2009年11月29日日曜日

A swing between "Late Check" and "Rate Check".

Oil Moneyへの過信とでもいうのでしょうか。今回のDubai Shockは投資家のComplacencyが一因になっていると思います。実はDubaiの不動産市場がバブルの危険があるという事は数ヶ月前から言われていた事ですし、そのSWF(政府系運用機関)が政府系であるにもかかわらずヘッジファンド並みかそれ以上のハイレバレッジ状態にあった事も夏頃には分っていたはずです。

普通なら投資家や金融機関が慎重になってお金を引くと言う動きが加速してもよさそうな材料が多かった中でそうならなかったのはやはりOil Moneyへの期待と過信があったのではないでしょうか。更に欧州系の金融機関や政府レベルにも中東外交で米国や日本よりも優位な立場を維持したいと言う煩悩が働いていたのではないでしょうか。フランスを中心として欧州には今や世界経済の中心ともなろうという中国と政治的なわだかまりを解消出来ずにいる国々も多く、中東経済との距離感は地理的なそれ以上に政治的な思惑が働いている事は間違いありません。

今回は危機に陥ったDubaiの政府系運用機関であるDubai World,Nakheelを間違いなく救済するはずであったDubai政府が一転それらの対外債務の返済繰り延べを要求する動きに出た事で世間が梯子を外されたような格好となったことが引き金になっています。

これで急上昇したリスク回避バイアスにより世界中の金融市場が大きな影響を受けています。債券市場は急騰して世界中で金利が低下していますし株式市場からも大きな資金流出が起こり、無敵とも思えた金などの貴金属市場も一時大きく調整する動きがありました。

為替市場の円急騰もその中の1つです。最早90円程度では市場参加者の目も慣れてしまっていたわけですが、先週は88円を割り込んできたところから市場参加者が慌てだした印象で、87円割れからは円安方向の動きを待ちながらヘッジを遅らせてきた輸出業界や機関投資家なども慌てて外貨売りに動くなど非常に危険な状況となりました。所謂「悪い円高」という図式が定着し始めていた訳です。

民主党政権が結局は赤字国債増発を止むなしとする意向を固めたのか、それを正当化する目的とも思えるデフレ宣言を出した後の円高ですのでこれはかなり危険な動きです。デフレ⇒物価低下と通貨上昇という環境下では防衛的な資金還流が加速して更なる円高と経済縮小のスパイラルに陥るリスクが急上昇してしまいます。

ある意味では民主党新政権のドタバタということになるのですが、最悪のタイミングで意味のないデフレ宣言などをするから今度は追い込まれて円高を牽制する発言を繰り返す事になってしまいました。比叡山の荒法師にしか見えない藤井財務相などもかつての円高メリット発言を撤回、デメリットのほうが圧倒的に多いなどと言い出して円上昇の熱を冷ますのに必死になっています。

金曜日には東京市場で84円台まで円高が進行したところから努力の甲斐あって(?)、海外市場では86円台まで相場が戻していますが、この過程には本邦当局の「レートチェック」がったと報道されています。レートチェックというのは定義が難しいのですが、一般的には介入の前段階の可能性のある行為と考えられています。文字通り当局がRate水準をチェックする行為です。

よく考えると面白いのですが、今回の円高騒動はDubai政府が配下の運用機関の債務返済の繰り延べを要求した事から始まって、本邦当局のレートチェックで一旦は沈静化したという流れです。

債務を当初の約定期限に支払わずに、延滞する、遅れて小切手を切ると言う行為は"Late Check"という英語になります。つまりこの騒動はDubaiのLate Checkで始まって日本のRate Checkで落ち着いたという訳です。

相場はふたつの「レートチェック」の間でSWINGしているという事になりますね。

Dubai Shock.

