2009年8月31日月曜日

Leading and lagging.

為替市場で最も出来高の多い通貨ペアと言えば、当然ながらEURUSDです。

欧米間の活発な貿易貿易需給という側面もありますがそれ以上に大きいのが為替市場の最大のテーマのひとつである米ドル問題の帰結です。

米国の量的緩和とFRBの爆発的なバランスシートの拡大、深刻な財政赤字問題の拡大問題などを背景に米ドルが暴落すると言う懸念が実現するのかどうかというポイントなのですが、米ドルが暴落する時に最も上昇する通貨と位置付けられているのが他ならぬEURだと言う事で世界中の中央銀行なども米ドル偏重の外貨準備のリスク分散で最も好むのがEURという対抗軸通貨だと言う事になります。

そのEURUSDの動きですが、最近ちょっと気迷い的な動きが目立っているようです。

以下はEURUSDDaily Chartですが、結果として先週も月曜日から金曜日まで殆ど同じレンジの中で動いていた事、しかしそれぞれの曜日ごとには結構な上げ下げがあったことがわかります。特に木曜日の北米時間の突然のEURの爆発的上昇やその勢いを引き継いだはずの金曜日の同じく北米時間終了に向けた下落(ほぼ木曜日の上昇の半値戻し)については誰に聞いても今ひとつ本当の要因がはっきりしないと言う状況です。

金融市場は連動しているのでこのような為替市場の気迷い的な動きは株式市場が反落しないまでも上昇モメンタムが明らかに失速している事や商品市場でも原油などの流動性の無い部分からおかしな乱高下を繰り返している事とリンクした動きであると言えるでしょう。

今の状況は以下のように認識するべきだと思っています。

過剰に供給され続ける流動性を背景に実体経済に先行して回復して来た金融市場ですが、いよいよここからは実体経済の回復が付いてきてくれないと二段目、三段目のロケットが着火できないと言う水準まで来てしまいました。その実体経済には各種経済指標なのかで確かに改善の傾向が見られるものもありますが、依然として悪化を続けているものもあり未だに予断を許さない状況にあります。

そんな中で実体経済のチアリーダー的な役割を果たしてきた金融経済にも少々疲れと焦りが出てきていると言うことです。

Who is actually leading or lagging? 

そんな話が時々出るのですが、今まではRisk-onならドル売り、Risk-offならドル買いというように為替市場は株や商品市場を追いかける立場(lagging)だったと思うのですが、もしかすると今後は先に動く(lead)ようになってくる可能性もあると思います。そんな中で非常に気迷い的であり、且つ説明のし難い動きがちょっとした値幅で繰り返されているというのが今のEURUSDの状況なのではないかと考えています。

そろそろスッキリしたいところですね。

2009年8月30日日曜日

The biggest political showdown in post war history.


今日は予定通りに投票に行ってきました。今現在テレビ各局の選挙速報を観ていますが予想以上の民主党圧勝と言う事で遂に民主党政権が誕生する事になります。

勿論これは大変な変化なのですが、事実上選挙による自民党の下野というのが初めてと言う事なので戦後55年体制と言われるものが本当に終わるという歴史の転換点になる可能性があります。

かつて日本新党なる政党が自民党から政権を奪い取った事などもあったのですがあれは当時の政界の絵の中の組合せが変わった結果自民党が下野を余儀なくされたという話であって、自民党が選挙という国民の選択によって敗北⇒下野したと言う話ではなかったと言う意味では今回の方がはるかに大変なイベントだったということになります。

それにしても変化と言ってしまえばそれまでですが自民党、公明党の幹部クラスの苦戦や落選ぶりを見ていると明らかに世代交代を含む変化の時を迎えているのだと言う実感があります。

さて・・・

金融市場への影響に注目したいところですが、当初は海外からの注目度は非常に低かったのですが終盤に来て徐々に注目度が高まっていました。Wall Street JournalやFinancial Times等の欧米主要紙にもかなり大きく取り上げられるようになっていましたので今回の結果を海外の投資家がどう評価するかと言うところにも非常に興味があります。

