2009年12月27日日曜日

May Peace Prevail.

今年もクリスマスが過ぎましたが、ちょっと心配なニュースがありました。

AP通信によると、25日、米ミシガン州デトロイトに到着したアムステルダム発の米ノースウエスト航空(NWA)253便の乗客が、同機を爆破しようとしたとして司法当局に身柄を拘束された。容疑者は国際テロ組織アルカーイダとの関連を供述しているとされ、ホワイトハウス当局者は同日、「テロ行為の疑いがある」との見方を示した。
 AP通信は、ニューヨーク州選出のキング下院議員の話として、容疑者はアブドゥル・ムダラドと名乗るナイジェリア国籍の人物だと伝えた。報道によれば、年齢は23歳。容疑者は、ナイジェリアからアムステルダム経由で米国に向かったという。

怖いですね・・・

クリスマスは Christmas と綴ると機械的に覚えましたが、後にChrist(キリスト)のMas(ミサ)の事なのだと知りました。X'masと短縮されるのもキリストの部分を十字架に置き換えていると言うことなのでしょう。

イエスの誕生日とされるこの日に敢えて犯行を計画した可能性は高いのだと思いますし、テロ未遂事件の背景には非常に根深い対立(文化的にも宗教的にも)を感じます。

ユダヤ教、キリスト教、イスラム教という世界三大聖典宗教はどれも旧約聖書を聖典とし、そこから先がタルムード等(ユダヤ教)、新約聖書(キリスト教)、コーラン(イスラム教)に分かれる訳ですが教義的にも歴史的にも最も平和的であると考える事も可能なイスラム教の一部原理主義者たちが貧困層の若者などに偏った情報を与えて洗脳した上でテロ活動を繰り返している事は非常に残念なことです。

ところが・・・意外な続報があるようです。

ロイター通信によると、同容疑者はナイジェリアの元有力銀行家ウマルムタラブ氏の息子だと、同氏の親族が語った。

 ウマルムタラブ氏は北部カツィナ州出身で、大手銀行、ファースト銀行の会長を最近退任。地元紙によると、ウマルムタラブ氏は息子の「過激な宗教観」に不安を抱き、半年前に在ナイジェリア米国大使館とナイジェリア治安当局に対し、息子についての情報提供を行っていたという。

更に別の報道で英国当局が同容疑者の自宅を家宅捜索を行ったと言う事ですので、同容疑者は裕福な家庭で育ち、恐らくは英国に留学していた(よくある貧困層出身の移民ではなく)という事のようです。

このような人物までが、アルカイーダとつながりを持ち、今回のようなテロ行為の実行犯となっていたのだとすれば、更なる驚愕を禁じえません。

平和を志向する限りどのような宗教でも構いませんが、是非とも各宗教の教義が正しく理解される事を願うばかりです。

May peace prevail on earth.

2009年12月26日土曜日

Roy Jones Jr.

2009年とともに、どうやらまた一人の歴史に残る名選手を見送る事になりそうですね。

全盛時には全てが規格外だったボクサー、Roy Jones Jr.が豪州で格下の選手に初回KOで無様な敗北を喫していよいよ引退の決意を固めたようです。本当に凄い選手でした。

ボクサーでWikipediaに出てくると言うのも凄い事だと思いますが、こんな風に記述されています。

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ロイ・ジョーンズ・ジュニアRoy Jones, Jr.1969

116 - )は、アメリカ合衆国プロボクサーフロリダ州ペンサコーラ出身。ミドル級出身でヘビー級の王座を獲得した史上2人目のボクサー。ミドル級、スーパーミドル級ライトヘビー級ヘビー級4階級を制覇し、長きに渡りパウンド・フォー・パウンド最強と目されていた名選手。身長180cm、リーチ188cm

彼のキャリアを辿ったような写真を並べてみてもまさに栄枯盛衰そのものですね。

   

再度WIikipediaから彼の足跡を抜粋してみましょう。それにしても凄い・・・

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1988102日、ソウルオリンピックボクシング競技ライトミドル級に出場。決勝戦で地元・韓国の朴時憲と対戦。2度ダウンを奪い、有効打も8632となるなど圧倒したものの、不可解などというレベルでは済まされない露骨な地元判定で2-3で負けとなり、銀メダリストとなった。文句なしの勝利を確信していたジョーンズは泣き崩れ、記者会見でも泣きながら「盗まれた金メダルを返してほしい」と訴えたことから、「盗まれた金メダル事件」として知られる。後の調査で審判の買収が判明し、IOCの会長からメダルのレプリカを与えられ、アマチュアボクシングの採点システムが変更されるきっかけとなった。

