2011年4月24日日曜日

Metals......on their way back into the financial system??

繰り返し書いている通り金本位制時代のような資産の裏付けの無い現在のペーパーマネーからの逃避は、元祖貨幣とでも言うべき貴金属の価格を押し上げており金融市場の参加者の一部の勢力は真剣にGOLDやSILVERが何らかの形で金融システムの中で何らかの役割を果たす体制の出現(再現)を予言しています。

この考え方はどんどん支持を広げているのですが、それがGOLDやSILVERのチャートに明確に現れています。

先週はGOLDは1オンス$15,000を超えて、SILVERは同じく$46を超えてきました。


GOLD DAILY
金は先週も5営業日中4営業日で上昇しており、一日だけある陰線の日も殆ど落ちておらず結局はあらゆる押し目を買った人だけが良い思いをする状況が続いています。


SILVER DAILY

銀に関しては先週の5営業日全てで上昇しており、このDailyチャートでも殆どが陽線となっています。

金よりも銀が上昇するという展開が続いており、これにも背景は諸説あるのですがまた別の項で考察してみたいと思います。

我々は通貨ペアの分析を行う事が多く、円高だのドル安だのと騒いでいる訳ですが、その通貨だけの土俵上でのRelative Gameの外側では、その通貨の土俵自体がどんどん地盤沈下しているという状況なのです。何に対しての地盤沈下かといえば古(いにしえ)の通貨であったGOLDやSILVERに対してです。

前項でも書いていますが、特に米国が現在のQE2を継続するかどうかは非常に重要であり、期限となる6月30日に向けてGOLDやSILVERの上昇が加速していく展開も考えておくべきではないでしょうか。

DXY ...on the blink.

前項で述べたとおりDXY(ドルインデックス)が昨年の安値74.19を割り込んで下落を加速させる気配を示しています。最終的には過去の最安値である70.70(2007年)を意識するようなドル売り相場になる可能性も否定できないでしょう。

DXYチャート(ActionForex.com)


今年の最大の重要日の一つが6月30日です。

ここで米国が予定通りQE2を終了するのであればドル売りも一服すると思われますが、何らかの形で今のレベルの量的緩和を継続するのであればドル安は止まらない可能性が出てきました。

センチメントはかなり偏っていますが、 この6月30日まではドル売りが燻り続けるのではないでしょうか。

奇しくも6月30日はある意味で2011年のど真ん中とも言えるのですが、そのXデイの結果次第で2011年の後半は米ドルの大規模反発にもなり得るし、米ドルの崩壊過程ともなり得るという事は頭に入れておきたいところです。

Top FX Movers Last Week.

先週の為替市場は調整的なレンジ相場の中で米ドルが上下に振幅しながらもベーストレンドとして徐々に下落していくと言う展開となっています。

米ドルの総体的なトレンド指標であるドルインデックスは2009年のボトムであった74.19を下に抜けたところで下落が加速している状況で、2008年に付けた史上最安値である70.70を意識したドル売り相場に入ろうとしています。

Goldは遂に1オンス当たり$1,500を突破して$1,509.5の高値を付けており原油価格も1バレル$112の水準を回復していますが、これを受けて為替市場ではAUD(豪ドル)が絶好調な強さを発揮しています。

先週の主要通貨ペアの変動率上位は以下のようになりました。

     通貨ペア 先週終値 前週終値 値幅(pips) 値幅(%)

①AUDUSD↑1.0731    1.0565     +166      +1.55%

②AUDNZD↑1.3376    1.3210     +166      +1.24%

③NZDJPY↓  65.61     66.40        -79         -1.20%

④AUDCAD↑1.0239   1.0128     +111      +1.08%

⑤GBPUSD↑ 1.6503   1.6325     +178      +1.08%

⑥CADJPY↓ 85.76      86.59       -83         -0.97%

⑦EURUSD↑1.4558    1.4428    +130       +0.89%

⑧CHFJPY↓ 92.33      93.14       -81         -0.88%

⑨AUDCHF↑0.9507   0.9424     +83        +0.87%

⑩GBPNZD↑2.0571   2.0404    +167        +0.81%

上昇サイドでの登場回数はAUD4回,JPY3回,GBP2回,EUR1回でした。
下落サイドはUSD3回,NZD3回,CAD2回,CHF2回でした。

NZDやCADはCommodity通貨ですがクロス取引などでAUDの引き立て役に回ってしまった感じですね。

先週金曜日から今週の月曜日まではEaster休暇ですので一旦AUDに資金を集めた感じもありそうですね。

2011年4月18日月曜日

Unexpected Contraction of Imports.

