2012年4月30日月曜日

EURCHF: Getting Tired of the Skirmish.

EURCHFの1.20ラインを視野に入れたつばぜり合いも継続中です。依然決着付かずという状況です。まさかドル円の80円ラインの攻防もこのまま膠着しなければいいのですが・・・・・

EUECHFはちょっとあまりの長期戦に厭戦ムードも出始めているような気もしますが、こうなると寧ろ要注意かもしれませんね。
EURCHF DAILY⇒1.20ラインで長期膠着












あの上杉対武田の川中島の戦いも実はこういう長期膠着戦と言う展開が多く、大激戦として知られる第4回目の戦いを含めて確認出来るだけでも12回あった両軍の合戦の大部分は信州川中島近辺での長期睨み合いだったそうです。やがて厭戦気分が蔓延し、甲府からの兵站線の長い武田軍と冬の積雪の前に帰郷したい上杉軍がどちらとも無く兵を引き始めて、相手も深追い出来ないという展開が多かったようです。

持久戦なら中央銀行の勝ちと見て注意深くこのクロスのロングを仕込んでみると言うのも今年の宝くじ的な楽しみではないかと期待しているのですが・・・・。

JPY is Creeping Higher.

週初は日本は休日ですが、早朝のオセアニア市場からアジア市場にかけて歩腹前進の如き円高圧力が目立っています。
USDJPY DAILY⇒80円の攻防へ











米ドルの基調も弱めなのですが、それ以上に円の基調が上向きと言う状況と思われ、クロス円全般にドル円同様に下値を探る動きとなっています。
EURJPY DAILY⇒週明けも下値を探る展開












AUDJPY DAILY⇒こちらもチャートの形はイマイチか












目先はドル円の80円レベルの手触り感が鍵を握りそうです。カレンダーベースでは5月1日(火)と2日(水)は営業日ですが、本邦企業の特に製造業ではここも休業日としているところも多いのでマザーマーケットがフルコンディションではない中で海外勢の動向にも注目して行く必要があるでしょう。

EUR: Surviving April Treading Water.

欧州の情勢も一進一退です。先週は先ずフランスとオランダの政治情勢がメディアのヘッドラインを賑わせていました。

フランスの大統領選の初回投票で現職のSarkozy大統領は対抗馬のHollande氏にリードを許しました。両者の支持率は多くの世論調査で55対45と言うイメージのようで、野党である社会党のHollande氏の方が支持率が高い状態のようです。2度目の投票が5月6日に予定されていますが、短期間で10ポイントの支持率の逆転は楽ではなさそうです。ここでもSarkozy政権の苦戦の原因が財政規律立直しへの取り組みが性急過ぎると言う批判である事は重要でしょう。

オランダでも新たな緊縮財政策を巡る協議の決裂を受けてRutte首相を含む内閣の辞任が発表されました。次の総選挙がある9月までは政権不在と言う政治的空白が生じるシナリオもあるようです。

S&Pがスペイン長期国債の信用格付を2段階引き下げました(A⇒BBB+)。これは2012年に入ってから2度目の格下げであると同時にS&Pはスペインの先行きもNegative Outlookに置いています。スペインの10年国債利回りは先週6%を超える局面もありましたが、週の終値ベースでは何とか6%未満で越週しています。

これらの悪材料の割にはEURは良く値持ちしていると言う印象もありますが、ある程度の悪材料は織り込み済みで市場も大騒ぎはしなくなっていると言うイメージでしょうか。
EURUSD DAILY⇒ある程度の悪材料は織込み済み?
 











EURJPY DAILY⇒EURは対円では下落傾向












欧州危機は5月に新材料でVolatility上昇と言うアノマリーもある感じですが、いよいよ今年も5月が目の前まで迫ってきました。


2012年4月29日日曜日

Mixed Data Keep QE3 Still in the Picture.

FOMCは予想通り政策金利を0-0.25%に維持する事を発表しましたが、今回は時間軸など追加の緩和策の発表はありませんでした。 バーナンキ議長は足元の景気回復基調を維持するために必要に応じて追加緩和の措置を行う用意があることを明言し、2014年半ばまでは現状の"exceptionally low level"の低金利を維持すると言う文言も維持しています。

一方で発表された一連の経済指標は強弱入り乱れていると言う評価が適切だと思います。年率換算ベースでQ1の経済成長は2.2%でしたが、これは昨年のQ4の3%から大きく失速しています。個人消費は2010年のQ4以来で最大となる2.9%と言うペースで増加し、住宅建築も2010年のQ2以来最大の伸びとなりました。
 しかし事業消費は2009年のQ4以来初めての減少(-2.1%)となるなどビジネス関連は失速感があり、雇用関係の指標も市場予想比で弱いものが目立ち、消費者信頼感も低下しています。

 経済指標全般的には、昨年後半に感じられたUpbeatな勢いが無く、FRBが特別に言及しなくても多くの市場参加者は、結局はQE3は時間の問題との思惑を共有しているようです。

中々QE3の影を振り払えない中で、米ドルの動向も一時のUpbeatな勢いは失っており、先週は結局完全に守勢に回る展開でした。

AUDUSD DAILY⇒週後半に反転上昇で高値引け












EURUSD DAILY⇒欧州の悪材料は無視?