198957日、プロデビュー。

1992125日、パーシー・ハリスを4RKOで下し、WBCアメリカ大陸スーパーミドル級王座獲得。

1993522日、バーナード・ホプキンス12R判定で下し、IBF世界ミドル級王座獲得。同王座は1度防衛後に返上。

19941118日、ジェームズ・トニー12R判定で下し、IBF世界スーパーミドル級王座獲得。2階級制覇に成功した。同王座は5度防衛後に返上。

19961122日、WBC暫定世界ライトヘビー級王座決定戦でマイク・マッカラム12R判定で下し暫定王座獲得。後に正規王者に昇格し、3階級制覇に成功した。

1997321日、WBC世界ライトヘビー級王座初防衛戦でモンテル・グリフィンと対戦。圧倒するも9Rグリフィンがダウンしたところに攻撃してしまったために失格負けとなり、王座陥落とともにプロキャリア初黒星となった。

199787日、モンテル・グリフィンとダイレクトリマッチで対戦。左フックだけを使って1RKOで下し、WBC世界ライトヘビー級王座を奪回。その後、ヘビー級転向を表明したものの、翌1998にヘビー級転向を撤回。転向表明を受けてWBCグラシアノ・ロッシジャーニを王者認定していたが、ジョーンズの撤回を受けてロッシジャーニを暫定王者に格下げしたため、訴訟問題に発展した。

1998718日、WBA世界同級王者ルー・デル・バーレに判定勝利を収め、WBC王座の初防衛に成功するとともに、2団体統一王者となった。

199965日、IBF世界同級王者レジー・ジョンソンに判定勝利を収め、WBCWBAの両王座防衛に成功するとともにIBF世界ライトヘビー級王座を獲得し、3団体の世界同級王座を統一した。

2000513日、WBA世界同級暫定王者リチャード・ホールとの王座統一戦に11RTKO勝利を収め、3団体の防衛にも成功。この後、3団体の各防衛回数を3伸ばした。20011月、WBA世界同級スーパー王者として認定された。

200222日、無敗のグレン・ケリーとのWBC10度目、WBA9度目、IBF6度目となる防衛戦では、3R6Rにダウンを奪い、7Rには攻勢に出るケリーに対しロープ際に下がり両手を自らの背後へ回してボディワークで翻弄した後、一瞬の隙を突き、背後に回した右手を振り出しカウンターを決め、力量差を示して7RKO勝利を収めた。この後、3団体の各防衛回数を1伸ばした。20021118日、IBF世界同級王座を剥奪された。

200331日、ジョーンズは一度棚上げしたヘビー級転向を表明、WBA王者ジョン・ルイスに挑戦する。試合はジョーンズがジャブのみで圧倒、一時はルイスをKO寸前の状態にするなど文句なしの内容で12R判定勝利、WBA世界ヘビー級王座を獲得。ボブ・フィッシモンズ以来106年ぶりとなるミドル級出身者によるヘビー級世界王座獲得を達成し、4階級制覇に成功した。

2003415日、WBAWBCの両ライトヘビー級王座を返上した。WBAのヘビー級王座も防衛戦を行うことなく返上した。

2003118日、ライトヘビー級王座返り咲きを狙い、WBC世界ライトヘビー級王者アントニオ・ターバーに挑戦。序盤はターバーの猛攻が続き、ジョーンズはディフェンス一辺倒に追いやられたが、逆に中盤から終盤はジョーンズがコンビネーションで盛り返し、なおも時折ターバーに集中打を浴びながらも、結果として際どい内容で2-0のマジョリティディシジョンでの判定勝利を収め、WBC世界同級王座を再獲得するとともにWBA世界同級スーパー王者として再認定された。

2004515日、アントニオ・ターバーと再戦。初戦とは逆に序盤から一方的に攻勢をとったものの、2Rにターバーの左オーバーハンド一発でダウン、そのまま立ち上がれずKO負け。WBAWBCの両王座を失った。