多くのエコノミストやストラテジストの方々が震災の影響による生産能力の低下が不可避である事から(サプライショック)生産能力の低下⇒輸出の低下となる一方で、復興需要やエネルギー需要から輸入の大幅増加も確実なので2011年は持続的な円安相場となると言う予想をしています。

我々も基本的に同じ相場展開を予想しているのですが、どうやら足元に関しては輸出以上に輸入が減少していると言うデータがあります。

短期的には何でもありなのですが、確かに原油を例にとってもそのままで燃やせるものではなく、精製してから使用する事になる訳です。どうやらそのRefineryの設備(精製施設)のダメージもあって原油の輸入が減少していると言う話も聞いているのですが同様の話が結構あるようです。

それにしてもこの状況で輸出以上に輸入が減っていると言うのは短期的であるにしても驚きであり、この期間の日本経済は実に大きな縮小を経験した事になるのでしょう。

武士の子孫たる我々はこの国難に覚悟と志を持って対処するべしと言う想いが一層強くなりました。兎に角ここから頑張りましょう。

Exhaustion of JPY Crosses.

流石にクロス円の息切れが感じられるようになってきました。今回の強烈な伸びは当然ながら3月17日の協調介入が引き金になったのですが、本邦投資家、特に個人投資家のブラケットで潮流の変化が見られたことも大きな原因だったと思います。

逆張り⇒順張りへ

複数のソースによれば従来は、下がれば買い+上がれば売り という市場の動きに逆張る傾向が強かった本邦のリテールのFXポジションが明確に順張りに転じていたとの事です。円が史上最高値を更新した事やその翌日に協調介入があったことを重視してレベル感と材料の重さから果敢に戦略を転換してきたのだとすれば日本のリテールレベルの投資家層は世界に誇るレベルであると強く思います。

さて、そんな感じのクロス円も流石にモメンタムが大きく後退し始めた感があり、一旦利益を確定した方がよさそうな状況になってきました。代表格のAUDJPYとNZDJPYで見てみましょう。

AUDJPY DAILY


AUDJPYは先週は5日のうち4日が陰線となっていますが、その前の16日間で14本の陽線を出しているのは今更ながら凄いですね。


NZDJPY
 NZDJPYも同様です。あらゆる押し目を目をつぶってでも買って置けば必ず儲かったと言う展開が2週間ほど継続したので今週以降も根強い押し目買いが出ると思いますが、個人的にはレベルを選ぶことで慎重を期す時間帯に入っていると感じています。

Footstep of Inflation.

やはりインフレなのでしょうか。

今この時点でもグローバル経済の大きなベクトルがインフレーションなのかデフレーションなのかという論争があります。

元々インフレ派が優勢でしたが、日本が大きな試練に直面した事もあり長期間の緩和政策の超長期化が不可避という見方が強まったことでインフレ派が更に優勢になったと言える状況でしょう。

通貨の世界でも少し前までは自国の輸出企業の競争力を維持したいとの思惑から世界各国が通貨安を望むと言う”通貨安戦争”と言われる状態でしたが、最近では食料やエネルギーの価格上昇に国民生活が脅かされる事態となり、自国通貨の購買力の維持こそが重要と言う状況になってきました。

そんな中で日米以外は利上げ、預金準備率引き上げ、通貨の切り上げ(上昇容認や変動バンドの中心値切り上げ)等の動きをしており、忍び寄るインフレーションの足音を聞きながら必死の防戦に腐心しています。

例えば金融政策=通貨政策というシンガポールは、ひたすらシンガポールドルの価値の上昇を演出しておりUSDSGDは断続的に大きく下落(=ドル下落、シンガポールドル上昇)する展開が続きます。
USDSGD DAILY












世間一般のインフレーションへの恐怖心は現在の貨幣制度への不信感と元祖お金とも言える貴金属の上昇に繋がっており、GOLDやSILVERの高値更新は全く止まる気配がありません。

GOLD DAILY


SILVER DAILY











私自身は、最後はデフレ圧力が台頭すると言う見方に傾いていましたが、3月に起きた事を考えれば再考止む無しかと言う気にもなっています。元々GOLDやSILVERには強気でしたがインフレ要因が明確に加わるならば、貴金属は想定外の高値圏に到達する事になるのでしょうか。

調整があればしっかり買っておきたいところです。貴金属は、上がるか下がるか、調整が有るか無いか、あるとしたらどれだけ深いか・・・・などではなく、持っていたいのかどうか・・・これだけを自分に問いかける時が来たような感じです。

2011年4月17日日曜日

Top FX Movers Last Week.