サンクスギビング休暇を挟んで金融市場はDubaiショックに見舞われました。


世界中の中央銀行から金融システムに供給されてきた潤沢な流動性は本来緊急の異例措置であったはずが実体経済の不調の長期化から恒常的な措置となり、実体経済内に投資先を見出せない流動性は金融経済の中で一大潮流となって新興国に雪崩れ込む結果となりましたが、やはり少なくともその一部はバブルを形成してしまっていたと言わざるを得ないのでしょうか。


過剰流動性の潮流が向かった先は、新興国と商品市場がメインということになるでしょう。

新興国中にはブラジル、ロシア、インド、中国(所謂BRICsですね)やオイルマネーで潤う中東経済圏、南東アジアなどがあり、商品市場は貴金属市場、特に金の購入が顕著になっていました。


その中東経済圏の中でも最もこの外国資本の受け入れに積極的であった場所の一つがDubaiであり、ここで人財産作ったと言う人達も沢山いたはずです。Dubaiで一番有名なのはThe Palm Jumeriahと言われる開発で,文字通り手の平の形に開発したPalm islandという地域の開発でした。


こういう感じです。

殆どかつて話題となったミステリーサークルのような形状ですが、ここの不動産市場は短期間でバブル化し、それが弾けてしまいました。今では不動産価格はピーク時の半値を割っていると言う情報もあります。


実はDubaiのこの手の開発はDubai政府が保有する運用機関を中心に数多くの組織が関わっているのですが政府筋から既に主力運用機関だったDubai-WorldNakheelという組織のRestructuringの意向が発表されており、最悪のシナリオとして破綻処理というようなクレジットイベントとなれば世界中の投資家が甚大なダメージを負う事になります。


Dubai政府はAbuDhabiの政府系金融機関から融資を受けていますが、その資金を今回のDubai Worldなどの救済には使わない意向が示されており、Dubaiも含むアラブ首長国連邦の首長国且つDubaiのタニマチ状態であるAbu Dhabi政府は苦境に陥ったDubaiの投資運用機関の中で本来のオイルマネー主体ではなく外国資本の借り入れというレバレッジ度の高い組織の救済には熱心でない可能性が高そうなのです。


金融的な視点で見れば地域柄中東地区への融資規模は欧州、英国が米日を圧倒する規模となっており、ポテンシャルな焦げ付きの規模感の違いから欧州、英国の市場から米日の市場に資金が移動しています。この流れを背景に為替市場でもユーロやGBPが売られて米ドルや日本円が買われているのですが北米市場のサンクスギビング休暇明けとなる週明けの動きでもこの流れが継続するようなら今後クリスマスや年末年始にむけたリスク資本の里帰り相場が続く可能性もありそうです。


Dubai Shockという言葉が踊りますが、その他通貨に対する反発を強める米ドルに対してさえ95年以来となる円高水準となる84円台(84.79)まで上昇した円の潜在力にも大いに注目して行きましょう。


The big palm is still open but its fingers are sinking now.


週末から一旦沈静化する方向の話も出ていますが引き続き予断は許しません。それにしてもPalm Islandというのは今更ながら物凄いプロジェクトでしたね。

2009年11月23日月曜日

So many men, so many points of view.

最近複数のコモディティトレーディング関係者の話を聞く機会があったのですが、私のようなある意味でアウトサイダーの人間の感じていることと彼らインサイダーの見方には結構な温度差がある事が実感できました。

私なんぞは金価格の上昇は急すぎると見ており、長期的なブルトレンドを維持するためにもヘルシーな調整は必要であり現状は価格軸でも時間軸でもかなり行き過ぎているので結構な調整が不可避なのではないかという意見なのですが、そんな私の意見はインサイダーの人達には素人臭い相場観にしか聞こえなかったようです。

私も驚くほど強気だった彼らの意見は以下のようなものでした。

1 金市場には調整される必要がある投機的なロングポジションは出来ていない。
2 金の買い手は中銀でありドルリザーブからの分散を通貨ではなく金で行っているだけ。
3 金はドル以外の通貨建てでは上昇し始めたところ。

確かに昨今の金相場の上昇は常識的なチャート分析などを受け付けないものがあり、その背景はここにあげたような従来にない規模の資金移動があるのかもしれません。またそれは時間軸的にも相当期間継続する可能性がある現象の初期段階という程度なのかもしれませんし、ドル安円高トレンドの中で円建てで見た金価格があまり上昇していなかったのも事実です。日本人が金を買うのはこれからと言われれば一理あると言うことになりますね。

