ラベル 江戸いとリアル の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 江戸いとリアル の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2015年1月25日日曜日

Crude Oil : Trading Oil..

サウジアラビアのKing Abdullahが他界された事で原油市場への影響も注目されましたが、ご高齢での大往生であったこともあり直接的な影響は限定的だったようです。
Crude Oil ⇒ Still Under $50.

個人的には、この時期にこういう出来事が起こることの意味を考えてしまうんです・・・

価格操作ではありませんが、OPECの方針を通して原油価格の下落を止めようと思えば簡単に止められる立場にある(と思われる)サウジアラビアですが、減産の意向がないと言う事が原油価格をズルズルと下げ続けてきたとも言えるわけです。
 シェール潰しだのロシア苛めだのと様々な憶測がある中での国王の大往生です。

また、急速に中東情勢やイスラム世界の勢力図が変化してきている中での絶対的な存在の他界が意味するもの・・・・今後の展開への示唆も含めて・・・・色々と考えてしまいます。

この週末も日本人として言葉を失う報道もありました。今はただただ祈りの言葉しか出てきません・・・・市場も中東情勢も早期の混乱終結と関係する人々の無事と神のご加護を祈るしかありません。

2015年1月18日日曜日

CHF : What a "GAP-UP".

SNB(スイス中銀)がCHFの対EURでの許容上限(=EURCHFでの許容下限1.20)の防衛を放棄すると言う発表をしたことでCHFが20%以上の急騰。全く予期せぬ展開に外国為替市場は大混乱となりました。

SNBがCHFの上昇を阻止するべくマイナス金利を導入してから2週間
SNB高官がEURCHFの許容下限1.20の防衛を改めて宣言したのが3日前

そういうタイミングでの方針転換の発表でした

世間の批判は当然ですが、SNB総裁からは、以下の反論も出されています。
SNB president Thomas Jordan later defended the decision as he said it was backed by the entire governing board after "intensive discussion" and said that signaling the move ahead of the decision would have "opened the door to speculators". 

十分に議論を尽くした上でのコンセンサスに基づく決定であり、事前にシグナルを発する事は投機筋を勢いづけるだけだ・・・・と言うのですが、どうなんでしょうかね・・・

値動きを確認しましょう。
EURCHF DAILY
GBPCHF DAILY
USDCHF DAILY
AUDCHF DAILY
CHFJPY DAILY

対欧州通貨、対米ドル、対豪ドル、対円とまさに急騰、爆騰という以外には形容のしようがないチャートになっています

90年代終盤にUSDJPYが2営業日で20円下落したことがありますが、今回のCHFの変動はほぼそれに匹敵する規模の動きになると思います

このBlogでも潜在的なマグマが溜まっている様子をお伝えしてきましたが、本当に・・・遂に噴火してしまいました。

本事象については、日本経済新聞を含めて既に様々な記事が出ていますが、投資家、投機家、FX業者などが被ったダメージは甚大と思われます。

どれだけの広範囲に、どれだけの深度で影響が出ているのかは、まだまだこれから明らかになると思われるので、金融市場はそう簡単にはバリバリのRisk-on相場には回帰しないと思うべきでしょう

2014年12月28日日曜日

Season's Greeting.

2014年もあとわずか。今年も色々とお世話になりました。

皆様の年末年始が素晴らしいものでありますように


























Best Wishes.

Robert Miguel Henry.

2014年11月17日月曜日

Well-Tuned EIGO : Something's Got to Give.

EURCHFが1.20で越週した様子を見て、思わずこの言葉が想起されました。

Something's Got to Give.

歌の歌詞や映画の題名にもなっていたと思いますが、色々な形で用いられます。

2014年11月9日日曜日

Well-Tuned EIGO : Not For My Money.