日本では相変わらず福島~茨城あたりを震源とする震度6レベルの余震が続いており、東京でも震度3~4程度の揺れを記録する事が珍しくないのですが福島第一原発の状況とともに世の中全体が少しずつ落ち着きを取り戻してきているように感じます。同原発の事故の深刻度が1986年のチェルノブイリ原発の事故と同じ最高ランクのランク7にまで引き上げられましたが、現在までの放射性物質の放出量はチェルノブイリの10%未満であり、今でも様々な対策が進行中ということで特に国内では冷静な反応になっています。(海外勢は少しリスク回避とレパトリ想定の円買いをしていますが)

日常生活でも過剰な自粛ムードは後退しており、少しずつ社会生活も正常化に向かい始めていますが被災地の状況は中々一朝一夕に大幅に改善出来るものでもなく、忸怩たる思いで心からエールを送る日々です。

金融市場のほうでも先週は総じて落ち着いた展開が目立つ感じで、各市場が調整だのConsolidationだのという表現で総括される展開が多かったと思います。

為替動向としては、材料になったのが以下のような事柄だったと思います。

1 前述の原発事故の評価ランク引き上げがリスク回避バイアスの上昇とレパトリ予想の円
  買いを招いた事。

2 ギリシャの債務問題が再び注目された事。

3 IMFがアイルランドを2段階格下げし、BB(ジャンク)よりも一つ上のBaa3とした事。

4 BOCの金利据え置き

5 中国の第一四半期GDPが+9.7%(年率)と好調だったが3月のCPIが+5.4%と32ヶ月振り高
  水準で当局の一連の引き締め努力にも拘らずインフレ懸念が再上昇した事。

結果的に先週の主要通貨ペアの変動率上位10は以下のようになりました。

      通貨ペア 先週終値 前週終値 変動(pips) 変動(%)

①EURNZD↓1.8033    1.8495    -462      -2.56%

②GBPNZD↓2.0404    2.0917    -513      -2.51%

③NZDCAD↑0.7665   0.7473    +192     +2.50%

④CADJPY↓ 86.59      88.67      -208      -2.40%

⑤EURJPY↓119.92    122.75      -283      -2.36%

⑥GBPJPY↓135.68    138.82      -314      -2.31%

⑦AUDNZD↓1.3210  1.3491      -281      -2.13%

⑧NZDUSD↑0.7990   0.7824     +166     +2.08%

⑨CADCHF↓0.9294   0.9480     -186      -2.00%

⑩USDJPY↓ 83.11      84.75       -164      -1.97%

上昇サイドで登場したのはNZD5回,JPY4回,CHF1回でした。下落サイドではGBP2回,CAD3回,USD2回、AUD1回となっています。

調整的な展開の中で無人の野を行く展開を続けていたAUDも一服と言う感じで、強かったのはNZDとJPYと言う展開でした。

株式、商品などは為替ほど調整的な動きにはなっておらず、先週の動きが小休止的なモメンタム調整なのか実はかなりの悪材料も出ているEURなどが反転下落する展開となるのかは今週以降の注目点となります。

2011年4月10日日曜日

Metals have another story.

株式、通貨などが堅調でドルや円に対して上値を更新する展開になっています。

Risk-onやCarry-Trade等と言った表現でアセット市場のUpbeatを煽るヘッドラインも多い訳ですが、その中で金や銀などの貴金属の価格上昇に関しては今でも二つの解釈が交錯しています。

GOLD DAILY

 1つは新たな購買層として中国の中間層(ミドルクラス)がこぞって貴金属の買い手となっている事や相変わらずインドからの購入意欲も強いと言うような話で、貴金属の上昇もRisk-on的な投資ブームの一環として語られるパターンです。

もう一つは、株式などの資産価格の上昇は金融政策の演出による幻影でしかないというも

SILVER DAILY
 のです。何かあれば、ひたすらお金の供給量を増やし、その価値の希薄化の対価としての価格上昇を享受しているにに過ぎないという事です。

アメリカ合衆国の建国の精神に盛り込まれた通貨の健全性維持の精神は金や銀の含有量を誤魔化す行為には極刑の適用を求める程でしたが、その時に1ドル=24.1グラムの銀と規定された筈の米ドルはその後ニクソン大統領によりこの比率での銀への交換義務を免除され、米国は借金してでもWall街中心の金融市場を盛り上げると言う事を繰り返してきました。