2004925日、IBF世界同級王者グレンコフ・ジョンソン9RKO負け。

2005101日、ターバーとラバーマッチを行ったが、0-3の判定で敗北。この頃急激に負けが込んだ理由として、短い期間にライトヘビーヘビーライトヘビーと階級の急激な上下を繰り返しており、体調管理の難しさのほかに一度付けた筋肉を落として減量せざるを得なかったことで本来持っていたスピードやパワーに狂いが生じたことがあげられている。評論家の中には、結果的にヘビー級挑戦が彼のキャリアの凋落の原因となったという者もいる。

2006729日、プリンス・バディ・アジャムと対戦し、3-0の判定勝ち。

2008119日、フェリックス・トリニダードと対戦。随所に往年の動きを見せ7R10R2度のダウンを奪い、3-0の判定勝ち。

2008118日、ジョー・カルザゲと対戦。1Rにダウンを奪うシーンを見せたものの、その後はカルザゲの連打を攻略できず、0-3109-118109-118109-118)の判定負け。

2009321日、空位のNABO北米ライトヘビー級王座をオマール・シェイカと決定戦で争い、5RTKO勝利で再起を果たすとともに同王座を獲得した。815日、ジェフ・レイシー10R終了TKO勝利を収めて同王座の初防衛に成功した。

2009122日、IBO世界クルーザー級タイトルマッチで王者ダニー・グリーンに挑戦し、初回TKO負けを喫した。

1ファンとしては彼は余分な敗北を重ねて晩節を汚してしまったという残念な思いもあるのですが、これは1ファンの勝手な感傷であり、当人にとっては自身の衰えを確認しないとグラブを吊るす決心がつきかねていたという事なのかなと推測しています。転生の素質で上り詰めた天才型のボクサーにありがちな事ですが、紙一重の反射神経の衰えから当たるはずのパンチをかわされ、見切れるはずのパンチを貰ってしまうようになっていき最後は極端に打たれ弱い面を曝け出して陥落すると言う寂しい結末となってしまいました。

21世紀も最初の10年が終了しようとしていますが、色々なところで世代交代が起きていくのでしょう。

Roy Jones jrの凄さは、将来のボクシング史において彼は間違いなく彼を破った選手たちよりも上位に位置付けられるということでしょう。

彼の第二の人生に幸あれ。

2009年12月25日金曜日

Santa Claus Rally

サンタクロースが世界中を回って子供たちにプレゼントを配って回ってクリスマス・イブですが、サンタは市場へのプレゼントも忘れなかったようです。

クリスマス・ラリーという言葉がありますが、この時期に市場が元気なのはセンチメントの強さが感じられて非常に良い事だと思います。

米株市場の24日の終値はこんな感じでした。

Dow工業平均・・・$1,052.10 前日比0.51%上昇 14ヶ月振り高値(2009年最高値)

S&P    ・・・$1,126.48 前日比0.53%上昇 14ヶ月振り高値(2009年最高値)

Nasdaq  ・・・$2,285.69 前日比0.71% 上昇 ⇒15ヶ月振り高値(2009年最高値)

材料的には発表された耐久消費財のデータが良好だった事や新規失業保険申請者数が減少していて雇用改善のシグナルと解釈されたと言う事もあるのでしょうが、この時期には寧ろ市場センチ、消費者マインドといった要素が上向きなのか下向きなのかと言う部分が大きいと思います。

2009年度の春先から進行した資産買い+ドル売りの流れは、後者のドル売りがこの数週間で反転し始めた事で前者も資産売りに転じると考えられていましたが、注文どおり反落してきたGoldなどの貴金属等との相関を断ち切って株式市場だけは堅調な推移を保ってきました。

年末に向けて市場参加者も減って流動性が低下しますが、よほどの事がない限り株式市場が暴落する可能性は低いのではないでしょうか。株高とドル高というのは今の金融市場の常識からすると呉越同舟的な組合せなので持続性には疑問符も付きますが、実際に2010年には株高が続くならドル安に、ドル高が続くならどこかで株が崩れる可能性が高いと思いますが一部では両者は奇妙なバランスを維持し続けるのではないかと言う味方も台頭しているようです。

いずれにしても足元の金融市場はクリスマス休戦というところでしょうか。

悪い事ではないですね。

では全ての皆様に、Happy Holidays.