慣用句の怖さに赤面した経験は数多く、本が書ける位だと自負(?)していますが、これもその一つです。

相場観や投資戦略の説明をしたあとなどに、相手から”Not for my money”と言われた事があります。

文字通り、「自分のお金をかけたくないね」と言われたのだと解釈し、Great ideaじゃなくて申し訳ないなどと返したと思うのですが、先日これが一種の慣用句であり、disagreementを意味するものだと知りました。

幸いにして無様な赤面ものの対応ではなかったと思いますが、このMoneyはお金を意味するものではなく”物の見方、考え方”と言う意味のようです。

Not for my money.  私はそうは思わない。賛成しかねる

と言う事であり、更に色々な形で使用できるようです。

For my money, it will rain tomorrow.
( 私の見立てでは明日は雨だね。)

For my money, this one is better.
(私に言わせれば、こっちのほうがいいね)

など・・・日本語の ”言わせてもらえば・・・” と言うのもこれで行けるでしょう

否定でも肯定でも使われるようですね。

語学学習においても、お金を舐めてはいけませんね

Precious Metals : One Big Event for Gold.

貴金属価格も引き続き上値を圧迫されて推移中です。
GOLD DAILY
SILVER DAILY

最後に大きな陽線が出ていますが、この金曜日の特に金価格の反発は注目に値するでしょう

殆どのレポートで、4年半振りの安値圏からのショートカバーと説明されるに過ぎない反発ではありますが、ここからは貴金属は売りにくい状態が続くのではないかと予想しています。

売り難ければ、価格も下がりにくいのでショートポジションの縮小は断続的に反発を演出してくれるかもしれません。

その背景となるイベントは、スイスで月末に予定されている国民投票です。

簡単に言えば、中央銀行が保有する金の売却を制限することの是非を問う国民投票です。

多くの中銀に共通する事象として保有する金を売却する行為がありますが、実際に金の保有を増加させているのはロシアと中国くらいのものです。
 米国のTea Partyと呼ばれる保守勢力にも共通する部分がありますが、スイスにも中央銀行の金の備蓄高の継続的な減少に危機感を持つ勢力があり、それを制限する考え方に対する有権者の支持が広がっているという事です。それが今回の国民投票にもつながってきています

詳細はBloombergニュースで 
→ http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NELADI6K50YL01.html

これでスイス中銀が資産の最低2割を金で持つことが義務付けられると、金価格が反発する事は勿論ですが、スイスフランも急騰し、別項で指摘しているユーロスイスの1.20割れと言うリスクシナリオも急上昇することになるかもしれません

金融界に久し振りに”スイスの子鬼”と言う言葉が復活するかも・・・・しれませんよ。

Crude Oil : Dips Under $80 a Barrel.

原油価格は続落で、遂にバレル単価で$80を割り込みました。
Crude Oil Daily

流石に下げ渋りを感じる値動きにはなっていますが、サウジアラビアが米国向けの原油輸出に関する値下げに同意したという報道が足を引っ張っているようです。

原則的には世界景気を直接反映する鏡とも言われる原油価格ですが、ここまでの低迷は意外であると同時に実は世界経済にとっては大いなる福音であることも事実でしょう。

日本にとってもこれだけの急激な円安が進行する中で、原油価格まで上昇していたら実に大きなダメージがあったはずです。輸入物価の上昇とかエネルギー価格の上昇が物価上昇圧力になっているわけですが、これを素直に喜んでいるのは日銀の黒田総裁チームくらいのものであり、一般の消費者にとっては大変なことです

その中で起きている原油価格の値崩れなのですが、本当にこれがなければ原材料の値上がりによる物価上昇は相当進んでいた事でしょう。

ある意味で絶妙な配剤でもあった原油価格の低迷ですが、中東情勢などを考えれば反発リスクは無視出来ない訳で、色々な意味で注視していく必要があると思います

USDJPY : Eventually Broke Above 115 Mark.

