2007年10月28日日曜日

Between Great Moderation and Grand Demolition

A huge week has come that may enetually break the fine balance between Great Moderation and Grand Demolition.

所謂米国サブプライムローンの延滞率上昇を引き金とした8月の金融市場の大混乱は、実に長期にわたって継続してきた大いなる資本主義の繁栄に対する黄信号的な警鐘だったと思います。
 
その後、当局レベルでも民間レベルでも色々な方策や努力が行われ、その多くは少なくとも短期的な効果を発揮してきたことで金融市場は一定の安定を維持してきました。

一般メディアに出ること、出ないこと・・・・市場の一端を担っていると様々な内部情報、怪情報、楽観論、悲観論が我々の視野や聴覚を駆け抜けていきます。
 世界経済は・・・・・米国経済は・・・・・一度は体調を崩したものの回復に向かっているのか? それとも非常に重たい病状の中で一時的な回復を見せてきただけなのか?そんな二つの対立軸の間で金融市場は揺れ動いてきたのだと思います。

Great Moderation という概念は、春から初夏にかけての単身での東京生活の間にある資格試験を受けようと一念発起した際の試験勉強(?)の中で発見した概念です。
 世界経済のグローバル化が進行した結果、経済活動や投資活動における国境や経済圏の境目を越えた資本移動が活発化して、世界経済全体の構成要素の相互補完、相互依存なども高まっており、最終的には世界レベルでも各国レベルでも景気振幅の幅や周期が小さくなっているというコンセプトです。

実務においても、金融市場の広範なVolatilityの低下は大いなる議論を呼び起こしていましたし、Volatilityの低下(市場が動かないと言うこと)により、価格変動による収益性が低下した分利息や配当による収益を追求する動きが強まる中で極端に積み上がったのが金利差に着目した円キャリートレードであったとも言えます。

経済のGlobalization⇒Great Moderation⇒金融市場のVolatility低下⇒Capital GainからIncome Gainへの比重のシフト⇒Carry Tradeの流行

という流れがあったと思います。

Grand Demolition というのは、大きな意味でGreat Moderationに対する対立軸として思い浮かんだ私の造語なのですが、実際に大いなる金融工学の発展が生み出してきた今問題となっているAsset Back Security 関係や各種レバレッジの根幹となってきたCredit FinancingやDerivative Model、そして多くの格付機関のRating能力などへの信頼が根底から崩壊するような事態ともなれば、今後の金融市場は大混乱の渦に飲み込まれることになり、世界経済も大いに冷え込んでしまうリスクがあると思います。

何がバブル状態だったのかと言えば、実は金融工学そのものであるという話を書いたことがありました。ペーパーアセットから現物資産へという ”紙からモノへ” という資本移動についても紹介したことがありました。
 まさに近代資本主義は、大きな節目を迎えているように思われますが、商品市場では現在勢いのある原油や貴金属等から資本流入の主役が食物、水などにシフトしていく傾向が明らかになっており、まさに世の中は一流企業の株式証券よりも、キャベツや牛肉の権利が子孫に引き継ぐ財産を守ってくれる時代に突入しようとしているのかもしれない訳です。

月末月初を含む今週は、米国だけでも第Ⅲ四半期GDP,雇用統計など目先の市場均衡を破壊して新たな方向感を決定しそうな材料が目立ちます。

Great Moderationの奥深さが確認されるか、Grand Demolitionという逆流が勢いづくのか・・・・・

殆ど飲み会で夜の予定を埋め尽くしてしまったのですが、今週は結構忙しいのではないかと思われます。

米国の友人からは、Indian Summerで半袖モードだと聞いていますが、日本は一気に寒くなってきたようです。海のどちら側にいても体調管理は十分気をつけましょう。