2009年は株式市場を中心にやや楽観的なスタートを切った金融市場ですが、年初の正念場は9日の金曜日に発表される米国の2008年12月雇用統計でした。
悪い内容は織り込み済みという事で、年初来のリスクテイク意欲復活シナリオが維持出来るかどうかが最大の焦点でした。
復習しておくと年初来の動きは、以下のようなものです。
株高、貴金属高、資源高、債券安、欧州通貨高、コモディティ通貨高、ドル安、円安。
さて、注目の12月雇用統計ですが、やはり楽観的にはなれない内容でした。
非農業部門就業者数(NFP)が、単月で▲524千人。2008年は第四四半期で▲1.5百万人以上となり、通年では▲2.6百万人以上となりました。これは1945年に第二次世界大戦終結を受けて軍隊の任務を解いた時以来の水準であり、失業率も一気に16年振りとなる7.2%まで上昇しました。
金融市場の方は上記の流れが逆流し、2008年度にVolatilityが爆発的な上昇をした時の絵柄に回帰する形で週の取引を終了しました。
株安、貴金属安、資源安、債券高、欧州通貨安、コモディティ通貨安、ドル高、円高と言う流れですが、例によって強さの度合いから言えば円高、ドル高という順番ですね。
株式市場は今、この市場だけはゼロサムゲームではないとする神話の真偽を試しに来ているといえます。
世界中の余剰資本を吸収し続けた米株市場は、この10年でFlatという水準までっ調整しました。
そして米国をどうこう言っている場合ではない日本株ですが、これは25年間でFlatというより厳しい現実に直面しています。(Buy&Holdの場合です)
ところで、世界中の株式市場がほぼ忠実に米国市場の動向を追いかけている訳ですが、ここまでの買いの主体は、面白いことにインサイダーが中心のように見えます。
個別に見ると2008年度の問題セクターであった金融と資源に関してもインサイダーは緑始めていると言う印象があります。
私が目にする殆どの投資推奨サービスにおいて、現状は人生で一度あるかないかの株の買い時であるとなっています。
ポイントは、景気はまだまだ悪化過程にあると言うことがイコール株式市場はまだ下落すると言うことを意味しないと言うことであり、歴史的にはそれは確かに正しいのです。株式市場は景気拡大の最終局面で弱気相場に入り、景気回復に先んじて底入れすると言うことですね。
新聞を見てもニュースを見ても辛いニュースばかりであり、ここで株を買い始めるというのは勇気がいることなのですが、過去何十年も結局それをやった人が資産を数倍に増やしたと言うのは事実です。(冒頭の通り、Holdしていたら元の木阿弥ですが)
悠久の歴史は繰り返すのか、ここは大きな経済史の曲がり角なのか。
Historyというのは面白い単語で、歴史という意味からの派生で、生存や活動を終えたものと言う意味で使われることもあります。
アニメで流行った、「お前はもう死んでいる」というのは英語では、”You’re already history”と約すのが臨場感が出るわけですね。
さて、どのHistoryを追いかけましょうか?
現時点で私は少し迷っていると言うのが正直なところなのですが、この大きなテーマを今後もしっかりと追いかけていきましょう。
Historyというのは、His storyが詰まった物であり、His(神の)story(話=思惑)なのです。神は金融市場にもう一度機会を下されるのでしょうか。