2011年5月23日月曜日

Just a second.

Insiderと言っても良い確かな情報ソースによれば、パキスタン郊外でビンラディンを仕留めた米軍特殊部隊は、日本からの帰途だったようです。

帰途と言う表現が適切かどうかはわかりませんが、東日本大震災後に我々を感動させたオペレーション”トモダチ”で日本近海に駐留していた米軍の一部が福島第一原発が最悪の事態は防げると言う目処が立ったところで任務を終了して日本を離れた後に向かったのがパキスタンであったということです。

ちょっと驚きました。そしてあらぬ事を考えてしまいました。元々この部隊は最終的にビンラディン襲撃を想定していたのではないか。震災後に原発危機に直面している盟友日本をサポートするために米軍が特殊部隊まで日本に送り出す事は十分に理解できる事なので敵を警戒させずに部隊を動かせると言う計算もあったのではないか。そんな事を考えてしまいました。

真相はどうであれ、また少なからぬ人が「これは合法的殺人ではないか」などと批判的な意見を述べようが、私個人的には仕方のない事だったと受け止めています。

報復合戦のような最悪の事態を防ぐべきである事は全く同じ意見ですが、やはり2001年の9月11日に家族や友人達を奪われた人々にとっては彼を生かしておくことは泣き寝入りに近い屈辱であったはずです。

以前も書いたように私自身がワールドトレードセンターで被災して生き延びている人間なのでバイアスが掛かった意見しかもてない事は承知していますが、私は今回の米国の決断を支持します。

しかし改めて考えて見ると、ビンラディンにとってはあの行為を含む一連のテロ行為が正義であったのでしょうし、一方で米国は彼を仕留める事、2001年の仇をとる事こそが正義であった訳です。
 このような正義の刹那制を考慮すると世界を善と悪の二分論で見る事は不可能になりますが、この善悪の価値観の押し付け合いがグローバル化推進とそれに対するアンチテーゼであるわけですね。

2001年に米国のワールドトレードセンターや国防省がやられた時に新聞記事を見た中東の人々が通りに出てきて老若男女が狂喜の乱舞状態に踊り狂う姿を見た時には本当に悲しくなりましたが、今回ホワイトハウスやグランドゼロでのお祭り騒ぎには私としても自重して欲しいという気持ちになりました。これは日本人的な感覚なのかもしれませんが。

正義の刹那制は今後も意識していきたいと思います。

Just a second, what is just?  Can we second that....?

オペレーション”トモダチ”もビンラディンへの報復も一つの正義の中にあるのです。世の中は本当に複雑です。