ただ、IMFが放出する金をインドが引き受けた等というニュース報道で金が上昇すると言う動きはやはり投機の匂いを強く感じますし(インドは実際に市場で買い上げている訳ではないですから)、ドルベースの投資家を煽りながらかなりの短期投機資金も流入し続けているような気はします。

「金は恐らく世界で唯一、上昇しても誰も困らないアセットなのです」

最後はそう言われて帰ってきたのですが、そう言われて見ればそうなのかしら・・・という気もしています。

正しいとか間違っていると言う狭い視点ではなく、現場では実際にどういう考え方や解釈が支持されているのかと言うことを知ることは極めて重要だと再認識させられたような気がします。

視野と知己を広げる努力が重要ですね。

Keep an eye on Gold now.

金価格の上昇が止まりません。

リスク資産の調整相場が到来する可能性に関しても到来した場合の調整の規模に関しても鍵を握るのはこの金市場と言うことになるのでh内でしょうか。貴金属市場と言っても良いのかもしれませんがポイントは金価格でありプラチナなどの他の貴金属は金価格上昇の周辺現象と位置付けてよいと思っています。

この金価格ですが、本日1123日に行使価格1200ドルのオプションが期日を迎えると言う話が広まっており、この1200ドルという水準についてもExoticオプションのトリガーポイント説や単純なバニラタイプのコールオプションを大量に売却している人がいるなどの諸説があるようです。

これを書いている東京時間の1648分時点で金価格は1オンス当たり1167ドルで今日のレンジ下限が1152ドル45セントと出ているので早くも15ドルも上昇していることになります。これは物凄い角度で上昇中ということになりますね。中長期で見ても金のテクニカルは強気相場継続です。

こういう時には様々な憶測が市場を駆け巡ります。

1200ドルを超えたら相場が一気に走るのではないか。

1200ドルをつけれなければ一気にロングポジションの投げが出るのではないか。

等ですが、こういう話には距離を置くのが無難です。実際にどのような人々がどのようなリスクに晒されており、それに対してどのようなヘッジをどの程度しているのかは全く判りませんし、行使時限にどの水準にいたらどのような落とし前をつけるのかも当事者にしかわからないことです。自分がやっていることが投資であって投機ではないと思う人間は踊らされないことです。

ユーロドルでも先週の金曜日期日の1.48-1.51の大口DNTDouble No Touch)オプションがあったようです。先週のユーロの安値は1.4807ですが一気に1.48を付けに行った勢力はその後1.49後半まで踏み上げられて撤退している筈です。

今日中に1200ドルをつけてもつけられなくとも今週の金価格は非常にPIVOTAL動きをすることが予想され、ここを震源地として株式市場や為替市場も振り回される展開が予想されます。近づくまい、踊らされるまいと思っていても必ず影響は受けてしまうのですが金という魔物のパワーには脱帽するしかないと言う状況です。

世の中は債券バブルが発生していると考えてよく世界的に長期金利が低下しているのですが、金買い+債券売りという投資戦略を推奨する動きも増えてきました。ハイパーインフレというリスクは一旦後退しているように見えますが、インフレの議論には関係なく金の勢いが止まらない限りやがてこれが債券バブルを破壊する可能性は確かに無視出来ないような気がします。

So the Moon does know something we don't.

Thanksgivingに向けたポジション調整の動きなのかもう少し長い時間軸での動きなのかは釈然としないものの足元の金融市場が少しずつバタついてきた印象は強まっているのではないでしょうか。

先ずは株価ですが、どうやら今回も新月前後で高値をつけて失速し始めているのではないでしょうか。米株で顕著ですが元々相関の高いその他海外株も概ね足並みを揃えて高値失速感が強まってきました。
 米株は高値を16日の月曜日の新月のタイミングでつけて切り返してきました。終値ベースの高値は17日の火曜日というインデックスもありますがザラ場の高値は16日月曜日であり、実に不思議なことに月曜日の高値のタイミングは日中の短い足のチャート(数時間足、数分足)で見るとまさに新月の瞬間に高値をつけているように見えるようです。

