

③AUDJPY↓   74.90      79.50      -460       -6.14%

④AUDUSD↓ 0.9784     1.0356    -572       -5.85%

⑤CADJPY↓  74.43       78.44      -401       -5.39%

⑥USDCAD↑ 1.0277      0.9777   +500      +4.87%

⑦EURNZD↑ 1.7382      1.6621    +761     +4.38%

⑧GBPNZD↑ 1.9882      1.9045    +837     +4.21%

⑨CHFJPY↓  84.56        87.66      -310      -3.67%

⑩EURAUD↑ 1.3791     1.3310    +481     +3.49%

上昇サイドでの登場回数はJPY4回,USD3回,EUR2回,GBPが1回でした。
下落サイドがNZD4回,AUD3回,CAD2回,CHFが1回となっています。

この下落サイドは10通貨中9通貨が資源国通貨になっているのですが、同様にアジア通貨や新興国通貨の下落振りも尋常ではなく、アジア諸国も当局が必死にドル売り自国通貨買い方向での為替介入を連続して行っています。

9月末に向けた今週の動きにも最大限の注意が必要になりそうです。

2011年9月19日月曜日

Sad Fallacy of JAPANIZATION : CAN THEY TURN JAPANESE?



The Economist誌が掲載した"Debt and politics in America and Europe"と題した記事は、"Turning Japanese"という表現で欧米の"日本化”の問題を取り上げており、冒頭の風刺絵はかなり有名になりました。

この記事では主に膨張する国家の負債に加えて政治のリーダーシップが弱体化していく傾向を述べていますが、これ以前にも日本の"失われた10年(20年とも?)"と呼ばれる経済の長期低迷プロセスが欧米にも訪れるのではないかと言う危惧が主に"Japanization"という言葉で語れるようになっていました。

But Wait..........

Turning JapaneseでもJapanizationでも良いのですが、それを恐れるどころか欧米は果たして日本になれるのでしょうか? 日本がそうして来たようにひたすら我慢強く、苦難の連続にも決して折れずに何とか泳ぎ続けると言う芸当が欧米に出来るのでしょうか?

現状欧米が直面している問題を細かく見ながら、かつて確かに類似の状況に置かれた日本が90年代以降に繰り出してきた様々な政府の施策や民間の創意工夫を最低でも真似る事が彼らに出来るのだろうかという疑問を最近強く感じるようになってきました。

日銀の量的緩和は、それを促したと自負している本家本元のBen Bernanke議長が米国で実施した二度にわたる大規模オペ(QE,QE2)よりも遥かに効果的だったと思います。


・ジャパン プレミアムという言葉が注目されたように銀行間市場で邦銀がドル資金の資金繰りに苦労していた為にMOFはウルトラCとして預託金と言う預金の形で金融機関にダイレクトに外貨をデリバーしました。これはいくら流動性を増やしてもクレジット悪化により資金が取れない現状の欧州系金融機関とは全然違う話です。


・民間も欧米が忌み嫌うデフレを素直に受け入れて"価格破壊"という前向きのコンセプトに昇華させてデフレを一種のビジネスモデル化するという柔軟性を示しました。

以上はほんの一部ですが、国の借金であるJGBの殆どを国内の機関投資家が引き取っていると言う事もある意味日本人の国民性というか一種の特性である事は間違いないと思います。今の欧州を見ると自国政府の国債を我先に売り逃げしている自国民が多いし、国を支えると言うより国が破綻するのに備えて国債を売って金を買うと言う自国民が多い事は明らかです。

東日本大震災の被災地の人々が、何年かけても、放射性物質のリスクがあっても、自分はもといた場所に帰りたい、そこに住みたい・・・と言う意向を表明している事に大いに感銘を受けているのですが、これは欧州の人々がいざとなれば金を持って国を出て行こうというスタンスとも対照的です。

以上のような事を考えれば、経済危機に直面している今の欧米が"日本化"を危惧し、回避しようとしている事は少し違うのではないかと言う気になります。課題先進国としてウルトラC的な解決策は無くとも有効な対処策を豊富に蓄積してきた日本にこそ彼らが謙虚に学ぶべき布石が有るのではないかと思うのです。