ドル円の115円越えも見事な上昇でしたね。
USDJPY DAILY

これだけ動くとオプション市場のTriggerの話もよく話題になるのですが、ある意味ではそのこと自体も本当に久しぶりという気がしますね。

一定の条件を満たせば徳栄の権利(オプション)が発生したり、逆にすでに存在している権利(オプション)が消滅してしまうというのが所謂Exotic Optionと言うものですが、一番わかりやすいのが市場がある水準に到達すると権利が発生したり消滅したりする取引であり、その水準をTrigger(引き金)と読んでいるのですが、110円を越えたあたりから断続的にこのTriggerが集中するポイントを突き抜けて上昇してきました。

Triggerタイプのオプション取引は、権利が発生するよりも消滅するタイプの方が圧倒的に取引量が多いと思われますが、その意味では多くの市場参加者が様々な権利を喪失しながらこの相場に向き合ってきています

投機筋もこういう情報はよく把握していて(或いは思い込みが共有されていて)、関係ないのに他人の権利を消す方向に加勢する傾向があり、115円超えもそういう流れの中で実現していると言う背景があります。

悲喜交々のドル円上昇ですが、このストーリーはまだ序盤戦である可能性もあるところが恐ろしいところですね。

2014年11月3日月曜日

Well-Tuned EIGO. : Run for One's Money.

好きなボクサーの一人にガーナ出身のIke Quarteyと言う選手がいます。


Delahoya選手などとも名勝負を繰り広げましたが、流石に米国のスター選手との試合の多くは僅差の判定で敗れることが多く、スーパースターと言う領域にまでは手が届きませんでしたが全盛期の無敵ぶりは凄かったです。

アフリカ系の選手はガードを高く上げて速くて硬いジャブを連発し、相手を弱らせてからビッグパンチで仕留めるスタイルが多いのですが、Quartey選手もその教科書的なスタイルでした。

最近見たタイトルマッチで、解説者がアフリカ系のボクサーは名選手も多く、その時々のスーパースター達とも好敵手として名勝負を繰り広げてきた事・・・勝ちはしなくても互角の勝負を繰り広げてきた・・・を解説していました。

その時の表現がこんな感じでした。

African boxers gave them(=superstars) a good run for their money.

この give someone a (good) run for one's money = 互角に戦う、善戦する、健闘する と言う言い回しは汎用性があるようです。

試合では、挑戦者がハードパンチャーの王者に対して逃げずに打ち合いを挑んだのですが、その様は、The challenger brought the fight to the champion. と語られていました。

bring the fight to someone で 正々堂々と戦う と言うことなのですね。

市場でもお金(Money)の戦いがあります。最低でも善戦(a run for my money)出来るよう頑張りましょう。

Well-Tuned EIGO. : On the Up and Up.

(米)株価もドル円もリーマンショック前の水準をクリアしたところで、当時の財務長官だったTim Geithner氏が回想録のようなものを出版する準備をしていると言う話が出てきました。

当時彼が未曾有の状況下で相当苦労したことは想像に難くないのですが、その内容はClinton政権に対してもかなり批判的な内容も含んでいるとのことです。

He minces no words in railing against a corrupt environment of Washington D.C.

mince no words は言葉をminceせずに率直に話す事で、rail against は強く批判する事ですね。
rail againstは語感的にも”柵を建てる”、”一線を画す”イメージが出ていますね。

国会議員に対する批判の部分で英語らしい表現と感じたのは、誰も真剣な議論などしていなかったと言う意味のことを以下のように表現していました。

No questions were really ever asked with the purpose of being answered.

これも痺れますね。質問のための質問なかりで真剣な質疑ではなかったというのですから。

恥ずかしながら調べないと分からなかったのは以下の英語です。

Nothing with Congress was on the up and up. Only the slimmest pretense of seriousness.

on the up and up と言うのは、公正な、正直な、誠実な と言う意味でした。2つ目の文が補足説明になっていますが、Upの対比はDownなのですが、Up and Up と言う事で”裏表がない”、”言動一致”みたいなイメージだと思えば記憶しやすいかな・・・・と思いました。

基本単語の組み合わせの奥深さを感じますね。

2014年11月2日日曜日

Well-Tuned EIGO. : Quick on the Draw.