投資の王道的な見方をすると、日経平均や日本円への上昇圧力が期待出来ます。先進国でカントリーリスクが無いという前提があれば、これから法律が変わるとか規制が緩和される国の株式は絶対に買いです。そこに新たな起業やビジネスチャンス、これまでは規制によって守られていた分野にも競争が起こるからです。過剰流動性相場ですので投資先に困っている資金がどっと日本市場に流れ込んでくる可能性はあると思っています。

一方で良しも悪しくも日本市場は前日の米国市場や同日の上海市場の影響を大きく受ける立場なのですが、これら海外市場がやや上昇モメンタムを失いつつある可能性がある中で久し振りとも言える日本独自の材料が日本市場をどこに連れて行くのか・・・週明けの相場に大きく注目したいところですね。


2009年8月23日日曜日

Fallacy of Composition

Fallacy of composition(合成の誤謬)というのは、多分経済学の概念で部分的には正しい事でも全体像の中では必ずしもそうではないと言う事象を表します。

教科書的な例としては、不況時に個々の家計が消費を減らして貯蓄に励むという話があります。不況時に消費を控えて貯蓄に励むと言う行為は家計というレベルでは正しい行為ですが全ての家計でこれをやられると経済全体では消費や投資が減少して経済全体が縮小してしまうという話です。

こんな話を思い出したのは、いよいよ本格的な広がりを見せ始めた新型インフルエンザのせいです。ある友人から面白いメールが来ました。その友人の会社で彼の所属する部署で感染者が出たようなのですが、その情報が共有されるや否やそれまで彼の部署に仕事関係の書類を取りに来ていた関連部署から部員を守る為に暫くは誰もそちらに行かせたくないので彼の部署の人間が書類を届けて欲しいと言う依頼が相次いだそうなのです。

彼のメールにはこう書いてありました。

これは一見正しい行為のようではあるけど、今度は向こうの部署で感染者が出たらどうなるのだろう?当方も同じ対応を取ったとしたらこっちからもむこうからも人が行く事も来る事も出来ないので結果的に必要書類の受け渡しが出来なくなるんだよね。

部分的には正しいけど全体のルールとしたら業務が停止すると言う意味ではこれも一種の合成の誤謬なのかなと言う気がしたのです。

そう言えば類似の話で、米国で働いている時にこういうことがありました。ある部署が新しいルールで社内FAXで何かを送信する時には送信書類に加えて送受信簿を先方に贈り、受信部署には受信記録を確認して署名したものを返信してもらうという事にしたのです。
 これは合成の誤謬とまでは言いませんが、もしも他の部署も同じルールを採択したらどうなるかと言うと受信部署が受信書類に添付されていた受信簿に署名して送り返すときに自部署の送受信簿を添付して・・・・・と言う事をやるとなれば・・・永久にFAXを送り合う作業が続くと言う事になってしまうのです。

コンプライアンスが強化され、どこの会社でも何かあると直ぐに再発防止策がどうこうと言うご時世になっているようですが、1つのチェックポイントとして他部署或いは会社全体がそれをやったらおかしなことにならないかどうかという切り口で考えてみると、行き過ぎた対応や過剰反応が防止できるのではないかと言う気がしてきました。

今テレビのニュースで現与党の要職にある人物がワクチンが足りない場合は輸入するとか言っているのを聞いたのですが、この新型インフルエンザは本格的な拡大フェーズに入るまでに相当な時間があったにもかかわらず今頃そのような発言をしている事に非常に失望しました。この分だと本当に月末の総選挙で与党は大敗を喫するような気がしてきました。

どこの党でも構わないし、どの政治家でも構わないので、せめてこういう事は先手先手で対応してくれませんかね・・・

セミの声に感じる秋の気配・・・

先日電車を待つ駅のホームでベンチの直ぐ横にセミの抜け殻とセミの死骸が30cmほどの間隔で並ぶように横たわっていました。

毎年この時期にはアパートの玄関を出た辺りなどにもセミが仰向けに倒れているのを良く見かけるようになります。そのうち死んでしまうのですが、大抵はまだ生きていて少し刺激を与えると飛んで行ったりするのですが、思い返せば子供の時に最初に捕まえた(?)セミもそういう最期の時を待っている状態でした。

