金融市場は先週も盛り沢山でした。
2008年の金融市場は以下のように総括される事になるのではないでしょうか。
1. 1月~3月までの第一四半期が大荒れ。
2. 4月~6月の第二四半期は急速な沈静化を見せて大相場後遺症に陥った多くの市場参加者を翻弄。
3. 7月~9月の第三四半期から再びVolatilityが上昇。
4. 第四四半期は大きなBOX圏で乱高下。
今我々は、この大きなBOX圏で乱高下という過程にいると思っているのですが、テクニカルな表現を使えば第4波の調整期間という事になり、今後流動性の低下などの年末要因との兼ね合い次第では予想外の値幅が出易いというリスクの上昇を見込んでおくべきでしょう。
実際の所、不透明感は増すばかりです。先週起きた事の幾つかを見ても、前例のない事や予想外且つ今後の見通しも立ち難いと言う事ばかりです。
・株式市場は乱高下を消化しつつ結果として底固い動きをしています。今の株式市場は私なりに表現するとこうなります。
Fundamentally Bearish, Technically Bullish and Seasonally Dangerous.
・米国債の短期ゾーンがゼロ金利となり、一部でマイナス金利を記録しました。
先ずは4週間物の入札が初めてゼロ金利となり、次に3ヶ月物が-0.01%で取引されたのですが、投資家が社債はおろか銀行預金のリスクにも尻込みし、金融機関同士が再び疑心暗鬼となってお互いに資金を融通せずに政府債を購入すると言う動きをしているためです。米国債と投資適格社債の金利差は危険領域まで再拡大しています。
・米国自動車業界のBIG3救済法案が予想外の否決という事態となり、可決を織り込んでいた金融市場は大混乱となり、株式市場が下落、円高が進行すると共に米ドルは一旦円以外の通貨には上昇した後に再度後退と言う激しい値動きの中でドル円は88円10銭と今年の最安値を更新し、95年以来の80円台を示現しました。
ドルは少なくとも短期的に下値を試す段階に入ったようです。円とドルが他の通貨やコモディティに対して上昇する動きは一旦Decouplingし始めており、ドルインデックスで見てもこれまでの大幅上昇に対するテクニカルな調整だけでも年内にあと数百ポイントの下げが必然とすら感じます。当面はドルインデックスで80の攻防を見込むべきでしょうか。
今週はFOMCがあります。私は50bpの利下げを見込んでいますが市場の一部には75bpや一気に100bp下げてゼロ金利とするという予想もありますが、注目は利下げ幅以上にFEDが量的緩和政策に舵を切るというメッセージを明確にするかどうか、その場合はどのような内容になるのかというIF&HOWにあると思います。
それにしても世の中の変化は急速です。