2008年8月4日月曜日

A turn of a month ; making things turn with it ?

月替わりですね。2008年度ももう8月です。毎日のように続く"真夏日”には本当に手を焼きますが金融市場の方も熱と湿度でちょっと煮つまったような状況になっています。

7月後半の金融市場の煮詰まった状況を打破する第一候補がいきなり81(金曜日)の米国雇用統計でした。

実は私はこの数字が出る時には数名の市場関係者と立ち食い屋台のような場所にいたのですが、ユーロショートの友人が相場をチェックしてガッツポーズをし、どうやら米国の雇用統計が市場予想よりは良い内容だったのだろうと詳細をチェックしてみると非農業部門新規雇用者数が7ヶ月連続のマイナスを記録し、マイナス幅も市場の事前予想と対して変わらない水準。さらに失業率が5.7%まで上昇と言う冴えない内容でした。

Dennis Gartman曰く、悪い材料で下がらなければ弱気相場ではない」という名言がありますが、この雇用統計の後米ドルは上昇、米株は下落と言う煮え切らない展開となり、しかも米ドルの上げ幅も米株の下げ幅も小幅に留まって週を終えると言う相変わらずスッキリしない週越えとなりました。

さて……

雇用統計でConvincingな方向感が出なかったとは言え、ゆっくりと且つ着実に幾つかの市場が反転の可能性を強めている事は無視出来ない事実です。

この原油、金、そして豪ドルの動きを見て下さい。綺麗な相関を保ちながら反落しています。


次は、この金や原油と足並みを揃えるコモディティ通貨の代表格の豪ドルと米ドルの最大のライバルである欧州統一通貨ユーロの相関を見ましょう。

おやおや、綺麗に重なっていますね。

実は商品市場では注目度の高い原油や金だけではなく、コーンや小麦などの食料も反落傾向を強めているために商品市場全体の動向を表すCRBインデックスもこのような大幅な下落をしています。

これで米ドルがレジスタンスを上抜けでもしていてくれると米ドル上昇シナリオのドアが開くのですが、米ドルの強さを表すドルインデックスは一旦割れたサポートを何とか回復して従来のレンジの中に復帰した程度であって依然予断を許さない状況なのです。

これでは盛り上がりませんね。

7月21日に書いた「スッキリしないSKIT(寸劇)」は8月も続く可能性が大です。

経験上、こういう双方向の動きが出ながらどちらも大きな流れを作れないと言う状況の時は何をやるかよりもどうやるかが大事です。WhatよりもHowが大事と言う事です。

丁度ヘッジファンド業界の大物、Stanley Druckenmiller氏が名言を残しています。

It is not whether you are right or wrong that is important, but how much money you make when you are right and how much money you lose when you are wrong.

私自身はよくこれとセットでMartin Luther King,Jr. の以下の言葉も反芻しています。

When you are right, you cannot be too radical; When you are wrong, you cannot be too conservative.

Druckenmiller氏には数回会った事がありますが、何か悪い事をして尋問を受けているような気にさせられた事を良く覚えています。瞬間接着剤で固めたかのような全く表情が変わらない人で、やはり凡人ではないと言う事なのでしょうか。我々とは比較にならない修羅場を経験してきた人なのですがやはり言う事も立派ですね。お孫さんが寄り付かないのではと変な心配もしてしまいますが・・・

上記の二つの名言を合わせたエッセンスは、通常は慎重に且つ勝負どころでこそ大胆であれという感じではないかと思っています。

暑いですが、とにかく8月も頑張りましょう!!