2008年11月24日月曜日

Great American Mind ...lost?

それにしても公的資金による救済を要請している米国自動車業界のBig3(GM,Ford,Chrysler)のCEO達が議会との公聴会で行った言動の評判がよくありません。

自分たちが、Too big to fail であり、自分たちが破綻するとどれだけの雇用が失われるのかと言うことを強調してあたかも議会を脅すかのような内容が目立つことに加えて、3名のCEO達が全員専用JET機でワシントン入りした事も物議を醸しました。

議員の一人から、今後は民間機で移動することにしてCEO専用JET機の売却によるコスト削減をする気があるCEOは挙手をしてくれと言う質問が出ても手が挙がらず、失望した議員が議事録の速記係に対して、「誰も手を挙げなかったことを間違いなく記録して置くように」という指示をするシーンがメディアでも報道されていました。

後ほど3社のうちの2社はセキュリティ上の理由から自社のCEOに専用機での移動を義務付ける規則を設けていたことが明らかになっていますが、公的資金での救済を求める企業のありようとしてはいささかの違和感を禁じ得ません。

さらにかつてリー・アイアコッカ氏がクライスラー社の社長として自らの年棒を$1.00として公的援助も取り付けて背水の陣で業績を立て直した事例を引いて、CEOの年棒を$1.00として建て直しに当たる気はあるかと言うやや意地悪な(?)質問に対しても、自分達はすでに減給を受け入れてきた等と回答し、依然として数千万ドル(=数十億円)規模の年収に固執する回答をするなど、公聴会の内容は総じて議会と国民の理解を得るには程遠い内容でした。(流石にクライスラー社のCEOだけは$1.00を受け入れる用意があると回答していますが)

これは既に公的資金の注入を受けているWall街の金融機関のほぼ全てが例年並のボーナスバジェットを用意して世間の批判を浴びている事等にも通じる話なのですが、危機感の欠如に加えて何かアメリカ魂というような気概までもが風化してしまっているような寂しさを覚えます。

Big3にしても組合が強いのはわかりますが、社員の平均年収が約7万ドルと米国内で事業展開をする外国籍の自動車企業(勿論含む日本企業)の社員の平均年収の約4万ドルを大きく上回っており、役員クラスの高給やCEOの専用JET等も考えれば、救済するに値する企業なのかと言う声が出ても当然のような気もします。

Great American Spirit has been lost.

日本の武士道精神も然りですので偉そうな事は言えませんが、非常に寂しい話です。