先週は出だしこそ静かでしたが、週央に米第三四半期GDPの発表やBOJ、FOMCという日米の政策金利決定会合、おまけに週末には毎度お騒がせの米雇用統計の発表のある重要週でした。
まさに、Huge weekと呼ぶにふさわしい週だったわけですが、終わってみれば米ドルの下落が際立つ週だったということになります。
上記以外にも実に色々な材料がありました。
第三四半期GDPにしても雇用統計にしても経済指標的には市場の事前予想を大きく上回る良好な内容で、米国経済全体が風船が破裂するような勢いで縮小すると言う極端な悲観論はかなり後退していると言えますが、一方で諸悪の根源であるサブプライム問題の本質に関する不透明感やこれに端を発した住宅市場の低迷に悪材料出尽くし感が出てこない事へのフォーカスも強まっていると言う状況でしょうか。
住宅関連以外の経済指標は悪化しておらず、原油価格が100ドルに迫るなどインフレ懸念が燻る中でFOMCは追加利下げを断行したことも様々な憶測を呼んでいます。
またサブプライム問題が引き金を引く形で拡大した一連の証券化ビジネスの混乱で主要な米投資銀行が蒙ったと推測される損失額が発表の都度拡大しており、先週も最大手の一角を占める銀行がかつて邦銀が行っていたような”損失隠し”、”飛ばし”のスキームを行っていた事が主要経済紙にすっぱ抜かれるなど、米国経済に対する不安は範囲は狭まったものの奥行きは予想外に深いという印象を残す結果となりました。
メリルリンチとシティは既にCEOの辞任が決定しており、流石にここだけは傷が浅そうだと思われたゴールドマンサックスも投資格付けを引き下げられるなどまだまだこの問題は予断を許しません。
わかりやすいのが現象面なのですが・・・・
・ドルインデックスが金曜日に史上最安値を更新。
・金価格が遂に1オンス800ドルを突破。
・原油価格が市場最高値更新。1バレル辺り96ドルを突破。
・ユーロが1.45台の史上最高値を更新し、1.45ミドルのドイツマルク時代の最高値に肉薄。
等など・・・商品市場、為替市場における殆どの構成要素が米ドルに対してその価値を上昇させ続けるという図式が明確に継続すると言う結果となっています。
問題は方向ではなく距離と言う相場になっているのですが、既に多くのコモディティや通貨が米ドル下落の初期段階で到達点と目されたポイントを通過し始めていると言う事実をどう解釈すればよいのか・・・ 11月相場のポイントはこれに尽きると言えるでしょう。
The new month has just begun. Stay tuned.