Life is like riding a bicycle. To keep your balance, you must keep moving.

2009年12月24日木曜日

Do not take things for granted.....

世知辛い世の中ですが、感謝の気持ちを忘れずにいたいと思います。

時々見返したくなるデータがあります。出所は分らなくなってしまいましたが

重要なのは中身なので掲載します。


とにかく、メリークリスマス。


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もし、現在の人類統計比率をきちんと盛り込んで、
全世界を100人の村に縮小するとどうなるでしょう。
その村には・・・

57人のアジア人
21人のヨーロッパ人
14人の南北アメリカ人
8人のアフリカ人がいます

52人が女性です
48人が男性です 

70人が有色人種で
30人が白人

70人がキリスト教以外の人で
30人がキリスト教

89人が異性愛者で
11人が同性愛者

6人が全世界の富の59%を所有し、
その6人ともがアメリカ国籍

80人は標準以下の居住環境に住み
70人は文字が読めません
50人は栄養失調に苦しみ
1人が瀕死の状態にあり
1人はいま、生まれようとしています
1人は(そうたった1人)は大学の教育を受け
そしてたった1人だけがコンピューターを所有しています

もしこのように、
縮小された全体図から私達の世界を見るなら、
相手をあるがままに受け入れること、
自分と違う人を理解すること、そして、
そういう事実を知るための教育がいかに必要かは
火をみるよりあきらかです。

また、次のような視点からもじっくり考えてみましょう。

もし、あなたが今朝、目が覚めた時、
病気でなく健康だなと感じることができたなら・・・
あなたは今生き残ることのできないであろう
100万人の人たちより恵まれています。

もしあなたが戦いの危険や、
投獄される孤独や苦悩、
あるいは飢えの悲痛を
一度も体験したことがないのなら・・・
あなたは世界の5億人の人たちより恵まれています。

もしあなたがしつこく苦しめられることや、
逮捕、拷問または死の恐怖を感じることなしに
教会のミサに行くことができるなら・・・
あなたは世界の30億人のひとたちより恵まれています。

もし冷蔵庫に食料があり、着る服があり、
頭の上に屋根があり、寝る場所があるのなら・・・
あなたは世界の75%の人たちより裕福で恵まれています。

もし銀行に預金があり、お財布にお金があり、
家のどこかに小銭が入った入れ物があるなら・・・
あなたはこの世界の中で
もっとも裕福な上位8%のうちのひとりです。

もしあなたの両親がともに健在で、
そして二人がまだ一緒なら・・・
それはとても稀なことです。

もしこのメッセージを読むことができるなら、
あなたはこの瞬間2倍の祝福をうけるでしょう。
なぜならあなたの事を思ってこれを伝えている誰かがいて,
その上あなたはまったく文字の読めない
世界中の20億の人々よりずっと恵まれているからです。

昔の人がこう言いました。 
我が身から出るものはいずれ我が身に戻り来る、と。

お金に執着することなく喜んで働きましょう。
かつて一度も傷ついたことがないかのごとく
人を愛しましょう。
誰も見ていないかのごとく自由に踊りましょう。
誰も聞いていないかのごとくのびやかに歌いましょう。
あたかもここが地上の天国であるかのように
生きていきましょう。

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READ THIS RIGHT TO THE END
If we could shrink the earth's population to a village of precisely
100 people, with all the existing human ratios remaining the same, it
would look something like the following:

There would be:
57 Asians
21 Europeans
14 from the Western Hemisphere, both north and south
8 Africans

52 would be female
48 would be male

70 would be non-white
30 would be white

70 would be non-Christian
30 would be Christian

89 would be heterosexual
11 would be homosexual
6 people would possess 59% of the entire world's wealth and all 6
would be from the United States.
80 would live in substandard housing
70 would be unable to read
50 would suffer from malnutrition
1 would be near death; 1 would be near birth
1 (yes, only 1) would have a college education
1 would own a computer

When one considers our world from such a compressed perspective, the
need for acceptance, understanding and education becomes glaringly
apparent.

The following is also something to ponder...

If you woke up this morning with more health than illness...you are
more blessed than the million who will not survive this week.

If you have never experienced the danger of battle, the loneliness
of imprisonment, the agony of torture, or the pangs of starvation you
are ahead of 500 million people in the world.