セミは幼虫時代の6年~7年間を地中で過ごし、成虫になってからは1週間~10日間程度で死んでしまうのですが、私はこの時期に仰向けのセミを見つけるたびにつま先などでちょこっと刺激を与えて飛んで行かせたりするのですが、それは力在る限り与えられた時間の最後の瞬間まで元気に空を飛ばせてあげたいという思いがあるからです。

駅のホームの抜け殻と死骸は余程の偶然でもない限り別々のセミなのでしょうが、何かセミの命のはかなさを物語るような光景で、暫し考えてしまいました。

セミに知性があったなら、6年~7年地中にいた時代と最後のたったの1週間ほどの地上生活のどちらを懐かしむのでしょうか。多くの人が後者だと断定しそうな話ですが、果たしてそうなのでしょうかね。
 私は周囲の多くの人間とは違って大学時代で楽しかったのは専門課程に進んだ後の2年間ではなく最初の教養課程の2年間でした。多くの人は自分の専門の選択も決まり研究室への配属も決まったあとの研究生活を懐かしむようですが、私は受験勉強からも解放されて自分の進路についてあらゆる可能性を吟味したり大きな夢を語る事も許容された教養課程の2年間がとても楽しく思い出されます。

セミの地中生活を下積み時代のように考える傾向が在りますが、何かで功なり名を遂げている人でもそこに到達するまでの浪人や失業などのモラトリアムの時代こそが最も充実していたと述懐している人も少なくないですし、人生と言うものはセミの最後の1週間のように飛び回っていればよいというものでもないですからね。

セミといえば・・・・少し前までのミンミンゼミ中心の鳴き声から最近になって随分とツクツクホウシなどの鳴き声が増えてきましたね。これはセミの構成が夏終盤から秋の初めに掛けての顔ぶれに変わってきていると言う事です。

セミの季節は長いのですが、鳴いているセミ自体は個体も種類もどんどん入れ替わっており、そこに定常状態というものはありません。

仏教の空の論理に思いを馳せてしまうようなセミのお話でした。

さて・・セミの抜け殻と死骸を見つけた駅のホームから程近い公園の木の幹で息子が二匹のセミを見つけたと知らせにきました。行ってみると二匹のセミは臀部が繫がっていました・・・・要するにお取り込み中だったわけです・・・・

どうしたんだろう?

と息子が言うので・・・

あれは・・・・そう、双子なのよ。

と嘘を言ってしまいました。彼が夏休みの作文に書かない事を祈ります。

こういうのって教えるのが難しいですね・・・・昨年の夏はカブトムシを飼っていましたが、お取り込み中のつがいを喧嘩しているものと勘違いした息子が必死に引き離していました。

God, please do not remove his innocence as a child for a bit longer.

親と言うのは勝手なもので、子供の成長を願いながらもこういう矛盾したお願いもしてしまうものですね。

Recognition VS Exaustion

金融市場を動かすのは所詮は人間ですので、短期変動を左右するのは市場参加者に共有される認識が全てです。

相場の世界では、Pivot(節目)となる水準を通過して相場が走る場合と反転する場合があるのですが、前者のケースをPoint of Recognition、後者をExaustion Pointと呼んでいます。

どうも金融市場は全般的に各市場がそんなPivotal Pointに近づいて来たのではないでしょうか。

4月以降実に執拗に継続してきた所謂Risk Rally(株や商品などリスクアセット全般の上昇)に冷水を浴びせる可能性大と考えられていた雇用統計やFOMCと言った8月前半のイベントは確かに市場のVolatilityを上昇させはしたもののそれらのハードルを一つ一つ消化してアセット市場は足腰の強さを証明しながら8月終盤戦を迎えようとしています。

株式市場を例に取れば今や世界中がこの市場に追随していると言っても過言ではない上海株式市場に大幅な調整が入った事で、一時はRisk Rally相場は間違いなく終わったか、少なくとも終わり始めているという危機感が広がりましたが、その後の回復も驚異的な粘り腰を見せており、アジア、欧米の株式市場も先週末時点で一部に年初来高値更新というレベルまでの復活が見られています。