この借金=多額の米国の赤字の維持についてはずっとその可否が問われてきましたが、リーマンショックや欧州ソブリン問題などを経て現行のQE2(量的緩和第二段)にまで到達するに付け、その印刷され続ける米ドルの価値の暴落はいつ起きても不思議では無いと言うレベルにまで来ていると言う危機感が強く表明されるようになって来ました。

凄いチャートがあるのですが、以下は米株のS&P500のチャートを今でも米ドルの代わりに銀貨を貨幣として使用していた場合の株価です。

2000年以降のテックバブルに始まる最高値更新ラッシュも実は単なる価値の減少プロセスであったということになってしまいます。

上記のチャートの通り、銀価格はこの2ヶ月で20ドル台から40ドル超えまで上昇しており、この銀や金と言うお金の元祖で再評価した場合には株価など多くの資産価値はその上昇が幻影であったかのように見えます。

以上のことを斟酌すると、今の資産価格上昇をRisk-onと解釈する事が出来る一方で、実は今起きている事はRisk-onによる資産価格の上昇と言うよりもPaperMoneyの暴落の初期段階であり、安全資産と考えられてきたグループから米債、米ドル、日本円などが脱落し、お金の元祖である金や銀への資金流入が急速に増大しているだけだと言う見方も出来るのでしょう。

私が今の株価上昇で従来どおりVIX指数が低下して、通貨市場のオプションのVolatility等も低迷している事に違和感を感じるのは後者の見方が無視出来ないレベルで現実となりつつあると感じているからです。

時々書きますが、GOLDにはOLDとGODが入っていますので、価値の根源としてずっと在るものという意味が込められていると感じています。心配する程度の資産のある人は現有資産の内容を根源的価値という切り口で再評価してみるべき時なのではないでしょうか。

Top FX Movers Last Week.

先々週あたりから強まった為替市場の潮流の”金利差回帰”的な動きは先週で一層強まったと言えます。ここへ来てメディアなどの解説記事なども軒並み円キャリートレード再開の動きに言及するなど円安の動きが鮮明になってきました。

中国の利上げ、ECBの利上げ、豪州は据え置きましたが米国もQE2の出口を巡る議論が盛んな状況下で日銀が東日本大震災後の復興支援目的で追加緩和策を発表した事が為替市場の名湾を分けた格好です。

先週の主要通貨ペアの変動ランキングは以下のようになりました。


   通貨ペア 先週終値 前週終値 値幅(pips) 値幅(%)

①CHFJPY↑ 93.47     90.95      +252      +2.70%


②EURJPY↑ 122.75   119.63    +312      +2.54%


③AUDJPY↑ 89.52     87.27      +225      +2.51%


④GBPJPY↑ 138.82   135.39     +343      +2.47%


⑤USDCHF↓ 0.9061  0.9236      -175      -1.93%


⑥NZDUSD↑ 0.7824  0.7674     +150     +1.92%


⑦EURUSD↑ 1.4483  1.4233     +250     +1.73%


⑧AUDUSD↑ 1.0563  1.0384     +179     +1.69%


⑨GBPUSD↑ 1.6381   1.6110     +271     +1.65%


⑩CADJPY↑  88.67     87.23      +144      +1.62%

上位10通貨ペアの中で上昇サイドで登場した通貨の顔触れは多彩ですが、下落サイドで登場している通貨は円とドルだけです。具体的には上昇したのがCHF2回,EUR2回,AUD,GBP2回,NZD、AUD、CADで、下落した通貨はJPY5回、USD5回です。

緩和政策を続けるドルと円を調達通貨としてインフレ懸念から引き締めに転じた国々の通貨に投資されていると言う図式が際立ってきました。

それにして時間的にも値幅的にももかなり一方向の動きが続いてきました。市場のポジションもかなり偏り始めた感じがしますので、調整リスクは上昇していると思います。

ただし、所謂”通貨安競争”と言うものは完全休戦状態となっており、寧ろエネルギー価格や食物価格の上昇に対処して国民生活を守るべく自国通貨の購買力を維持する方向に舵を切る動きが続いている訳ですので、その状況でやむを得ず引き締め策が取れない円が売られる流れは中期的なトレンドを形成する理由が十分にあると言えるでしょう。

日米の緩和策が調整局面入りしそうだった世界中の株式市場をもサポートしている状況ですのでトレーディングではこの動きをフォローしていくのが順張りということになりますね。

2011年4月4日月曜日

Interest Rate Decisions.