If you can attend a church meeting without fear of harassment,
arrest, torture, or death...you are more blessed than three billion people in
the world.

If you have food in the refrigerator, clothes on your back, a roof
overhead and a place to sleep...you are richer than 75% of this world.

If you have money in the bank, in your wallet, and spare change in a
dish someplace ... you are among the top 8% of the worlds wealthy.

If you can read this message, you just received a double blessing in
that someone was thinking of you, and furthermore, you are more blessed
than over two billion people in the world that cannot read at all.

Someone once said: What goes around comes around.
Work like you don't need the money.
Love like you've never been hurt.
Dance like nobody's watching.
Sing like nobody's listening.
Live like it's Heaven on Earth.
It's National Friendship Week.
Send this to everyone you consider a FRIEND.

Pass this on, and brighten someone's day. Nothing will happen if you
do not decide to pass it along. The only thing that will happen, if you DO
pass it on, is that someone might smile because of you.

Happy friendship week!
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"United we stand. Divided we fall.
And if you back should ever be against the wall,
We'll be together,
Together,
You and I."

A resistance-turned support is working for EUR.

23日あたりでドル買いが一服したのかクリスマスイブである本日24日は、これまで続いてきた米ドルが売り戻される展開となっています。

以下のチャートはEURUSD200日移動平均線に触れてから反発に転じつつあると言う様を表しています。かつてこの線は右下がりでしたが相場は今年の5月にこのラインをクリアしてEURの強気相場に拍車が掛かりました。

その後はこの平均線は右上がりに転じ、かつてのレジスタンス(抵抗線)は今回はサポート(支持線)として働いた事になります

EURUSD Daily

明日25日はクリスマス休暇と言う事になり、欧州も米国も金融市場は休場となり東京市場(アジア市場)が終了してしまえば極端に流動性が枯渇するので場合によっては予想外の動きがあるかもしれませんが、基本的にはEURUSDの下落の第一波は底打ちした可能性が高いと思います。テクニカルに見ても五波構成の上昇が完了しており、ここからは三波構成の調整波でEURUSDが反発する事になる可能性が高いと思われます。

EURUSDが再びこの200日線をVisitして今度は下に抜けて今回の第一波の安値を更新する事になる第三波の下げが見られるのは2010年の序盤戦という事になるでしょう。

Different sense of value or simple lack of horse sense?


TVで鳩山首相の献金問題に関する「説明責任会見」を見ましたが、今ひとつ釈然としないという印象が残ります。贈与税にして6億円相当、毎月2千万円弱と言う規模の資金提供を受けながら全てを知らなかったし資金の使途も全く把握していないと言う人の政権があれだけ厳格且つ手厳しい事業仕分けを行ったのかと言う驚きは多くの人が共有するものではないでしょうか。

金銭感覚という意味においては、鳩山首相の場合は裕福なゆえの無関心という事になると思うのでこれまでの自民党政権が長年浸かり切っていた無責任なドンブリ勘定とも言える問題とは一線を画すものであるとは思うのですが、いずれにしても与党でも野党でも関係なく政治家の先生方の金銭感覚と庶民感覚との間には殆ど致命的な乖離が存在すると言う事実を突きつけられたような気がします。

2010年の金融市場のテーマとして円安を含む日本ベアシナリオを想定している海外勢が急増しているのですが所謂日本の財政懸念もその背景の一つです。日米関係の悪化は最早懸念から現実になり始めていますがこの民主党政権が将来の歴史家からどのような評価を受ける事になるのかについては大変心配になってきたというのが正直な気持ちです。

さて・・・・金銭感覚と日米関係ということで思い出したのですが、ちょっと考えさせられる話がありました。ありましたというよりは明かにされたと言う表現が適切でしょうか。

「Too Big to Fail(大きすぎて潰せない)」というすっかりお馴染みとなった言葉をそのまま題名にした本が出版されて話題になっているのですが、その中で邦銀からの巨額出資のお陰で存亡の危機を脱した米投資銀行が如何に命の恩人であったその邦銀を見下していたかと言う事や米国の金融当局者達も日本をどれだけ低く評価していたかという事がわかる章があるのです。

少し長くなりますが、ここはWedge Infinityというとても勉強になるサイトで経済ジャーナリストの森川聡一氏が投稿されているので抜粋させて頂きます。
(以下 http://wedge.ismedia.jp/articles/-/652 より抜粋)