USDSGD DAILY⇒ずっと下落でした


USDJPY DAILY⇒特に日銀の緩和後に下落






























QE3のカードを温存しながらその可能性を垣間見せる事でModerateな株高、通貨安になると言う米国企業には好循環な展開が続いています。

QE3を実施するとすれば、それは状況が悪化すると言う時なのですが、その可能性が高まるとQE3期待などと言って金融資産が買われるなら、それはもう意図的なBuilt-in-Stabilizerになっていると言う事になります。

ある意味見事ではありますね。

The Final Round Rush:How They Finished the Week.

本邦黄金週間前の4月の月末週の金曜日北米市場の取引の最後の4時間の動向です。

  通貨ペア ↑↓  終値      4時間前   変動(pips)    変動(%)
EURJPY↓   106.32   106.64       -32              -0.30% 

NZDJPY       65.96      66.14      -18              -0.27% 

USDJPY       80.27      80.45      -18              -0.22% 

CADJPY       81.85      82.03      -18             -0.22% 

GBPJPY       130.53    130.78     -25             -0.19% 

EURNZD      1.6090    1.6120    -30             -0.19% 

AUDJPY       84.03      84.17      -14             -0.17% 

EURAUD      1.2648    1.2669    -21             -0.17% 

EURGBP       0.8143    0.8154    -11             -0.14% 

AUDCHF      0.9492    0.9480    +12            +0.13% 

通貨ペアの分解結果は上昇サイドがJPYが6回,AUDが2回でNZDとGBPが1度ずつ。下落サイドは EURの4回が唯一の複数回の登場で後はNZD,USD,CAD,GBP,AUD,CHFが1度ずつとなりました。

最後の攻防はひたすらEUR下落とJPYの上昇が目立っていたと言う事ですね。

2012年4月28日土曜日

Top FX Movers This Week.

今週は結構イベントがありましたが、FOMCが予想通りの結果となり、スペインの格下げも発表された週後半はややリスク回避的なバイアスが強まり、金曜日に日銀が追加緩和を行いましたが、大きな流れは変わらないまま週の取引を終えています。

主要な通貨ペアの週を通した動向は以下のようになりました。

    通貨ペア ↑↓ 週終値 前週終値 変動(pips) 変動(%)
EURJPY 106.32  107.75    -143       -1.34% 

CHFJPY 88.49    89.67      -118       -1.33% 

USDCAD0.9804  0.9917   -113       -1.15% 

NZDJPY 65.96    66.69      -73        -1.11% 

CADCHF0.9243  0.9152    +91      +0.98% 

EURCAD1.2986  1.3108   -122       -0.94% 

AUDUSD1.0470  1.0379    +91       +0.87% 

GBPUSD1.6261  1.6126    +135      +0.83% 

GBPJPY 130.53   131.48    -95        -0.73% 

AUDJPY 84.03    84.63      -60        -0.71%

通貨ペアを分解すると上昇サイドではJPYが5回,CADが3回でAUDとGBPが1度ずつ登場しています。下落サイドの顔触れはUSDが3回, EUR,CHFが2回ずつでNZD,GBP,AUDが1度ずつとなっています。

AUD,GBPは両サイドに顔を出しており、トレンドは出ていません。先週はJPYが強くてUSDもEURも安かったというのが総括になると思います。 

2012年4月22日日曜日

Admiration for 山中慎介


中々試合を通して見る機会が無かったのですが、今月の7日に行われた山中慎介選手の初防衛戦の録画をやっと見る事が出来ました。

試合が決まった時に相手があのビック・ダルチニアン選手だと言う事にも驚いていましたが、何度も相手をぐらつかせた上での文句の無い判定勝ちでした。

ダルチニアン選手については米国在住の時から同じく移民王者として豪州で一時代を築いたズー選手の後継者のような扱いを受けていた時から見てきましたが、突進力とパワーは手がつけられない選手であり、フライ級、スパーフライ級の2階級を制覇する過程では多くのBig Nameをなぎ倒してきました(あのアルセ選手ですらダルチニアン選手の前では満身相違状態で力尽きました)。