それにしても・・・・

ドル円の76円台は突っ込み過ぎでしたし協調介入まで入ったと言う事でこの程度の円安は想定内なのですが、どうやら私自身一旦ここで欧州ベアな相場観と株式市場調整懸念はバックシートに回さざるを得ないような展開です。

震災後の原発災害懸念で一時76円台を付けたドル円は先週もさらに円安に動き84円台、EUR/JPYは119円台、AUD/JPYは87円台とクロス円主導とも言える円安相場となりました。個人的にはドル円はともかくクロス円はショート戦略が好きなのでどうもリズムが合いません。

先週はユーロの利上げ観測でユーロ高基調が続き、米国でも米雇用統計の結果、米国の出口戦略期待も台頭して円が独歩安のような展開となりましたが、金曜日の最後に出てきたNY連銀総裁がかなりハト派的な発言をしたことで最後に対円以外でドル売りが出た為にクロス円の上昇にモメンタムが強まりました。

 欧州
●欧州中銀金融政策発表の利上げげ観測

既に今月の利上げは、確実と言う状況で市場では3回以上の利上げを織り込んでいますので逆に
追加利上げ期待に水を差すようなコメントにはユーロロングの投げも出易いと思います。

米国 

●出口戦略の議論

ブラード米セントルイス連銀総裁⇒「景気回復に伴い米金融当局は計画している米国債購入の規模を1000億ドル程度圧縮することは可能だ」

フィッシャー米ダラス連銀総裁⇒「QE2の期間延長には反対する」

コチャラコタ米ミネアポリス連銀総裁⇒「2011年末までに利上げの必要に迫られる可能性がある」

●米雇用統計の改善

3月非農業部門雇用者数(米)21:30
前回 → +19.2万人(修正 +19.4万人)
結果 → +21.6万人

3月失業率(米)21:30
前回 → 8.9%
結果 → 8.8%

非農業部門雇用者数も失業率も、予想より良い結果でした。発表前から動いていましたが、さらに対円では発表後にも続伸しました。

今週は豪州、英国の金利政策も発表されます。ECBの利上げが確実視される中で、豪州も英国も、物価上昇が懸念材料となっている事で何かしらの決断があってもおかしくはありません。
期初からイベントが続きます。

2011年4月3日日曜日

Top FX Movers Last Week.

先週はもとより後半の動きに注目が集まっていました。本邦勢にとっては会計年度末、海外勢にとっても2011年の第一四半期の締めとなる3月末が木曜日で、新たな四半期や年度のスタートが米国の3月雇用統計で始まると言う少し皆がドタバタする終盤となりました。

結局週を通しての主要通貨ペアの変動ランキングは以下のようになりました。

     主要通貨 先週終値 前週終値 変動幅(pips) 変動幅(%)



①CADJPY↑87.23    82.87     +436        +5.00%


②AUDJPY↑87.27    83.43     +384        +4.40%


③EURJPY↑119.63 114.56     +507       +4.24%


④GBPJPY↑135.39 130.44     +495       +3.66%


⑤USDJPY↑84.05   81.34       +271      +3.22%


⑥CHFJPY↑90.95   88.40      +255       +2.80%


⑦NZDCHF↑0.7088 0.6927  +161       +2.27%


⑧CADCHF↑0.9585 0.9371  +214       +2.23%


⑨NZDUSD↑0.7674 0.7531  +143       +1.86%


⑩USDCAD↓0.9629 0.9805  -176        -1.83%

一目瞭然ですが、何と言っても1位~6位までがクロス円の上昇と言う結果になりました。一応整理すると上昇サイドで登場した通貨はCAD3回,NZD2回,後はAUD,EUR,GBP,USD,CHFが1回ずつです。一方で下落サイドはJPY6回,CHF2回,USD2回となっています。

USD,CHF,JPYが安いというのは完全な投資家相場であり、商品市場や株式市場の好調さと歩調をあわせた動きと言えます。

特に円安に関しては円キャリートレード的な動きが再開していると言う指摘がありますが、確かに先週は私の視野の中にも海外の大口HFなどによる度重なる円売りの動きが見えていました。

こうなると先般の協調円売り介入は絶大な効果を上げたという評価になるのでしょう。今週は流石にポジションも出来ているように見えるので調整的な動きが先行しそうに思いますが、調整幅が浅いようだと一気に円安バイアスが息を吹き返す可能性もありそうです。