2011年2月28日月曜日

Big dogs are being wagged by connected tails 2.

下層部分が連結する事で上層部分の統治・管理機能が混乱する現象は経済や金融政策でも同様でした。

経済のグローバル化という現象は、個々の経済の発展⇒ボーダーレス化⇒サイバー経済化⇒レバレッジ化(マルチプル化)という過程を経ていますが、世界経済が一体化してボーダーレスな資本移動が可能になった後もある意味では未だに金融政策主体は分断されたままであり、ここに体制と情報の非対制の逆転が起きている状況は変わっていません。

この状況では、自国経済が加熱気味と言う理由で資金量を絞り込む目的で金融引き締めを行うと高金利を目当てに世界中から資本が流入して自国経済内のマネーの量が寧ろ増加してしまうと言うジレンマが生じます。

経済はグローバル化しているのにローカルな中央銀行群が自国経済を管理していると言う図式であり、世界の中央銀行というものが存在しないので新興国の多くは資本規制をして自国経済のローカル化を余儀なくされているし、豪州などは利上げをしては逆効果になって憤慨したりもしている訳です。

では世界の中央銀行を作って金融政策もグローバルに展開すると言う事は可能なのかと言うと非現実的と言わざるを得ません。欧州程度の規模で見ても欧州の中央銀行であるECBが機能しきれていない状況なのが証左となっていると思います。
 欧州統合時はドイツが不調でしたのでECBは低金利政策を取りましたが、景気サイクルが上向きだった周辺国にとっては金融緩和効果となり一部では不動産バブルなども発生する原因となりました。最近はドイツ経済が好調なのですが、そこだけを見て利上げを続けると現在不調に喘ぐ周辺国が持ちません。これを世界規模でやるのは到底無理と言う事になるでしょう。

リーマンショックやデリバティブ不審などで経済のグローバル化は後退したのでしょうか?これはそもそも可逆なプロセスなのでしょうか?

個人的にはこれは不可逆なプロセスであり、世界はグローバル化の方法を誤ってしまったのではないかと考えています。そして今起きている事は世界秩序の再構築に向けたこれまた付加逆なプロセスなのではないかと考えるのです。

New World Orderに向けて、本当にVolatileな時代がやってきたのかもしれません。