西岡選手の次の対戦相手とも噂されるドネアー選手に痛烈なKO負けを喫してからは総合格闘技への転進も視野に入れている程の好戦的な選手ですが、山中選手は見事に試合をコントロールしきったのではないでしょうか。欲を言えば終盤でポイントを計算せずに倒しに行く位の気概も見たかったとは思いますが、先ずはこの相手に初防衛を成し遂げる事が大事です。
 ダルチニアン選手が試合後に「山中が逃げ回った」等と負け惜しみを言っていましたが、明らかに倒れそうになっていたのはダルチニアン選手でした。西岡選手が打ち合わずに逃げ回ったと語っているマルケス選手の負け惜しみと一緒ですね。気にする事は無いでしょう。

思えば今ほど日本のプロ格闘家に、日本に勇気を与えるような活動が望まれる時は無いでしょう。その意味では敗れたとはいえ長谷川穂積選手が世界に打って出た勇気は賞賛されて良いし、西岡選手がラスベガスのメイニベントでマルケス弟を明確に下した快挙や今回の山中選手のダルチニアン選手相手の初防衛には心からの敬意と賞賛を送りたいと思います。同様に内山選手なども今後間違いなく世界中に知れ渡る世界王者となるポテンシャルがプンプンしていますね。

残念ながらいまだに興行重視のタレント路線で、どこぞから無名の相手を連れて来てはしょっぱい凡戦を繰り返し、制覇した階級や防衛回数ばかり伸ばして何ら強い印象を残さないエセ世界王者も存在するのですが、西岡、山中、内山、井岡と言う選手達を中心とした選手達には是非とも武士の子孫として世界を相手にするという姿勢を貫いて欲しいと思います。こういうことの積み重ねが必ずや日本の復興の触媒となる事を確信しています。

兎に角山中選手には心からの賞賛を送ります。

EURCHF:Waiting For A Verdict.

タイミング次第では大きな勝負の材料になりそうなのがEURCHFでしょう。

欧州危機でEURが下落する中で安全資産としてCHFが急騰した結果、欧州内でのスイス企業の輸出競争力が急低下してしまいました。
 またスイス在住の友人の話でも、スイス国内の物価上昇は著しい一方でCHFを持って国境を越えればその購買力により多くのものが安価で手に入るとの事で、週末などに国境外に買出しに行くのは当たり前と言う状況になっているそうです。

こういう状況に業を煮やしたスイス当局がCHFの対EURの取引価格に上限を設定し、これを超えるCHFの上昇には断固とした無制限の介入を行う旨を表明して何度か実弾介入も行ってきました。2011年はこれが功を奏して相場は安定していましたが、2012年に入り再びこの2通貨の取引レートはスイス当局が設定した介入水準に肉薄するCHF高EUR安レベルに張り付いています。
EURCHF DAILY⇒1.20の攻防が続く・・・












具体的にはEURCHFのクロスレートを1.20を下限としてそれ以上のEUR安CHF高を断固阻止すると言う事なのですが、このクロスのチャートは上記の通り、段階的にレベルを下げて1.20水準にて横一線状態が続いています。

スイス当局が腰を上げれば数百ポイントの上昇が見込まれますが、欧州危機がいよいよスペインに及ぶとすればEURの下落は防げないとすれば、当局は防衛水準を例えば1.1などに下げなければならなくなって相場は一気に数百ポイントの下げとなるでしょう。

今は市場参加者の間に両方の読みがあって、静かに裁定の瞬間を待っていると言う状況なのではないでしょうか。トレーディングの視点で言えば、決着がついてから飛び乗るのは困難かもしれません。きわめて短時間の間に大きな値幅が出る可能性が高いからです。一方でどちらかに決め打ちしてポジションを取ると言う手もありますが、所謂StopLossのオーダーが機能する保障も無いので(相場がGAPを開けてしまうと、執行レートは大きな誤差(Slippage)を伴うので)、一番良いのは絶妙のタイミングでオプションのストラドルでも買って置くと言う事かと思っています。

JPY : While the Tug of War Continues.

円も方向感が割れたまま綱引の真っ只中と言う印象です。

USDJPY DAILY⇒やはり80円は割らずに反発











邦銀勢などからのヒアリングでも80円台前半は相当な買いオーダーが集まっており、逆に82円台後半からは相当な売りオーダーがある模様です。両軍が睨みあっているイメージの中でじりじりと買い手が仕掛け始めているのかもしれません。

円の急騰シナリオはやはり欧州危機の再燃からというイメージも強い中でユーロ円も先週は週初にボトムを打って火曜日からは棒上げのイメージでした。ユーロが「舐めるなよ」と呟いている感じです。
EURJPY DAILY⇒先週は綺麗な反発へ












個人投資家が最も好む豪ドル円ではこういう動きです。
AUDJPY DAILY⇒先週は押し目買いが優勢













今週は前回追加緩和を見送った日銀の政策決定会合が大きな触媒となりそうですね。

Moving Into A Danger Zone.