ただしここからどれだけの下落可能性があるのかと言うことに関してはかなり不透明な状況で、株式市場は全般的に明確な失速感の中でもかなりの粘り腰を発揮しており、ちょっとした綱引状態に入っています。

特に別項で取り上げたいと思っていますが一旦株離れをした資金の太宗がGOLDに向かっている可能性があり、金価格の独り勝ち状態を演出しているのですが金価格の上昇は所謂GOLD ETFだのGOLD STOCK(Mining業界や貴金属備蓄業界の株など)を経由して株式市場のサポート要因にもなるという価格的循環関係もありますので今回の株価の調整が資産市場全般の足を引っ張って調整モードが拡大していくという展開には現時点ではなっていないという状況なのです。

取り敢えず、謙虚に月に敬意を払いつつ今週の新たな流れに注目していきましょう。

2009年11月15日日曜日

New Moon on Monday.

一番最近行ったコンサートは、NYMadison Square GardenでのDuran Duranだったと思います。2006年の今頃だったでしょうか・・・いや、もっと前かな・・・


そこでも歌ったと思いますが、彼らの歌に New Moon on Mondayというヒット曲があります。Moon day  Mondayと言うことで元々月曜日は英語でも日本語でも月の日なのですが、7日間サイクルの曜日暦に月独自のスケジュールが重なる時は月のパワーが増幅される傾向があるのでしょうか。


何故こういうことを思い出しているのかと言うと、面白いデータがあるからです。

Elliot Wave Internationalのレポートに出ているのですが、過剰流動性ラリーに入った今年の夏以降の米株市場には以下の特徴があるようです。


1 右上がりの強気相場の中の小サイクルの山と山、谷と谷の間が28~29日周期。

2 各サイクルの山は新月、谷は満月に当たっていることが多い。


百聞は一見にしかずですので、EWI掲載のチャートを添付しましょう。

9月のサイクルトップが新月ではなくて秋分の日近辺となっていますがサイクルボトムは満月近辺続きですし、月の暦と相場のサイクルが面白いほど重なってきていると言うのは興味深いですね。


科学的に検証されているかどうかは知らないのですが、月の暦は地球との間の引力の強弱に影響しており、それが潮の満ち退きや人間の精神状態にも影響を及ぼすと言う話があります。Wall街のあるマンハッタン島などは新月だか満月の時には40cm程隆起すると言う話もありますので金融市場も知らず知らずのうちに影響を受けている可能性はありますよね。


さて・・・興味深いのはタイミングです。


実は1116日の月曜日が次の新月であり、18日の水曜日は前回のサイクルトップから29日目に当たるというのです。

株式市場は木曜日にちょっとした調整をして金曜日には弱い経済指標にもかかわらず幾分回復して越週しておりますので今週前半の動きは大いに注目に値するのではないでしょうか。


いくらなんでも新月や29日目と誤差なく一致する必要はないわけですから米株市場は既に先週でトップアウトしている可能性もありますし、一旦大きく戻して新値を取ってから下落すると言う展開もあり得るかもしれません。


金融市場はArtであって、Scienceではないという立場に立てば全ては偶然と言う見方も出来ますが、相場と言うものにのめり込むほどアノマリーや偶然を超えた何らかの法則性の探求に惹かれるものです。


月曜日が新月・・・という事でDuran Duranの歌を思い出した訳ですが、改めて歌詞を考えれば中々示唆に富むと言うか相場的(?)でもあります。


You got me coming up with answers all of which I deny..I keep finding clues that you leave behind..等は捜し求めていた答え、相場の法則性を見つけた気になっては間違いに気づき、それでも手掛かりを探し続ける我々の姿に似ていますし、

I light my torch and wave it for the new moon on Monday and a fire-dance through the night.なんつーのは新月でハイになって相場が高値をつける様子のようです。


ここでは松明(Torch)を振っていますが、そもそもTorchCarryすれば、Carry a torchで恋焦がれるという事になります。これも我々の姿そのものではないでしょうか。


今週はMoon()に注意。とにかくツキが巡ってきますように!!

