2011年1月24日月曜日

Lost in translation and a language gap.

一部の欧州在住経験者の話では今回の欧州周辺国ソブリンリスクなどの報道において、英語メディアと非英語メディアとの間にはちょっとしたギャップが存在しているそうです。

「あなた達は英語の記事しか読まないでしょう。だからそこまで悲観的になるのです」とまである人は言います。例えば、ドイツ語、フランス語或いはスペイン語の現地メディアが伝えている内容と米英中心の英語メディアを通じて欧州外に出て行く内容のギャップ或いは温度差は決して小さくないとのことです。

総じて現地メディアに比べて英語メディアのトーンはかなり悲観的であり、英語圏や日本などの海外勢が欧州に悲観的になるのは情報ソースが英語メディアに偏っているからだと言う指摘です。

大学の教養課程で選択した第二外国語はドイツ語で一時は相当真面目に取り組みましたが、新聞などが読めるレベルには程遠く、読み比べなどでこの指摘を確かめたり実感したりする事は出来ませんが、スペイン語に堪能な人の話によると現地の新聞には実際の欧州周辺国の人々の感情や世論等が詳しく出ている事が多く、英語メディアではカバーされない領域も多いとのことでした。

その中で興味深かった話としては例えば国の資金繰りを外国から助けてもらうと言う件について、一般に日本からの投資はかなりの歓迎ムードがあるのに対して中国からの投資には非常に複雑な気持ちがあるとのことです。もっと言ってしまえば一種の嫌悪感のようなものまであるケースもありそうだとのことなのですが、実際に今回のポルトガル国債などの入札についても日本が個別国銘柄ではない欧州共同債への出資を決めたのに対して中国は個別国の国債を直接購入する形を取っており、更に中国船籍によるその国の港の使用権などの付帯要求も付けていると言うケースもあるとのことでした。

お金は出しても口は出さないという日本が感謝されているのだか馬鹿にされているのだかわかりませんが、こういうところでも中国のしたたか外交の一側面が出ているような気がしますね。

どうやら国際投資をしようと思うなら、外貨をドルに偏重しないように分散投資をし、情報収集も英語に偏重しないようにしないといけないご時世になってきているのかもしれませんね。