2010年6月6日日曜日

Contagion links PIGS and ブタpest

遂にEURが対米ドルで1.20を割り込んできました。EURUSDは以下の通りDAILYでもWEEKLYでも非常に弱気なチャートになっています。

EURUSD DAILY

このDAILYチャートでは、ここ2週間ほどはもみ合いながら横ばい推移していたものが最後の一本=先週金曜日にしっかり下に抜けて来たという形状になっています。

EURUSD WEEKLY

WEEKLYでは、過去8週間で陽線は一本だけの17敗だった事がわかります。もう相当期間反発は弱く、一定期間横ばいに推移しては結局安値を更新すると言うパターンが続いている事が判ります。

EURは対円ではどうでしょうか?

EURJPY DAILY

これはこの2週間ほど横ばい推移なのがわかりますが、最後の一本=先週金曜日の陰線の印象が強いですね。市場には円の先安期待も存在するのですが足元はやはりEURへの不安の方が大きいようです。

EURJPY WEEKLY

EURJPYWEEKLYチャートは過去10週間で陰線が8本も立っており、過去6週間は全て陰線になっています。しかも実体部分以外の所謂ヒゲの部分も長く大きな値幅を記録してきている事がわかりますね。

既に触れましたが、先週はハンガリー政府筋から自国の財政収支の先行きに懸念が示されており、主要因が前政権による粉飾まがいの処理により実態が見えにくくなっていたと言うものでした。これは非常に深刻な事態であり、まさにギリシャと同じパターンです。ギリシャは将来の宝くじ事業(=国家事業)から国庫に入る収入と引き換えにUpfrontで今Cashを受け取ると言う特別にアレンジされたデリバティブ取引を行うなどで財政赤字を少なく見せる処理をしていた訳ですが、当時から絶対にギリシャだけではないだろうと言われていた通り、まさにContagionは起きていたと言う事になります。既にEU(欧州連合)内ではPIIGS諸国へのContagionが織り込まれ始めている訳ですが、ハンガリーの問題はEUの外側にもContagionが起きていたという事を確認するようなものです。

ハンガリーはEUに加盟していないので通貨はEURではなくHUF(Hungary Forint)ですが、当然このHUFは急落中です。

それにしても・・・EU内の問題国はPIGS,またはPIIGと呼ばれていますが、EUの外側のハンガリーの首都はブタペスト。PIGSとはブタ同士でもあり、それにPEST(流行病)まで付いている訳ですので、Contagionは不可避でしたと言うのは不謹慎なこじつけですね。