仰々しい三菱UFJをリゾート姿で迎えるモルガン

すでに日本でも一部報じられてきたように、とにかく出資を急いで欲しいというモルガン側の要望により、三菱UFJは90億ドルもの多額の出資を1通の小切手で実施するという異例の措置をとった。増資を実施した08年10月13日はアメリカの祝日で銀行が閉店しており、通常の送金手続きがとれなかったからだ。本書によると、このとき、モルガン・スタンレーのロバート・キンドラー副会長が、ニューヨークの法律事務所のオフィスで、三菱UFJ側から小切手を受け取ったのだが、そこでは滑稽な光景がみられた。

 出資の土壇場での条件変更などに対応するため、急きょ旅先から戻って徹夜で対応にあたったキンドラー副会長はリゾート服にサンダルという格好で無精ひげをはやしたまま、13日午前7時半に法律事務所の会議室に座って、三菱UFJ側が来るのを待っていた。

キンドラーは三菱UFJの下っ端の職員が小切手を持ってくると思っていた。ところが、法律事務所の受付から次のようにしらせてきた。三菱UFJの幹部たちの一団が、きちっとしたダークスーツに身を包み、ビルのロビーにちょうど到着し、いま上の階に向かっていると。キンドラーは困惑した。ビーチの遊び人のような格好をしていたからだ。廊下を走って弁護士の一人から急いでスーツのジャケットを借りた。しかし、前のボタンを閉めた時に服が裂ける大きな音がした。背中の縫い目が半分、裂けてしまったのだ」

キンドラーの滑稽な慌てぶりの次に、神妙な日本人のビジネスマンたちが登場し、儀式ばった小切手の受け渡しをする。おかしみがさらに増す。

「三菱東京UFJ銀行のナカジマ・タカアキ(中島孝明・米州本部米州企画部長か?)が、6人ほどの同僚たちと一緒に到着した。取引完了のセレモニーがあると思って。
『あなたが来るとは知りませんでした』キンドラーは申し訳なさそうに、呆然としている日本人に言った。『そうと知っていれば、(CEOの)ジョン・マックを来させたのですが』
中島は封筒を開け、キンドラーに小切手を差し出した。そこには『モルガン・スタンレー宛90億ドル』とあった。キンドラーは小切手を両手に持ち、半ば信じられない気持ちで、これまで一個人が実際に手に触れたお金としては史上最高額となるはずのものをしっかりと握った。モルガン・スタンレーが救われたことをよく分かっていた。
同席した何人かの日本人は、小切手に記された目の玉が飛び出るほどの金額をうまく画面におさめようと、写真を撮り始めた」

 カネを出してもらって急場をしのぎさえすればそれでいい、と割り切っているモルガン・スタンレー側と、世界を代表する金融機関へ出資できて喜んでいる三菱UFJ側の間に横たわる溝と温度差の大きさを象徴するシーンだ。

 そもそも、書きぶりからして、モルガン・スタンレー側からの情報リークによって、筆者はこのシーンを描いていると思われるが、助けてもらった側が唯々諾々とこうした場面の詳細をジャーナリストに話すことからして、三菱UFJ側を軽視している証しだろう。

日本企業に対する根強い不信感

 本書によれば、出資交渉は、日本のモルガン・スタンレー証券のジョナサン・キンドレッド社長が、モルガン・スタンレー本体のコルム・ケレハーCFOの携帯に電話をかけてきて、三菱UFJが出資に興味を示していると連絡してきたところから始まる。その場面では、官僚的な日本のビジネスマンに対するアメリカ人の偏見がよく描かれている。

 「キンドレッドは、三菱はすぐに動く準備をしていると思うと言った。しかし、ケレハーは両眼をギョロギョロしながら信じられない思いだった。以前にも日本のいくつかの銀行と仕事をしたことがあり、その経験から分かったのは、対応が遅くてリスクを嫌い、とても官僚的だという評判を、日本の銀行はいつも裏切らないということだ。(中略)
ケレハーは『時間の無駄だ。三菱は何もしないに違いない』とあざけり笑うだけだった」