Time to play it safe ?

米国でお世話になった先輩が先週から日本に出張中で何度か電話をくれました。本来であれば直にでも会うところなのですが私の体調が回復途上なのと彼も四国だ東北だと飛び回っていて中々東京にいないという状況で中々タイミングが合わないのです

大手老舗のHFに身を投じ、ファンドマネージャーとして活躍された彼は今はRM的な立場で国内の機関投資家を回って投資のセールスをしているのです。

 


「大変だけど忙しいのはありがたいことだ」という話をしながら今年のマーケットの話をしたのですが、今年は極端なリスク回避がピークアウトした3月以降はリスク資産が大きく持ち直す流れが約8ヶ月も続いているのですが終わってみれば単純とも思える動きであるにもかかわらずその過程では中々先の読み難い局面が多かったという感想で一致しました。

 実体経済は悪いのに金融資産は堅調という状況下で、恣意的にポジションを取る勢力は大抵はどこかで株を売ったりコモディティで逆張りしたりという事をして火傷をしていますが、恣意性を排除したモデル運用の世界でも今年は意外と不調のモデルが多いと言う話を聞いて少し驚きました。この先輩自身のモデルも昨年は約50%弱というハイマフォーマンスを出したものの今年はマイナス10%を少しきる程度で推移しており、2月に彼の判断でレバレッジを落としていなければかなりマイナス幅が増えていたとの事でした。


運用モデルは年々複合化・複雑化していますので例えば昨今のように金は上昇、原油は下落、株・債券は歴史的なトレードオフ関係を忘れたかのように仲良く上下するという環境ではマルチファクター部分が立ち往生してしまうという事だったのかもしれませんね。

通貨の選択に関して、「不美人投票」という言葉がよく聞かれたのも今年の特徴でしょうが、彼はこれがより広範な資産選択の場で起きており、彼の表現を使えば「消去法の相場」という展開の背景にあるのが「過剰流動性」という事になるのですが、こういう話をすると今回の出張も含めて米国内外の投資家達からは強い賛同が得られるのだそうです。


この過剰流動性というものがある限りお金をどこかに置かないといけない立場の人々はどうせならと言うことでハイベータと呼ばれる高いリターンの見込める領域にお金を置くと言うことで新興国や貴金属が受益者であり続ける構図が出来上がって来たのですが、ここから流れが一時的にでも変わるとすればそれは時間軸要因と言うことになるのではないでしょうか。


海外勢によるサンクスギビング、クリスマス休暇、年末に向けた恒例のリスク縮小は特に流動性の低いところから行われる傾向があります。11月も中旬に差し掛かるこれからはちょっとしたチキンレースが始まるのかもしれません。出来るだけ無難且つ安全にリスクを縮小したいがハイベータ資産に年内もう一段の上昇があるならそれも享受したいという立場での神経戦ですね。


あまり欲張ると美味しかった筈の果実から最後は指を噛まれることになりかねないので注意した方が良いかもしれませんね。

 OUCH!!

Time to wash your hands of some high-beta things now???

日本語では足を洗うのですが、英語では手を洗うと表現するのは面白いですね。これも聖書から来ている表現なのですが。

Stay tuned.

2009年11月1日日曜日

Here, there and everywhere.........

金融市場は風雲急を告げてきた感があります。

うじゃうじゃとチャートを並べても意味がないので、ここは豪ドルのチャートで先週の動きを確認してみましょう。

AUDUSD Daily

AUDJPY Daily

相場の転換の可能性を示すシグナルは多数ありますが、その中の一つにOutside Reversalというコンセプトがあります。当日の取引レンジ(変動幅)が前日のそれを上回り、方向が逆であることがこのシグナルの条件です。

先週はPIMCOのビル・グロス氏からRisk Rallyは大方終了したと言う発言もありましたが、週央からの金融市場の値動きは商品市場、株式市場、債券市場、為替市場と主要どころでこのシグナリが点灯しまくっています。

