2011年3月14日月曜日

Things to consider.........

地震が起きた時に私は顧客訪問をしており、先方の応接室で商談中でした。

「あれ?」という感じで揺れを感じ始めましたが、その揺れ幅が大きいと感じた事と、それ以上に長時間それが止まらないという事で危機意識が急上昇しました。

先方の方々もよく訓練されている感じで、取り乱すことなくレセプションの人達が各応接室のドアを開けて回ったり、別の人がテーブル上のお茶を床に置くなどの動きをしていましたが、流石によろめくような揺れが恐らく5分以上継続していたと思うので皆顔は引き攣っていました。

応接室には大きなTV画面(会議用?)がありましたが、その薄型スクリーンが団扇のようにパタパタ前後に揺れ始めたので慌てて私はそれを抑えに行きました。

訪問していた会社のビルは近代的で、免震構造なので揺れを吸収しながら余計に動く事もあると言う説明があり、少し安心したのですがもう商談どころではなく、そこに居続けても先方に迷惑が掛かると思い数十階分を久し振りに非常階段で下りました。

少し危険かと思いながらビルの外に出ると周辺の各ビルから非難用具を持ってヘルメットなどを被って出て来た人々が行く当ても無くうろうろしている光景があちこちで起きていました。
 何とか自分の会社に戻り、当然ながらエレベータが止めてあったので非常階段で今度は上がって行ったのですが剥げ落ちた壁の塗料などが階段上に散乱している状態でした。

自分の部署に戻ると既に非難した人達以外は徒歩覚悟で帰宅準備をしているところでした。余震のリスクも大きかったのですがどこにいれば安全なのかもよくわからない状況でしたので基本的には各人の選択で殆どの人は三々五々意を決して退社していきましたが、私は安否確認などもあってオフィスに残り、結局は金曜日は徹夜となりました。

土曜日の朝までには私鉄の殆どが運営を再開して夜通しの運行をしてくれていたので私も最終的には朝の5時台の電車で帰宅しましたが、普段の通勤ラッシュ程度の混み具合だったと思います。

週末の48時間中にも大きな余震がある可能性が高いとされていましたが、結果的には落ち着いていました。(少なくとも今までは)

それにしても今更ながら色々と考えさせられる事がありました。

2001年の9月11日のワールドトレードセンター、2003年の8月14日の広域停電の際にも同じように非常階段を下った経験がありましたが、その時の経験との比較において非常階段が極めて狭い事に気が付きました。下から上がってくる人もいたのですがすれ違うのがやっとと言う状態でしたので多人数の移動には問題があるような気がします。またパニックが発生したら間違いなくドミノ倒し的な二次災害も不可避なのではないかと感じます。

また安否確認についでですが、そもそも連絡網と言うものが通常の交信手段が機能する事が大前提である事に改めて気が付かされる感じで本当に苦労しました。電話が通じない・・・・、固定電話の方が少しマシでしたが携帯電話は壊滅的に機能しなかったと言えます。通信施設がダメージを受けると言うよりは通信各社が利用制限をかける為なのですが、これは何とかならないでしょうか。ある意味では一番必要な時に機能を取り上げられてしまうようなものです。平時の世間話の為の携帯電話ではないと思うのですが・・・

少なくとも今回は最も安定していたと思われるのがインターネットでしたが、多くの会社が社内でのWEBメールの使用やBlog,Twitterの類を閲覧禁止にしている事で殆どがこれを生かせないという状況でした。非常時には柔軟に使用を解禁できるようなシステムを検討するべきではないでしょうか。また会社のメールアドレスからの外部送信に制限を加えているところもあるようなのでこれでは完全にアウトですね。

最後に交通ですが、安全第一は当然として如何にMobilityを維持できるか、如何に迅速にチェックを終えて(超低速運行でも)運行を再開できるかは非常に重要な事だと思います。
 その意味で私鉄各社にはその姿勢が見られていました。物凄く短い区間から運行を再開し徐々に正常に戻していくという流れには安心感を感じた人も多かったのではないでしょうか。徹夜状態だった多くの人達が勇気を持って復活して終夜営業を行ってくれた路線で家族のもとに帰宅する事が出来たはずです。

一方で当事者には反論もあるのでしょうが、JRのスタンスには疑問と失望の声ばかりです。早々と運休し、私鉄各社が必死の努力で復活して終夜営業をする中でJRだけは翌朝まで電車を出す意志は無く、殆どが朝の7時からの再開でした。山手線の8時再開などは主要路線で一番最後だったのではないでしょうか。事故防止を第一にリスクを取らないという選択をしたのだと思いますが、そうであってもスタッフの深夜業務投入を制限したか、或いは技術レベルそのものが低いと言われても仕方が無いのではないでしょうか。それ以外に他社との違いを説明出来る材料は探すのが難しいでしょう。

以上つらつらと今回考えさせられた事を書き殴ってみました。