2009年9月23日水曜日

Pre-events tug of war.

前の項でも触れた過剰流動性というのは今年の相場を語る最大のキーワードの1つです。

Green ShootsRisk Rallyもこれ無しには不可能だったと断言しても問題はないでしょう。

少し前に代替投資部門の同僚が投資先の欧米ヘッジファンドなどを回って戻ってきました。

様々な先との情報交換を行い、それぞれに違った投資戦略やヘッジ戦略があったようですが、殆ど全ての面談先に共通していた最大公約数的な相場観としては次の2点があったようです。

1 世界経済は最悪期は脱したが、ここからどう回復に向かえるのかは定見なし。

2 過剰流動性が存在する限り資産市場の底割れ的な混乱は起こり得ない。

当局のジレンマは、産業・事業部門への資金供給を意図して金融システムに注入してきた過剰流動性が産業・事業部門にシフトせず、その大部分が金融システム内に滞留して金融機関経由で資産市場に向かっている事ですが、一方で資産市場の回復は経済の自身と活力の回復につながり、株式市場の回復は結果として産業・事業部門の体力を強化しているので一定の効果は出ている事になります。

誤算と言えば誤算だったのは金融部門先行の業績急回復と言う結果となって当局が問題視してきた経営層の高額所得が軒並み復活傾向と言うことなのでしょうが、これにも色々と注文が付き始めていますね。

週末週初で今週のFOMCG20というイベントを警戒して資産市場に調整が入っていましたが、今日はここまでFOMCを待たずして資産市場回復とドル売りという流れが強まっています。

ADB(アジア開発銀行)の経済予測で東アジア経済(除く日本)全体の経済成長予測を2009年が3.4%⇒3.9%に上方修正し、これが2010年には6.4%にはねがると言う強気なViewが示された事、更にニュージーランドの経済指標が強く、経常収支が実に6年振りに黒字化したことでNZDが急騰している事を受けて商品市場や株式市場などの資産市場が逆襲に転じていると言う背景があります。

週末週初で回復してきたDXY(ドルインデックス)は呆気なく再びロープ際でパンチを浴び始めた感があります。

30分チャートで一度回復したサポートラインから最転落しています。

少し長めのチャートでも明確ですね。前回ボトムの76.03が割れると74台ミドルまで続落というシナリオも出てきます。

金融市場の気候変動も落ち着きませんね。この動きの中で一時は92円台まで上昇していたドル円が今日は90円台も垣間見て今これを書いている水曜日の午前140分時点で91円近辺で取引されています。90円を再び射程内に納める位置まで来ていますが、92円台までやっているのでドル売りポジションは結構解消されている可能性も高く、再び突っかける局面があれば要注意ですね。