問題は流れの混沌さなのですが、上記の豪ドルの対ドル、対円のチャートでもわかるとおり水曜日から値幅の拡大があり、木曜日がそれを打ち消すシグナルが出て相場が混乱したところに金曜日には更に木曜日の方向感を完璧に打ち消す方向のシグナルが出て越週しているのです。

水曜日にはRisk-off方向の動きが出ていましたが、木曜日には発表された米国の第三四半期GDPが予想を上回った事が好感されたという説明でRisk-on方向の津波が戻って来ました。それが金曜日には同じく個人消費のデータが予想を下回ったという説明で山が崩れるかのごとく反転してしまったのです。

曲がりなりにも相当期間市場に携わってきた身として感じるの事は先週の相場は恐らくGDPや個人消費(PCE)の良し悪しで説明出来るものではなく、何か非常に大きなトレンドが出るか転換するかのタイミングで起こりがちな気迷い的な巨額の資金移動なのだろうということです。

今週は注目度の高いFOMCも控えていますし、そこを消化した時にどちらのベクトルが勢力を増しているかを見極めなければなりませんが、Risk Rallyの終焉の匂いは非常に強まっていると言う気がします。

貴金属、株式市場、そして為替市場でも新興国通貨、コモディティ通貨、欧州通貨に対して米ドルと日本円が逆襲に転じる可能性を頭に入れておきたいところです。

Tidal waves may be quickly turning here, there and everywhere.

Stay tuned.

A story that makes your hair stand on end.


個人的に文化や言語の発展過程の類似性というテーマに興味があります。

情報が分断されていたと思われる多くの異なる古代文化圏でハンマーや弓矢などの使用に共通する発展過程があったり、言語の領域でも同じような状況を似たような方法で表現するようになった事例も少なくないように感じます。

今回の表題を書いて感じたのですが、この" make one's hair stand on end"というのと「身の毛もよだつ」というのは明らかに類似性がありますし、他にも「怒髪天を突く」と英語の激怒するに当たる"hit the roof"等にも明らかな共通点がありますね。

閑話休題・・・

A friend of mine told me a story that would make your hair stand on end.

日本の怪談の中には実話も少なくないようですが、その中の一つに四谷怪談の話があります。
詳しい話は思い出せませんが、ご主人に毒を盛られ続けたお岩さんがあのような恐ろしい容貌になったのは実は毒を盛られたことで弱った彼女が帯状疱疹を発症したせいである可能性が高いと言う話です。

この話をしてくれた友人は帯状疱疹の経験者で彼は頭部や顔面に発症したそうですが、当初の自覚症状が眼球の痛みだったそうで最初は眼科医に掛かって「異常なし」と言われ続けたそうです。
 その後彼は大学病院のヘルペス外来と言うところで専門的な治療を受けて回復したのですが、その際に担当医から医学会ではそのような仮説が有力視されているという話を聞いたとの事でした。

時空を超えて彼女の苦しみを考える時に本当にお辛かっただろうと思えてなりません。謹んでご供養の気持ちを送りたいと思った次第です。

This is how it looked.



私の帯状疱疹ですが、こんな感じでした・・・

水疱瘡のイメージではなく、ジクジクはしていませんでした。また破裂して水分が出てくると言うこともなく、そういう部分では楽でした。断続的な激痛さえなければ少々広がったところで気分は桜吹雪の刺青という感じだったと思います。

私の場合はこのように普段は露出しない部分で済みましたが、話によると帯状疱疹というのは体の左右どちらかと言うだけではなく、上下の座標軸でも上は頭や顔面に出る場合もあれば下は足にしか出ないと言うケースもあるようです。私の場合は場所的にはまだ運が良かったと言えるのかもしれません。

敢えて写真を出す理由は同じような症状の方に警鐘を発するためです。このようなものに思い当たることがあれば帯状疱疹の可能性を考えて医者に行くなりせめてストレスや疲労を減ずる努力をして欲しいと思うのです。

それにしても見栄えの悪いものですね・・・・疱疹も然りですが自分の背中も冴えないですね(笑)

What slowed me down was .....


