2008年12月7日日曜日

Dramatic Rise and Fall.

Dramatic rise and fall………

やはり広範な世の中の仕組みが根本から変革の時期を迎えているのでしょうか。

未曾有の金融危機が引き金を引いた未曾有の世界経済の混乱と収縮により、発表される経済指標が世界中で数十年振り低水準という事態が続き、財政政策や金融政策の手法を抜本的に見直して、これまでとは違う方向に急速に舵を切る国々や金融当局、中央銀行が後を絶たない中でこの週末にはボクシング界でも未曾有の偉業”が達成されました。


プロモーターの一角、HBOスポーツのGreensburg社長が自身の31年間のキャリアの中で見て来た一流ボクサー達による偉業達成の中でも出色のものだったと言い切る奇跡的勝利を勝ち取ったのはフィリピンの英雄、Manny Pacquiao選手でした。


土曜日のラスベガスで行われたこの試合は、実現自体が大いなる驚きでした。Pacquiao選手は最初に獲得したのがフライ級という軽量選手であり、バンタム、フェザー、そしてライト級を制覇した偉大な王者。一方、そのライト級より一つ軽いジュニアライト級で最初の世界タイトルを獲得したOscar DelaHoya選手はライト、ウエルター、ジュニアミドル、ミドル級までを制覇した偉大な王者であり、今回の試合はDelaHoya選手が体重を落とし、Pacquiao選手は2階級分体重を増やして実現したという常識では考えられない試合でした。


自国の希望であり、英雄であるPacquiao選手が壊されてしまうことを恐れたフィリピンの国会議員や有力者たちがあらゆる手立てを駆使して実現を阻止しようとしたほどの危険な試合は、流石にDeaHoya選手が体力で圧倒するものと予想されていましたが、Pacquiao選手がまさかの奇跡を起こして8回終了時点でのTKO勝利をもぎ取りました。


今、世界経済が必要としているのは、ボクシング界におけるPacquiao選手のような救世主であり、彼の今回の奇跡の勝利のような偉業なのかもしれません。敗れたDeLaHoya選手もEast LAのメキシコ移民の地区から米国のスターダムを駆け上がったアメリカンドリームの具現者であり、フィリピン出身のPacquia選手のAchievementはそれを上回る軌跡と言えましょう。今でも英語が流暢ではない彼の成功はまさにこれもアメリカンドリームそのものです。


2009年を展望するときに、国、地域、経済圏、商品、プロダクツ、通貨、銘柄...などにおいて誰が(何が)DelaHoya選手であり、Pacquiao選手になるのか......そんな視点も持ち続けて行きたいと思います。