前項の通り先週はギリシャ問題が短期的なクライマックスを迎える中でギリシャ議会が無事に78bioEURの緊縮財政案を通過させた事でEUが段階的に実施してきた110bioEURの資金援助の第五次放出が確定的となり同国の7月、8月分の債務の繰り延べに目処が立った事から金融市場も大きく反応してきました。
リスク回避バイアスの後退は劇的で、米株を例に取れば先週はDowで5.4%、S&P500で5.6%もの上昇と言う実に2009年7月以来となる大幅上昇を記録しています。
欧州は今後ギリシャに対して85bioEUR規模の追加融資を最終決定する予定ですが、詳細の最終決定が予定されている7月11日までにPrivate Investorsからの30bioEUR規模の自主的な参画が予定通り確保出来るかどうかが次の山場になるでしょう。
市場の一部には早くもギリシャ問題一服後はECBが金融引き締め路線に回帰するのではないかと言う思惑も出始めているのですが、個人的には短絡的とも感じるものの先週は6月のCPIが2.7%とECBがターゲットとしている2%を大きく上回る中で金融市場はギリシャ等周縁国問題を理由に年内のECB利上げ可能性の織込みを70%割れ水準まで落としてきている事を材料にEURのロングメイクに動く勢力もあったようです。
EURの正反対の状況だったのがGBPで非常に弱い動きをしていましたが、BOEのハト派的なバイアスが更に強まっている事もあってGBPは暫く下値を探る展開となる可能性が高そうです。
Big GainnerとなったのがCADでした。カナダのCPIが実に8年振りとなる3.7%にまでJUMPしてしまった事で中央銀行であるBOC幹部からも警戒を強める発言が相次いでいます。BOCのインフレターゲットも2%が上限なので3.7%は放置出来ないと思うのは当然なのですが、年内にも25bpの利上げを2回は行うのではないかと言う思惑が急上昇しています。
それにしても足元のConsplidationは双方向へのSWINGがとても大きいですね。