日本でも採択が検討されては見送られ続けている制度ですが、欧米では日照時間を最大限に有効活用する目的で初夏から晩秋にかけての数ヶ月の間に時計の針を一時間進めた状態で過ごす習慣があります。
所謂、”夏時間”と”冬時間”と言うやつですね。
実はこの制度を導入している地域間においても、その実施期間は、欧州大陸、英国、米国と週単位のずれがありますので切り替え時期における国際電話などでは相手方の現地時間をよく確認する必要があるのですが、丁度一番最後の米国が切り替わったところで少し面白いことに気がつきました。
Winer Time という私の言葉にロンドンの英国人もNYの米国人も非常にトンチンカンな対応しか出来なかったので、よくよく確認してみると英国にも米国にも”冬時間”という概念は存在しないのだと言うことに気がつきました。
米国に10年以上滞在した私が今更書くのも赤面ものですが、今回海外の同僚たちと確認した内容は整理すればこのようになります。
1 英国 ・・・・BST(British Summer Time) と GMT(Greenwich Mean Time) があるだけ。
2 米国・・・・ DST( Daylight Saving Time)があるだけ。
英国時間は基本的にGMT(世界標準時間)であり、夏の間は時計の針を一時間進めてやがて元に戻す。米国も夏の間だけ時計の針を一時間進めますが、やがて元の時間に戻すと言う事で英国でも米国でも標準に戻すと言うだけで冬時間と言う概念は無いと言う事のようです。
従って、”夏時間は終了したのか?”という質問はあっても、”冬時間は始まったのか?”という質問は基本的に通じないと言う事になります。
従って、”もうそっちは冬時間だっけ?”という私の質問に対しては、ロンドンの英国人の同僚はしばらく沈黙し、NYの米人の同僚は、”そうだね、大分寒くなってきたね”という反応を返してきました。
夏時間と冬時間と言う二つの基準を切り替えていると言うよりも夏の間だけ少し特別な事をしていると言うのが彼らの感覚なのではないかと思ったのですが、この辺りの感覚の違いもちょっと面白いのではないかと感じました。
欧州通貨統合とは一線を画し、夏時間の開始や終了でも独自のスケジュールを変えない英国。更に米国も独自のスケジュールで動きつつ、Daylight saiving time というコンセプトでの運用をする。
今後日本国内での運用にも個人的には大いに期待したいところですが、それにしても米国を出てからこんな事に気が付くとは自分でも少々驚いています。
LighthouseというBlogを書きながら、"灯台もと暗し"と言うネタでは話になりませんね。