2009年9月23日水曜日

世界経済とノリピー

今週は注目のFOMCがありますね。

勿論今回も金融緩和や引き締めと言った金融政策に関しては何も変化はない事が織り込まれていますが、同時に出される声明文の内容が重要ですね。

FOMCとして景気の底打ち感を強調した声明文を出す事は確実ですが、最悪期を脱したというニュアンスから一歩進めて景気が回復しているというトーンをどこまで出してくるのかと言う事が最大の注目点でしょう。

また調子に乗って(?)、現状の過剰流動性というカンフル剤を打つ事で経済を浮揚させている状態に関する出口政策に関して突っ込んだ発言などがあれば少々金融市場全体がバタつく事になると言うリスクシナリオにも注意ですね。

過剰流動性により発生した金融バブルが崩壊してウォール街の4大投資銀行のうち事実上3つが消滅するほどの激震が生じた訳ですが、経済の血液である資本の流れが凍り付いてしまったことを受けて一時の緊急措置的に行われた過剰流動性の供給と放置という非伝統的手法は、今やこのまま放置すれば資産バブルとハイパーインフレーション、性急に出口戦略を組めば資産価格の暴落とデフレーションへの逆戻りというDilenmaを提供していますので出口政策の存在をちらつかせながらも時間軸は示さないと言うような微妙な舵取りが求められています。

これは不謹慎な例えで言えば、今後麻薬を止めて更正⇒社会復帰を目指すノリピーに対して先ずは禁断症状を抑制するべく潤沢な麻薬を提供するようなものですので両刃の剣的な政策である事は事実です。ここまでは非常に上手く出来て来たので賞賛を集めると同時にFRB議長としての再任も果たしたバーナンキ議長ですが、ここから先の舵取りを間違えて本当の出口政策で失敗すると歴史的にもその評価は地に堕ちる事になるでしょう。

非常に難しいところですね。

先ほど鳩山首相の国連演説が行われました。国際政治舞台へのデビューは先ずは及第点と言うところかと思いますが、次はバーナンキ議長の市場とのコミュニケーション能力手腕に注目しましょう。