2016年9月25日日曜日

JPY STRENGTH : Potential Hot Potato

黒田日銀による、金融緩和の新たな枠組み提示ですが、詳細を理解するのは容易な事ではありません。

新たな政策の枠組みの名称は「長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)付き量的・質的金融緩和」。

長期金利の誘導方法はこれまでも実施してきた国債買い入れを軸とする・・・・
買い入れ額は当面、現状の80兆円程度を目標とし、残存年限にこだわらず幅広い国債を買い入れる・・・・・・・・

おいおい・・・・・名前長すぎるぜ・・・

量的緩和という名前の通り、これまでは量をコントロールして需給を捜査して緩和や引き締めを操作してきたものを、今後は量ではなく金利に着目して云々という説明も非常にわかりずらいでしょう。そもそも金利操作の限界を認めたところから量的緩和に踏み込んだわけです。量的緩和が今ひとつとなって、量から金利へと言われてもと思う人も多いでしょう

当局が操作するのは政策金利(=短期金利)のみであり、これは既にゼロ金利政策を経てマイナス金利にまで踏み込んでしまいました。今回、量から金利へシフトというところの金利は長期金利だというのがミソという事になりますね

とにかく黒田日銀が金融緩和の深堀りに動いたのだという事実を好意的に受け止めて、且つFOMCの追加利上げの見送りもあって株式市場は概ねポジティブな動きをしていますが、ちょっと今後の波乱材料になりそうな怪しいシグナルを放っているのがJPY(日本円)の動きです。
USDJPY DAILY

先週もUSDJPYは、BOJ後の上昇時にも103円すら触れずに、一気に100.10まで急落するなどの局面もありました。

101円水準で越週していますが、100円の節目は目と鼻の先です。

当局のETFの購入は事実上の株式市場への価格維持目的の介入行為ですが、為替市場ではなかなか同様のインパクトは残せないし、そもそも介入自体が国際的な理解を得るのも困難です。

当局的には、株価は力技で維持、イールドカーブ操作で金融機関の収益機会も提供しながら為替市場の円高にだけは頭を抱えるというような図式がリスクシナリオとして待っているのかもしれません。