2008年12月14日日曜日

If History Repeats Itself, Take A Closer Look.

最近は日本でも大企業による非正規雇用者のLayoffがメディアを賑わしていますが、実際にトヨタにしろソニーにしろかなりエグい事をやっていると感じてしまいます。

多くの企業では既に終身雇用や年功序列というものは有名無実化していると思いますが、一方で正規雇用(企業にもよりますが一般に基幹職、総合職、特定職、一般職などと呼ばれるようです)と非正規雇用の間に立ちはだかる壁は、かつての年功序列が持っていた年齢や入社年度による壁、また男女間の間の性別の壁等よりもより深刻な、抜本的な部分での身分の差とでも言うような高さと厚みを持っているように感じます。

実は私自身が現在所属している組織においても職種間にある見えないけれどとても分厚い壁の存在が組織の活力を削ぎ落としているという強い問題意識を持っているのですが、世間一般における非正規雇用者の立場の弱さと5年、10年と彼らを戦力としてきたはずの企業側のあまりにも非情な態度は、世界景気が未曾有の不景気に突入し始めているという事実を租借しても尚強い疑問を感じさせるものです。

政府が景気対策、特に雇用対策を最優先するというのは当然であり、いつものような口先だけではない実効性のある施策と政策の実施を強く望むものです。

この雇用問題は、世界的に共通する課題ですので各国がどれだけ真剣にこれに取り組み、どこが先に実効性のある成果を出せるかというテーマに非常に注目しています。

さて、今月初に発表された11月の雇用統計の話に戻りますが、おさらいすると11月の非農業部門就業者数の減少が533千人、年初来累計が1.8百万人を突破して12月を含めた年間ベースでの2百万人突破が確実となり、失業率も0.2%上昇して6.7%でした。これは実に1974年以来34年振りの不景気振りであり、統計史上でも1939年以降で4番目の悪さです。

では過去の同様の事例では金融市場はどのように反応したのかという事になると、実は少し意外な結果が出ます。前回が34年前と言うことで、それより前に遡ってもあまりにも時代背景が違うと思うので、その34年前となる1974年12月、非農業部門就業者数(NFP)が602千人の減少となった後の米国株式市場を追いかけてみると・・・・・・・・・・・・

なんと・・・・・・・・翌年(1975年)の6月までの約半年の間に株式市場は実に42%もの急騰を記録しています。年換算ベースでは84%という物凄い反発ですね。

特に米国の場合は雇用統計の衝撃的な悪化は金融市場においては負のクライマックスとなることがあると言うことです。株のチャートに関して言えば、そこが陰の極となると言うことです。

If history repeats itself, you must act now.

そんなアジテーションが実際に随分と出回っているのですが、確かに最近の株式市場は数々の悪材料にあまりにも鈍感というか、耐久力をつけているように感じられます。

世の中にはよ~く確認しないと、感覚と事実の間に驚くような乖離が存在することがありますが、金融市場ほどそういう経験をさせられる空間も他に無い様な気がします。

Let's take a closer look. If your eyes are not too aged yet. (あなたが既に老眼なら別ですが)