2010年1月24日日曜日

And so....the cranes fly.

JALとANAというのは自動車で言えばトヨタとホンダという位のイメージでその時々の競争上の優劣はあってもまさか事業再生法を申請するような事になるなど全く考えてもいませんでした。JALの1件は日本企業にとどまらず全ての企業が教訓とするべきだと思います。個人的には複数の労組の存在や発言力の強さなどが改革を阻んでいた米国のGM等と相似形の部分も少なくないと感じています。

JALと言えば鶴のマークが思い浮かぶのですが、丁度同社がおかしくなり始めた頃と鶴のマークを廃止した時期は結構一致していると言う話も聞きました。

今回の金融危機は100年に一度の事象と言われています。英語で滅多にない事を黒い白鳥(Black Swan)と表現することがあり、この金融危機もこの言葉で語られる事が少なくありません。この金融危機を扱ったそういう題名の本も売れていますね。

私はその延長線上でJAL問題を捉える時に、"The blacl swan killed the crane."という言葉が浮かびました。日本を代表する鶴は100年に一度の黒い白鳥に殺されてしまったのかと言う事です。

しかし流石にというか、まさに" Too big to fail" ということなのでしょう。日本政府も全面的にバックアップし、邦銀メガ3行の出血覚悟の債権放棄などにより日本の鶴は何とか飛び続ける事が出来るようになりそうです。

ところで、こういう話があります。

とある発展途上国のある村に電気を通すと言うODA案件が持ち上がった時の事です。大抵の国ならば直に飛びつく話でしょう。ところがその村には昔から鶴が飛来してきて巣作りをするという事情がありました。電気を通すために高圧線を張り巡らせると飛来してきた鶴が高圧線に接触するなどでこの村での巣作りが出来なくなると言う懸念が持ち上がりました。結果的にその村の人々は電気のある文化的な生活よりも鶴との調和的な生活を継続することを選択してこのODA計画を謝絶してきたそうです。

その国の名は、ブータン。そうです、あの国の豊かさはGNPやGDPではなくGNH(国民総幸福度)で計られるべきと主張している国です。

ちょっといい話だな・・・・と思ったのですが、日本人もブータンの人々も自分たちの鶴を大事にすることを選択したのだと言う事になるのでしょうか。

鶴の恩返しがあるといいですね(笑)