2012年2月12日日曜日

"Assはわが身"と言う無かれ

政治的なスタンスはともかく野田政権は閣僚も官僚もリスクに鈍感すぎると言う懸念を持ちます。

欧州各国の格下げに関しても「対岸の火事ではない」「明日はわが身」と言う趣旨の発言を繰り返す閣僚もいますが信じられません。普通の国ではまともな政治家であれば内心不安に思っても表向きは自国は大丈夫と言うスタンスを強調し、万が一格下げと言う事態になれば格付け機関に抗議するものです。

明日にも日本国債が格下げされたとして、現状では抗議のしようもありません。自分達で日本はやばいよと言ってしまっているのですから・・・
 いくら消費税引き上げの国内世論を醸成して行こうと言う意図が有るにしてもあまりにも危険な戦略を取りすぎている気がしてなりません。

はっきり言いますがこれはやばいです。実は多くの欧米の大手ヘッジファンドが何度も挑戦しては失敗して最早手を出すのも嫌だと言う気になっていたのが日本国債市場です。特に日銀が超低金利政策を取り始めてからは金利低下余地が殆ど皆無なので何度も日本国債を売り仕掛ける局面がありました。これを本邦機関投資家や銀行勢が買い切ってしまい、日本国債が暴落するどころか海外勢が損切りに追われるという展開が続いてきたのです。

ところが今は政権内部の方々が日本国債はやばいぜよ・・・・と公言しているようなものですから、こういう環境下では国内勢の動向も変わってくる可能性があります。つい先日もメガバンクの一つが日本国債暴落シナリオを想定したストレステストを実施していると言う記事が注目を集めました。

閣僚も官僚も兎に角口を慎むべきです。明日はわが身と言いますが、私にはAss(アホ)はわが身としか聞こえません。

JPYはユーロに対してすら随分安くなってきました。(ユーロ円の上昇)

EURJPY DAILY
















豪ドルに対しても以下の通り小幅に調整してはぶりぶり下落してきました。(豪ドル円の上昇)
AUDJPY DAILY















輸出企業への配慮から円安に誘導するのは良いのですが、自らが発行する約束手形(=国債)の信用を落とすようなやり方は所謂悪い円安に繋がるリスクがあることを認識して欲しいと思います。