貿易黒字の国の企業は外貨をたくさん獲得しますが、自国通貨で利益確定をするので通貨が上昇します。貿易赤字なら輸入超過状態なので、外貨を調達して支払いに充てるため、通貨が弱くなるわけで、貿易統計が大きく市場を動かしていた時代はある意味非常にわかりやすい時代でもあったのだと思います。
やがて平成になると、貿易統計は影響力を失い始め、その地位を雇用統計に明け渡す流れとなりました。
面白いのは、その雇用統計の中でも、当初は失業率が注目され、やがて非農業部門雇用者数の増減が圧倒的な影響力を持つようになりました。そして少し前から、平均賃金の伸びというものが雇用者数の増減を大きく脅かす影響力を獲得してきました。
10月の米雇用統計を受けた為替市場の値動きは、まさにこの変化を象徴するような値動きだったのではないでしょうか。
指標発表と同時に各メディアがヘッドラインニュースを飛ばしますが、雇用者数がまさかの減少となっていた事から市場は一気にUSD売りで反応してもよかったのですが、直後の値動きはUSD買いで、平均時給改善を好感した動きとされています。
その後、ハリケーン被害のせいだとわかってはいても流石に雇用者数のまさかの減少でUSD急騰はないだろうという巻き戻しが入り、多くの為替トレーダーがむち打ち症になるような逆行現象が起こりましたが、非常に難しい相場だったとしか言いようがありませんね。(実は誰かのオペミスだったというオチはあるのでしょうか・・)
EURUSD 1H |
USDJPY 1H |
USDCHF 1H |
いずれにしても時代の変化には色々な感慨がありますね・・・