2009年3月2日月曜日

It is all about RISK.

相変わらず足元の金融市場の動きは非常に不安定なようです。

為替市場ではかなり乱暴な円安が進行しており、その解説の多くが日本人が再び海外への投資を活発化させているという要因を含んでいますが、一方で外為証拠金取引のバランスを見ると膨大な円ロングポジションが残っていたり、会計年度末を控えた機関投資家レベルでは引き続きRepatriationの円買い圧力の方が強かったりして今の状況がRisk AversionなのかRisk Takingなのかすら斑模様なようです。

残念ながら世界景気は下向きの連鎖から抜け出せない状態であり、株式市場の低迷も止まる気配が無い中で安全資産として米ドルに資金が流入しているの状態なので大きな絵としては間違いなくRisk Aversionなのでしょうが、この安全資産というカテゴリーから転落してしまった日本円の売りや国有化観測が絶えない米国の主要金融機関の株式への売り浴びせ等には相当な規模のRisk takingが進行中です。

金曜日の米株市場の終値は非常に弱く、Dowが7千ドル割れを視野に入れた$7062、S&P500に至っては$735という実に12年振りの安値水準となっており、3月の序盤戦に大きなVolatilityが引き継がれる事は間違いないでしょう。

今週はこれまたEventの多い重要週なのですが、主要国の金融政策発表が続いた後に米国の雇用統計がとりを勤める事になります。
 RBA,BOC,BOE,ECBと続く金融政策では、RBAが25bp利下げして3%に、BOCとBOEは50bpの利下げで政策金利を0.5%に、ECBも今回は50bp利下げにより政策金利が1.5%に低下する事が予想されますが、これだけで各国の株式市場が反転上昇に向かうとは思えず、基本線としての米ドル上昇は継続する可能性が高いでしょう。

短期的にはここへ来て失速してきた金の調整がどの程度の深さになるのかと言う事と殆どの指標が短期的な売られ過ぎを示唆する日本円がどこまで反発出来るのかに注目したいところです。

2月に金融市場にもみくちゃにされた日本円の動向については別稿で分析したいと思いますが、3月末にドル円が100円を超えているのか、結局は本邦勢のレパトリで円高水準に振れているのかは非常に大きなテーマとなるでしょう。