私自身も株式市場はそろそろ危ないと見ていました。特に中国当局が流動性を絞り始めているとの思惑などで上海市場が大幅調整の気配を強めていた時点で米株市場ではShort-sellers(空売りポジション)が駆逐されてベアキャンプの持高が年初来最低にまで落ち込むと言う状況になっていましたので、「これはちょっとした反落相場が来る」という思いを強くしていました。

事実市場にはかなりの激震も走ったのですが、これを書いている時点ではその後の回復力の方も非常に印象的であり、改めて「過剰流動性恐るべし」という思いを強くしているところです。買いたい人は買ってしまった状態で、深めの調整もありそうだという予想に反してまだまだ買い遅れ組みが今回の下落局面を恵みの雨とばかりに群がってきたような価格の回復でした。

株式同様に中止している為替市場ではほぼRisk Rallyの調整米ドル上昇という図式で動いていると言ってよいのですが、まさに株式市場と歩調を合わせて乱高下と言う展開になっています。

今月のEURUSDの動きを日足チャートで見てみましょう。

乱高下なのですが面白いのは大きな陽線や陰線は週末前後で出ている事です。

そして先週末の金曜日は結構な陽線、つまりEURが対USDで上昇して終了しているのですが、まだほぼ月初の水準に戻ったと言う段階ですので今後はEURUSD1.44ミドルを超えて今月の高値を更新していけば明確なドルベア認定と言う事になりそうです。

一方その前で力尽きれば、Exaustion認定の可能性が強まり、米ドルの逆襲というシナリオでよいかと思うのですが如何でしょうか。

金融市場は秋の陣に向けての正念場と言ったところでしょうか。

2009年8月9日日曜日

That kind of Friday again,it was.

この時期には夏祭りや花火大会という類のイベントが多く、足元の景気動向などに関係なく大いに盛り上がるものですが、金融市場における毎月初第一金曜日に発表される米国雇用統計の盛り上がり(Volatility)はちょっとそれに通じるところがあります。

各種経済統計において最も事前予想が困難とされるこの指標は、実際に著名エコノミストや金融機関の出す予想と大きく乖離する水準で発表される事も多く、それが故に発表済みの過去データの修正頻度や修正幅の大きさも時として市場動向に思わぬ影響を及ぼしてきました。

著名投資家の中にも「予想する事事態が虚しい」として予想を出すのをやめてしまうところ(Dennis Gartmanなど)やこの指標の発表日だけはリスクを最小化してお祭りには参加しないと決めている勢力もあるほどですが、事実私の記憶の中でも米国雇用統計の歴史はまさに裏切りの歴史という印象があります。

さて、7月末以来Green Shootsユーフォリアが完全に市場の主導権を握る中で7()に発表された7月の米雇用統計ですが、直前になって強気の予想が増えてきていた事を割り引いても良好な内容でした。非農業部門雇用者数は当初市場予想の▲350千人が直前になって▲300千人を割り込む予想も出されるようになりましたが最も強気な予想をも上回る▲247千人という数字となりました。

更に事前に(何故か・・)オバマ大統領を含めて米国政府筋から繰り返し悪化予想のシグナルが送られていた失業率も9.4%に改善(低下)しており、過去月の数字の上方修正も含めて全ての面で市場にUpside Surpriseを与える結果となりました。

金融市場の反応ですが、①株上昇、②米金利上昇(債券下落)、③商品市場下落、④為替市場はドル高、円安という動きとなりました。

一見どれもそれらしい動きなのですが、よく見ると幾つか気にしておくべきポイントがあります。これまでの経済指標は金融混乱期のような弱い数字ばかりと言う状況ではなくっていましたが斑模様と言う評価が精一杯で、引き続き米国の雇用と住宅市場が米国そして世界経済のアキレス腱だと指摘されてきました。

そんな中で金融市場は過剰流動性を背景に新興国や資源国への投資や米国など先進国でも雇用なき景気回復(Jobless Recovery)等という楽観論が台頭してリスク資産が大きく上昇すると言う図式が定着していました。

