2008年4月20日日曜日

The genie is out of the bottle.......


金曜日の夜は遅くまで吉祥寺と言う街にいたのですが、時折金融市場の様子をチェックしながら皆で驚きの声を上げていました。

米ドルが反発している。ユーロが、円が、スイスフランが・・・・下落している。金が大幅に下落している。米株が上昇している。ドルは全面高か・・・・いやいや原油が最高値を更新している。・・・・ETC,ETC...

酔いと戦いながら最後に見たのはドル円が104円台後半、ユーロが1.57low、金価格は910ドルを割り込んでいました。最大のライバルとなった原油価格が反落することなく米ドルが大きく反発すると言う歪な状態となっていました。

Now the genie is out of the bottle....

酔うとひたすら睡魔に襲われる私は、そう思ったのを最後に終了時に起こされるまで寝ていたように思いますが、奇跡的に乗り越さずに帰宅して爆睡し、土曜日の朝になってから北米市場の終値を確認するとドル円は103円台後半、ユーロは1.58台、原油価格も1バレル117ドルに迫る史上最高値水準で終了していました。

やはり米ドルは小反落して終了していましたが、それにしても先週は米ドルが大きく下落する可能性のあった週であり、途中までは実際にユーロ、原油価格などが対米ドルで史上最高値を取り、他の欧州通貨やオセアニア、アジア通貨も大きく上伸していた事を考えれば、予想外の大健闘で正念場の週を終了したと言う事になるのではないでしょうか。

4月は後半に入りますが・・・ちょっとこのぶっ壊れた状況が継続すると考えるしかなさそうです。米ドルが、ユーロが、GBPが、円、CHFが・・・金が、原油が・・・そして株価も・・・・これらが濁流のように脈絡無く乱高下するような展開が続くのではないでしょうか。

昔・・・確か"ハクション大魔王"だったですかね、ランプの中から出てくる魔法使いのアニメがあったと思うのですが、あれのモデルとなったと思われるのがイスラムの伝承のGenie(ジニー)という精霊です。

このGenieという精霊は、アニメ同様にランプから出してくれた人の願いをかなえてくれるだけではなく結構騒ぎも起こしてしまう厄介な性質もあり、これをランプから出してしまうと大騒ぎとなると言う事から英語でも「大変な事になりそうだ」、「収拾がつかないぞ」、「もう誰にも止められない」という状況で、"Genieをランプから出してしまった" と言う表現を使う事があります。

The genie is out of the bottle. まさに今の金融市場はそういう状況かもしれません。

昨年の秋にマレーシア出張をして、ある政府系運用機関を訪ねた時にレセプションで暫く待たされたのですが、周囲のショーケース内にはイスラム文化の資料の展示があり、多くの古めかしい壷なども飾られていました。

私がふざけて壷の側面を手で摩る仕草をしていると、受付の女性が笑いながら、
"Are you looking for Genie?" と言っていました。時代を超えたキャラクターというところでしょうか。

とにかく今後、Genieさんとの対面が増えそうです。間違いなくランプから出てしまったはずなのですから。