著名なストラテジストの書いた文章の中で、この表現に出会いました。

文脈的には、このストラテジストがパーティ会場か何かで出会った投資家が断言口調で語った事に対して強い違和感を持ったと言う流れの話でした。

金融市場の予測ほど当てにならない物はないのだから普段は聞き流してしまうのに、何故かこの時には面と向かって反論を展開したくなったと言う事なのですが、

I am usually not quick on the draw but ........... 

と続く文章でした。

Be quick on the draw と言うのは改めて調べてみると、拳銃や刀などの武具を鞘などから抜くのが素早いという事のようで、意味するところは、゛喧嘩っ早い゛、゛理解が速い゛、゛機転が利く゛などと広がっていくようです。この辺は文脈で判断ですね。

金融市場は潮流が目まぐるしく変化する事も多く、朝令暮改も是とする世界でもありますが、まさに状況に応じて適切に対処していくと言うのもこの Be Quick On the Drawと言う表現で行けそうですね。

と言う事で、11月も Be quick on the draw !!

Global Stocks Jumped on BOJ Easing. : Kuroda Pulled the Bazooka Trigger.

日銀の追加緩和により日経平均は7年振り高値へ急騰。単日の上昇幅も755円56銭と言う凄まじさでした。

2014年10月26日日曜日

Well-Tuned EIGO. : Have a Sting in the Tail.

先週は大きな材料も少なかった中で株式市場が大きく戻す流れでしたが、市場解説のコメントの中で以下の表現に出会いました。

The market will finish strong if the market does not have a sting in the tail.
(このまま何事もなければ株式市場は上昇して終わるだろう)

可愛い顔をした動物が尻尾に刺を持っていたり、蜂も口には蜜、手足には花粉と美しいのにお尻で刺す・・・恐らくはそんな事から、予期せぬ(悪い)事が起こるとか、最後に裏切られるというような事を、相手の尻尾に刺があったと表現するようになったのではないかと推察します。

映画や物語などの展開でも最後にドンデン返しがある場合などは、まさにこの尻尾の刺と言う表現が使えるわけですね。

金融市場もドンデン返し的な展開が増えそうな気配を感じます。

This week had yet another surprising sting in the tail.
(今週もまた最後にどんでん返しがあった)

これで十分伝わりそうですね。

2014年9月28日日曜日

Gold + Silver : Many Sellers and Two Big Buyers?

米ドル上昇の継続の影で復活のキッカケがつかめない商品市場ですが、貴金属も相変わらず冴えませんね。
GOLD DAILY

SILVER DAILY
商品市場には為替市場のような流動性や取引量は無い訳ですが、これだけ受給が傾く中で、う有象無象の投資家の売りをひたすら受け止めている買い手の存在が指摘されています

貴金属の上昇時にはインドや中国の無尽蔵の需要が指摘され、金価格は1オンス8千ドルに到達するだろうなどと言われていた訳ですが、最近の近金属下落相場の中で目立つのは、二つの中央銀行という事のようです。

ロシアと中国・・・です。

欧米中心の国際秩序のアキレス腱の一つは、Fiat Moneyです。金本位制時代と違って、今のお金はただの紙切れなんですね。

Russian CB Gold Reserves
だからこそQE政策が可能になるわけですが、この量的緩和という紙幣を刷りまくる政策が破綻するときには間違いなく通貨危機が起こるわけです。その意味で、米英がQE政策の出口に近づくことは日本や欧州にとっても大変心強い訳ですね。

かつて金や銀が暴騰したのもQE政策への批判や不安が背景であった訳ですが、米のTaperingの議論の頃から、どうやら今回は大丈夫そうだということで貴金属には強い逆風が吹き続けてきました。