従来このGreen Shoots, Risk-onモードの環境下では、経済指標が改善するとRisk Apppetite(リスク選好度)の上昇からリスク資産が上昇。その対価として米ドルと日本円が下落すると言う流れとなり、経済指標が悪化するとその反対の動きからリスク資産市場が下落して米ドル、日本円が上昇するという相場が続いてきました。

 この流れの中では、金曜日の雇用統計後は指標の予想外の改善を受けたリスク選好度の上昇からリスク資産価格が上昇して米ドル、日本円は売られると言う動きが予想されるのですが、実際には上記の通り①株上昇、②米金利上昇(債券下落)、③商品市場下落、④為替市場はドル高、円安・・でした。

一言で言えば金曜日の激震はRisk-onの動きとは一線を画するものだったと言う事です。①は良しとして、後はRisk-onの図式にははまり難く、敢えて入れ物というかコンセプトで括ろうとするならば、株、金利、通貨の上昇という米国復活モードということになると思います。

実体経済を置き去りにしたRisk-onモードに違和感を感じていた人は少なくないでしょう。しかし米国復活モードというのはそれ以上に違和感のある動きかもしれないですね。

8月相場は基本コンセプトの転換を齎す事になり、金曜日の雇用統計は乱暴にそのトリガーを引いたと言う事になるのでしょうか?

週明けはアジア市場から始まります。ウェリントン市場、シドニー市場で高金利通貨は下落するのか?、東京市場では米ドルからDecoupleして売り込まれた日本円は続落の圧力に耐えられるのか?、その鍵を握る可能性のある日経平均は米株に追随して上伸するか?

週明けからの動きで金曜日の動きが単なる夏祭り、花火大会的な一過性現象だったのかどうかを見ていく事になります。

2009年8月3日月曜日

Hitting the Buck ON and OFF

最近は意外と週末兼月末と言うケースが良くあるような気がしますが、先週の金曜日も丁度7月の月末兼週末と言う巡り合わせでした。

こういう時は週と月の需給が均衡する終値の水準に注目が集まるのですが、この週末・月末に向けて金融市場はやや気迷い的なレンジ相場となっていました。為替のユーロドルのチャートで見れば以下のようなボックス内での取引でした。

  115

これが月末兼週末となった最後の北米時間にユーロが上昇して終了。上記のボックス取引はユーロ上昇、米ドル下落と言う方向に崩れ去ったと言う結果となっています。以下はその週末のユーロドルのチャートです。

  

実は今回のドル安は少しややこしい感じです。

ここまでの市場動向を俯瞰すると、Risk-onモード(世の中が景気回復を楽観してリスク許容度が上昇する環境)でドルが売られ、Risk-offモード(上記の逆)ではドルが買い戻されると言う図式がベースとなっていましたが、金曜日に関しては発表された米国の第二四半期GDPが予想よりも悪く、Risk-offモードで安全資産と位置付けられる米国債に買いが集まり、ドルの金利が低下した事などを背景としたドル売りだった説明されています。

Riskという尺度のON-OFFではなく、寧ろ金利要因という切り口からの動きだったと言う事になりますが、今後Risk許容度よりも金利水準が注目されるようになるならば8月以降もドルは下落圧力に晒される展開となりそうです。

最近目にしたあるデータによると拡大の一途を続けてきた為替市場の出来高が今年は減少している可能性があるようです。これには個人的に大いなる驚きを持っているのですが、何ら客観的データに基く訳ではないと断った上で私見を述べれば出来高減少の主因は実需筋のInactivityであり、非実需目的の参加者によるActivityはあまり落ちていないという実感もあるのでここからの動きは非常にテクニカル中心な値動きになっていく可能性があると感じています。

タイミング的に週末、月末でサポートをやや割り込んだように見えるドルは多くの通貨に対して今週も売られ易いと思いますが、更に金曜日の米国雇用統計で悲惨な数字でも出れば一気に下値が崩れるリスクがあり、逆にそこまでショートポジションが積みあがった状態で予想よりも良い数字でも出れば今度の週末は先週末とは正反対の値動きとなる可能性もあるでしょう。

Risk-onだろうがRisk-offだろうがドルは断続的に(on and off)売られ易いというお話ですね。ちょっと正念場かもしれません。