半月くらい前からでしょうか、時折胸の痛みを感じるようになっていました。それは突然にやってきてうめき声を上げそうになる強いものでしたが、瞬時に去っていくと言う奇妙な痛みでした。

「おかしいな・・」

そう思いながら過ごしていたのですが、先々週の頭には痛みがやってくる頻度も深さも明確に悪化しており、心臓病ではないかと言う不安から医者に行くことにしました。
 痛いのは左胸の更に左下で、①心臓、②胃、③肋骨、④それら以外という順番に疑いを持ったのですが取り敢えず昨年血液検査における肝臓のデータが軒並み正常範囲を超えた時にお世話になった近所の内科医に診てもらいました。

肝臓の数値が全て正常値に戻ったという報告をした後で今回の胸の痛みの話をしたところ一旦明るくなった医師の表情が見る見る曇っていくのが判り自分もより不安になりました。

「先ずは診てみましょう」

医師に促されて私は上半身の服を捲り上げて左胸の下の痛む場所を示しました。

「見た目はなんでもないですね」

そう言って後ろに回った医師が大きな声を出しました。

「おおお、出てますよ。ここに・・・」

私は何のことだかさっぱりわかりませんでしたが、「これは帯状疱疹というものです」と丁寧に説明をしてくれました。子供の頃にやった水疱瘡の菌は完全に死滅せずに残党が脊椎の隅に残留するのですが我々の体が免疫を持ってしまった後は活動できずに終わるのが普通だそうです。それが何らかの要因で我々の体の免疫が弱ってしまうとこの残党がその隙に反乱を起こす為に起こる症状で普通は右か左の片側に疱疹が出るそうです。よくこれが帯状につながる形となるので帯状疱疹と言われるそうです。要するにHerpesのことですね。

体の片側というのは、この残党が脊椎の隅に残留する時にどちら側にいたかと言うことだそうで、私の場合は左側だったと言うことのようです。

その後経験者の話を聞くと「痒くて困った」という人もいるのですが、私の場合は痒いと言う感覚は全くなくひたすら刺すような激痛が走っては消えると言う状況でした。
 私の場合も疱疹が出た箇所と痛みを感じる箇所が違っていたのですが、これは脊椎と言う神経の束がある箇所で残留菌が反乱を起こすので神経にダメージを与えるからだそうで、帯状疱疹の後遺症の一つに神経痛があるとの事でした。

きちんと処置しておくことが大切との事で飲み薬を処方してもらいましたが、それを飲み切るまでの1週間の間に症状の改善は全く見られませんでした。痛みはそのままで疱疹は拡大して行ったのです。

帯状疱疹も馬鹿に出来ないものですが、当初懸念した心筋梗塞などの病気ではなかったことで精神的には随分楽になったのですが時折千枚通しで胸を突かれるような痛みには結構参りました。
 薬を延長する必要がありそうだと判断して再度医師を訪れたのですが、実は結構強い薬だったようで1週間以上の継続は不可という条件があると告げられました。

恐らく峠は越していると思うので飲み薬を中断して様子を見る事にして、疱疹が拡大するようならと言うことで塗り薬を出してもらいました。

それから1週間程経つのですが、今久しぶりにBLOGを更新出来ている事からも判るとおり、大分回復しています。当初からは相当楽になりました。後はこれがクセにならないことを祈るのみです。

ここのところ仕事の方もかなりハードでしたので体が悲鳴を上げたのでしょうか。海外市場も見ないといけないのでWeekdayの睡眠時間は数時間という生活が恒常化しているのですがそこから来る疲労なのか精神的なストレスなのか・・・・ちょっと考えないといけないな~と思った次第です。

医者に行くほどではなくても、疲れた時や無理をした時に体の片側だけに部分的な発疹が出て痛かったり痒かったりするがやがて消えてしまうという方は意外と多いのではないでしょうか?今回の私の話を聞いて自分もそうかもしれないと思った友人が複数いました。そういう方は一度診察を受けても損はないと思います。

Do not strain yourself and be brave to slow down when you need to.

そんなお告げなのでないかなと思っています。