まだこの先どうなるか安心できない状況の中で、欧米中心の国際秩序の対立軸となるロシアや中国が貴金属の備蓄を急ピッチで増加させているというのは極めて興味深い・・・と同時に怖い話です

地政学リスクも多様化しながら上昇中と言う事実がありますので、どこかで貴金属市場の流れが急展開する事もあるかもしれませんね

2014年9月14日日曜日

Review of the Week.(Sept.8th - Sept.12th.2014)

2014年9月8日(月)~9月12日(金)の週の簡単なReviewです。

1 Key Events.

 ①英国
  Scotland独立問題
  ⇒前週末のYouGovの住民調査で51vs49で独立派が初めて優勢に。
  ⇒今週のYouGove調査では52vs48で独立派がさらに優位に。
  ⇒直近のBetterTogetherの調査では逆に52vs48で独立反対派が優位。
  ・BOE Carney総裁
  ⇒Scotland独立の場合のContingency Planは出来ている。
  ・7月鉱工業生産⇒+0.5%(予想+0.2%,mom),+1.7%(予想+1.3%,yoy)。
  ・7月製造業生産⇒+0.3%(予想+0.2%,mom)、+2.2%(予想+2.1%,yoy)。

 ②米国 / カナダ
  ・米新規失業保険申請件数⇒9月6日の週は315千件(予想300千件)。
  ・米8月小売売上高
  ⇒+0.6%(予想+0.6%,mom)。
  ⇒Ex-Autoは+0.3%(予想+0.3%,mom)。
  ・加7月建築許可件数⇒+11.8%増(予想▲5.0%)
  ・加8月住宅着工件数⇒192千件(予想195千件)。
  ・加7月新築住宅価格指数⇒±0%(予想+0.2%)

 ③欧州圏 / スイス
  ・欧州圏9月Sentix投資家信頼感指数⇒▲9.8(予想1.4)
  ・ECB Visco政策委員(伊中銀総裁)
  ⇒低インフレの長期化による中長期インフレ期待の不安定化
   を回避する事が最優先課題
  ⇒低インフレの背景はエネルギー価格の低下、EUR高止まり等
  ⇒ECBは必要な追加措置を躊躇しない
  ・欧州圏第2四半期就業者数⇒+0.2%(qoq)。
  ・欧州圏7月鉱工業生産⇒+1.0%(予想+0.7%,mom)
  ・独7月貿易収支⇒+eur22.2bioの黒字。
  ・スイス8月失業率⇒3.2%(unch)。
  ・スイス8月CPI⇒+0.1%(予想±0%,yoy)。

 ④日本
  ・第2四半期GDP⇒▲1.8%(予想▲1.8%,qoq)。
  ・8月工作機械受注⇒+35.6%(yoy)
  ・8月消費者信頼感指数⇒41.2(予想42.3)
  ・7月第3次産業活動指数⇒±0%(予想+0.2%,mom)
  ・安倍首相+黒田日銀総裁の昼食会合
  ⇒黒田総裁が景気の好循環の継続を強調
  ⇒日銀の物価目標達成が困難と判断すれば追加施策を用意

 ⑤中国
  ・8月貿易収支⇒+$49.8bioの黒字(予想$40bio)
  ・8月PPI⇒▲1.2%(予想▲1.1%,yoy)。
  ・8月CPI⇒+2.0%(予想+2.2%,yoy)。

 ⑥豪州 / NZ
  ・豪7月住宅ローン件数⇒+0.3%(mom)。
  ・豪8月NABビジネス信頼感指数⇒8に下落
  ・豪8月雇用統計
  ⇒失業率は6.4%から6.1%に低下
  ・NZ第2四半期製造業活動指数⇒▲1.9%(qoq)
  ・RBNZ(NZ中銀)8月金融政策決定会合
  ⇒金融政策据置きOCR金利を3.5%に維持
  ・RBNZ Wheeler総裁
  ⇒過去の引締めの効果を見極める時間が必要。
  ・NZ8月製造業指数⇒56.5(予想56.0)
 
