2011年11月27日日曜日

Taking Europe to the Limit.

欧州統合は、元々幾つかの概念的矛盾を内包しており準備段階では実現自体を疑問視する見方も根強かった事を覚えています。

しかし世界中が米ドルへの不安と不満を背景にその代替通貨を切望していたという背景もあり、やがて世界は欧州統合の概念的矛盾には目を瞑り、実際に欧州諸国も統合メリットを前面に押し出せるようよく心を砕いたのでしょう。導入直後は少し揺らいだユーロはやがて強い通貨となり欧州は不可能を可能にしたと言うような評価すら受ける事になりました。

この辺りは今の中国と似ているような気もします。世界中が中国の強引な資源外交や領土面での強硬な外交姿勢、そして何よりも怪しげな経済指標からコンプライアンス無き経済実態に批判的でありながら世界景気のエンジン役として中国経済の繁栄を必要としていると言うことです。

話を欧州に戻しますが、その欧州も遂に綻びが表面化してしまい、世界中が約10年前に抱いていた疑問を思い出したかのように欧州統合の維持に悲観的になってしまっています。

先週の動きです・・・・

イタリア

首相辞任などでやや収まっていた利回りが23日に再度危険水域の7%台に突入。
25日には2年債が8%を突破し、10年債も一時7.4%まで上昇。

・スペイン

ギリシャ、イタリアに続き財政赤字から政権交代。
 23日、スペインも6%台後半と危険水域7%に肉薄。

・フランス

周縁国で起きて来た現象がコア国であるフランスにも忍び寄ってきた印象。
既に3%台後半まで国債利回りが上昇。

・ドイツ

23日のドイツ国債の入札が「札割れ」に。(応募額が予定額に届かない状態)
ドイツ国債でさえ投資家が購入を躊躇する状態になってきました。

EURUSD DAILY⇒小反発しては下落の繰り返し