 出資交渉が大詰めを迎え、モルガン・スタンレーのジョン・マックCEOが三菱UFJ側と電話での交渉に臨む準備をしている時に、ポールソン財務長官から電話がかかってきた場面では、財務長官自身も日本人に対する根強い不信感を持っていたことが分かる。

「ちょうどマックたちが詳細を詰めていた時、しかし、ポールソンから電話がきた。
『ジョン、何かやるべきだ』ポールソンは威厳をつけて言った。
『何かしろとはどういう意味だ?』マックは聞き返した。いらいらして声がうわずった。日本の銀行が取引に応じる意向であることが、たった今分かったことを説明した。
『あなたも支持してくれていたし、この線で行けると言ってくれましたよね』
『そうだが、しかし、だれか出資してくるところを探すべきだ』
『日本の銀行が応じてくれるんですよ。三菱がやってくれるんです』マックは繰り返した。ポールソンが最初から話を聞いていなかったかのように。
『おいおい、君も私も日本人のことを分かっている。日本人はそんなことはしない。そんなに早く、動くわけがない』ポールソンはそう言い、中国やJPモルガンとの取引の方に重きを置いた方がいいと、それとなく言った」

金融機関トップと政府高官のドタバタ劇

 いよいよ、両社が電話でトップ会談をしている最中にも、再三にわたりマックのもとにポールソン財務長官らから電話が入ってくる。そのドタバタぶりにあ然とするとともに、さすがに交渉の重要な最終局だっただけに、財務長官の電話を後回しにして三菱UFJとの協議を続けるさまも興味深い。

 「上の階では、マックが三菱UFJの畔柳信雄CEO、そして通訳と電話で会談中だった。同意書を確たるものにするために。
しかし、マックのアシスタントが割って入り、ささやいた。『(ニューヨーク連銀総裁の)ティム・ガイトナーから電話です。話があるそうです』
受話器を手で覆いながら、マックは答えた。『今は話せないと言ってくれ。こちらかかけ直す』
5分後には、ポールソンから電話が来た。『電話には出られない。今、日本の銀行と話しているところだ。終わったら、こちらかかけ直す』マックはアシスタントにそう言った。
2分後には、ガイトナーがまた電話してきた。マックのアシスタントはお手上げといった感じで言った。『話す必要があって、重要なことだと言っていますよ』」

 本書ではモルガン・スタンレーと三菱UFJのケースだけではなく、アメリカの主だった金融機関の経営者たちと、ポールソン財務長官をはじめとする金融当局者たちが、危機の渦中でどのように動いたかを生き生きとした場面描写を通じて描き出す。

 リーマン・ブラザーズが破綻して最初に迎えた最初の週末9月20日土曜日に、ガイトナー・ニューヨーク連銀総裁の主導により、さまざまな金融機関のM&A話が持ち上がっては消えていく様子は圧巻だ。ゴールドマン・サックスとシティグループ、ゴールドマンとワコビア、JPモルガン・チェースとモルガン・スタンレーなどの合併交渉が浮上しては不調に終わる。

 本書はだれか特定の人や会社に焦点をあてるのではなく、すべての登場人物を危機の荒波に翻弄され戸惑う人間として描く。そして、危機を回避するための必死の取り組みが果たして本当に金融システムを救うためだったのか、経営者あるいは当局者としての自分たちの地位を救うためのものだったのか、という大きな問いを差し出す。

 リーマン・ショックから1年以上がたち、ゴールドマン・サックスなどが早くも大きな収益を上げ、その社員が膨大な報酬を手にし始めるなか、政府の危機対応をいいことに利益を上げる金融機関への批判が高まっている。金融危機のときに一体、何が起き、そのときの対応は本当にアメリカ国民のためになされたのかどうか。こうした本質的な疑念を抱えた人々が本書を買い求めているのだろう。

(抜粋終了)

この本は是非読んでみようと思っています。この抜粋だけでも未曾有の金融危機を乗り越える過程の裏側ではどれだけのドタバタ劇があったのかが良く判ると思います。その他にも一時期米紙が消滅してしまった大手米国投資銀行の経営陣が危機の最中にどれだけ無責任な対応をしてきたかを特集していたのでああいう話もやがて本になるのではないかと思います。

今日の話の登場人物たちの問題は金銭感覚の違いではなくて、Horse sense (当然の良識)の欠如があるのではないか・・・・そんな印象を強く持っています。