2 金融市場

 ①株式市場 / 債券市場
  ・株式市場は週後半に調整圧力が上昇
  ・債券市場は下落圧力。長期金利は上昇へ
  ・例外的な動きの日経平均は5日続伸で16千円が視野に
   週の終値は週の終値は15,948.29円(先週15,668.68円)。
  ・Dow→$16,987.51、S&P500→$1,985.54、Nasdaq→$4,567.60。
  ・週次ではDow→▲0.9%、S&P500→▲1.1%、Nasdaq→▲0.3%。
  ・米10年債利回りは、2.61%(先週2.46%)。
  ・米30年債利回りは、3.34%(先週3.23%)。

 ②商品市場
  ・商品市場は低迷継続
  ・原油価格は、バレル単価で$92.18(先週$93.47)。
  ・金価格は、オンス単価で$1,230.35(先週$1,268.46)。

 ③為替市場
  ・米ドル堅調路線継続
  ・コモディティ通貨の下落が加速
  ・欧州通貨は対コモディティ通貨では反発
  ・円安継続ドル円は107円台へ週内2Big Figure上昇

GBP : At the Mercy of the Scotland Referendum.

Scotlandの英国からの独立問題に多くの金融市場がかき回されています。株も債券も為替もですね。
GBPUSD DAILY
チャートでも確認できますが、先週末の世論調査では慎重論を抑えて初めて独立賛成の意見が優勢になったとため、GBPは週初からGap-Downして取引が始まりました。

その後は徐々にGapを埋めに来るような小幅反発を見せているのですが、複数ある事前調査の中でも独立の賛否は僅差で割れている状況ですので、大激戦のまま住民投票を迎えることは間違いなさそうです。

市場の反応の程度については、一応以下のような見込みのようですね・・・

Bloombergの聞き取り調査の結果ですが・・・・

1 回答者の61%がScotland独立なら1ヶ月以内にGBPが対USDで
  5%~10%下落すると予想。

2 同36%が下落幅は2%~5%程度と予想。

3 GBPの下落が10%以上と予想するのは全体の3%程度。

4 独立が否決された場合は、68%の人々が2%~5%のGBP反発を予想。
  
5 同じく回答者の13%がGBPの反発を5%~10%程度と予想。

こういうのも大方外れるものです。とにかく目が離せませんね。

EURGBP : A Potential Powder Keg?

アジアの歴史も極めて複雑且つ日本も複雑な隣国関係に手を焼いていますが、欧州のそれも十分に複雑ですね・・・・

英国は諸事情あって欧州の一員と言う立場を重視しつつも統合通貨の採択等からは距離を置くと言う選択をしてきました。
 当初は本邦主力大企業からも英国に対して「英国がEURに参加しない場合は英国を撤退することも検討する」と言う圧力がかかるほど統一通貨EURへの期待や支持は絶大なものでした

期待通り強い通貨として誕生したEURは、グローバルな基軸通貨としてのUSDへの不安を背景に順調な推移を辿りますが、やがて欧州域内の問題の露呈などから値下がりを続け、やがて長期低迷の原因は、統合欧州というコンセプトへの疑念や矛盾であるという批判にすら晒されるようになります

英国経済は金融危機からの立ち上がりも早く、GBPも復調し、英国が独自性を維持してEURへの参加を見送ってきたことは正解であったと考えられるようになりました

皮肉なのは、その英国からScotlandが独立した場合、通貨をGBPとするかどうかは微妙な状況に有り、更にGBPを継続しない場合の選択肢の中にEURへの参加と言うオプションがある事です

第一に、Scotlandが独立するかどうかが微妙。
第二に、Scotland独立の場合に同国がGBP使用を継続するかどうか微妙。
第三に、同国がGBP継続を選択しない場合にEURを採択する可能性がある。

EUR参加を見送って正解だった英国経済が、事実上内部にEURを抱え込む格好になるのでしょうか? 恐るべき歴史のいたずらと言うべきシナリオではないでしょうか。

そういう目線で市場を見ていくと、9月18日のScotland独立を問う住民投票結果を受けて、どのような結果が出ても大きく動く可能性を秘めた通貨ペアの一つがEURGBPと言うことになるでしょう。
EURGBP DAILY

案の定、陽線にしても陰線にしても長目のロウソク足が出やすくなってきているように思えませんか?

チャートの左半分でEUR安GBP高のトレンドが一服し、そこから持続性のある方向感は掴みにくいレンジ内での攻防戦が続いてきました。

X-Dayは9月18日・・・なのかもしれませんね。

Commodity Market : Still Going South.

米ドル上昇基調の中で、先週はコモディティ通貨の下落が大きく、相対評価としては欧州通貨がコモディティ通貨に対して上昇する流れでした
EURAUD DAILY
GBPNZD DAILY

それにしても凄くないですか、このチャート・・・・・

EURAUDにせよ、GBPNZDにせよ・・・・

凄すぎますよね・・・・

この背景には、コモディティ市場そのものの絶不調というものがあります・・・

原油価格にしても、貴金属にしても調整以外の上昇は全く見られない状況です。

原油に関しては、これでグローバルな経済活動が順調だとか、景気が拡大しているとか、言ったら嘘だよねと言う状況ですし、貴金属に関しては、世界中がインフレの影に怯えながら実際にデフレリスクに直面している事が読み取れるような状況になっています

CRUDE OIL DAILY

GOLD DAILY
Paper AssetからReal Assetへ・・・とか、紙から現物へ・・・・などと持て囃されて、多くの投資家の資金を吸収したコモディティ市場も今や全くその面影なしといったところかもしれません。

Wall Street(投資銀行)と言うビジネスモデルの崩壊と言う事象とも無関係ではないのかもしれませんが、とても寂しい展開と言わざるを得ませんね・・・

2014年9月7日日曜日

Scotland Independence Referendum Hurt GBP. : How Can They Pay Scot and Lot?

英国内のスコットランド、カナダのケベック州などには昔から独立を主張する勢力があり、住民投票も行われてきました。

今回の9月18日のスコットランドの住民投票がこれだけ材料視されるのは、いくつか理由がりそうですね。

1 ウクライナのクリミヤ半島の動きに似ている。

2 世論調査で民意が拮抗している。

3 スコットランドがGBPではなく独自通貨を持つ動きがある。

などでしょうか。

これだけの理由ではないにしてもGBPは随分売られてきましたね。
GBPUSD DAILY

GBPJPY DAILY
スコットランドだけにスカッとしないと言うのはダジャレになってしまいますが、ちょうど英語でも Pay Scot = けりを付ける と言う表現がありますので、Scotlandの問題とかけて使えそうですね。

Scot単独でもScot and LotとしてもTAXの意味があるようで、それをPayすれば決着がつくということですね。

Scotlandの住民投票は9月18日の木曜日に予定されていますが、結構大きなイベントになってしまいましたね。

注目しておきましょう。

Gold and Silver Join Central Banks : Looking For Inflation.

欧州もQE政策に舵を切る流れの中で、本当に世の中にインフレーションの影が感じられなくなっています。ハイパーインフレリスクを喧伝する勢力もなりを潜めている今日この頃という感じですね。
GOLD DAILY

SILVER DAILY
世界中の投資家が買っては投げる展開の続く貴金属ですが、QE政策で紙幣を刷りまくっても多くが恐れたインフレーションは生じないという実例が事実として認識されるに連れて貴金属市場も長期低迷時代に入っている感があります。

インフレファイターと言われた中央銀行の人々がインフレを待望する状況の中で貴金属も自らの価値を高めるインフレを待ち望んでいるという状況が続きます。

世の中には意外とこう言う皮肉な展開とか事例はあるものですね・・・