決め手に欠いてDecisiveな方交観が出難い状況が続いていますが、特に先週はその傾向も目立っていました。

このような動きは投資家には好都合でもあるのですが、トレーダーには辛い展開でもあり、多くのリスクテイカーの友人達からは怨嗟の声も聞かれています。私自身も今の相場はかなりの煮詰まり感があると思っていますが、実際にここ数年5月に相場が大きく動く傾向があるので、今週からは特に注意が必要ではないかと感じています。

特に過去2年間は日本の黄金週間中に大きめの動きが発生していますのが、早いものでもう黄金週間も直そこですね(汗・・)

ということで・・・今週から結構な材料があります。どれも触媒としては十分な潜在力を持っていると思うので注意しましょう。

§    月曜日: Australia PPI; China HSBC manufacturing PMI; Eurozone PMIs

§    火曜日: Australia CPI; UK public sector net borrowing; Canada retail sales; US consumer confidence, new home sales

§    水曜日: UK GDP; US durable goods, FOMC rate decision

§    木曜日: RBNZ rate decision; US jobless claims, pending home sales

§    金曜日: Tokyo CPI, unemployment, retail sales, BoJ rate decision Swiss KOF; US GDP

今一番危険なのは投資家の油断かもしれません。

Final Round Rush:How They Finished The Week.

先週末の最後の4時間の攻防です。

         通貨ペア ↑↓ 終値        始値        値幅(pips) 値幅(%)
①CADCHF↓   0.9152  0.9173   -21          -0.23%

②CADJPY↓    82.13    82.29     -16          -0.19%

③NZDCAD↑   0.8112  0.8102  +10         +0.12%

④AUDNZD↓  1.2680   1.2693   -13          -0.10%

⑤GBPNZD↓   1.9700   1.9720   -20         -0.10%

⑥EURCAD↑   1.3108  1.3095   +13        +0.10%

⑦EURNZD↓   1.6144  1.6159   -15          -0.09%

⑧AUDCAD↑   1.0294  1.0286   +8         +0.08%

⑨USDCHF↓    0.9087  0.9093    -6         -0.07%

⑩AUDCHF↓   0.9431   0.9437   -6         -0.06%

引けにかけては調整的な動きに終始したイメージでしょうか。
ペアを分解すると上昇サイドに来るのはNZDが4階,CHFが3回で後はJPY,EUR,AUDでした。下落サイドはCADが5回,AUDが2回でGBP,EUR,USDが1回ずつと言う内容でした。値幅も狭かったですね。大きなImplicationは無さそうです。

Top FX Movers Last Week.

先週はVolatility上昇予想もあったのですが、結果的にはVolatilityが低下する動きになっています。

・中国が人民元の変動幅を拡大 + 国内金融機関の米ドルの空売りを部分的に認可。

・欧州では注目度の高かったスペイン国債等の入札が無事に消化。
(ECBの購入もありました)

・米国では企業決算の相次ぐ好調。

等も好材料でしたね。主要通貨ペアの動向は以下のようになっています。

    通貨ペア ↑↓ 先週終値 前週終値 変動(pips) 変動(%)
①GBPJPY↑   131.48    128.13     +335      +2.55%

②GBPNZD↑ 1.9700    1.9227      +473     +2.40%

③CHFJPY↑   89.67      87.95        +172    +1.92%

④EURJPY↑   107.75   105.76       +199   +1.85%

⑤NZDCHF↓  0.7432   0.7565       -133    -1.79%

⑥GBPUSD↑  1.6126   1.5846       +280   +1.74%

⑦GBPAUD↑  1.5531   1.5272      +259   +1.67%

⑧EURNZD↑  1.6144   1.5876      +268   +1.66%

⑨CADJPY↑   82.13     80.91        +122   +1.49%

⑩NZDCAD↓ 0.8112   0.8218       -106    -1.31%

通貨レベルに分解すると上昇サイドに来るのはGBPが4回,CHF,EUR,CADが2回ずつになります。
下落サイドではJPYとNZDが4回ずつで後はUSDとAUDが1回ずつとなりました。

やはり欧州通貨に買いが戻っていた事が判ります。下落サイドではやはり避難通貨だったのかJPY,NZDが目立ちます。AUDとUSDも下落サイドでの登場でした。

2012年4月15日日曜日

Smell What JPY is Cooking?


日銀が4月初の会合では追加緩和を見送った事や中国、欧州、米国の失速感再台頭などで大雑把に言って76円から84円まで反発してきたドル円の上昇に陰りが出て来たと言う思惑が拡大しています。
USDJPY DAILY⇒80円の攻防に??











米ドル全般にも下値サポート要因があり、対ユーロや豪ドルでも上昇基調なのですが、このままリスク回避色が強まるなら円に対する上昇圧力が上回る展開は十分に予想出来るでしょう。

大き目に見て80円ー84円の取引バンドを意識していますが、目先は80ミドルー82ミドルをどちらにBreakしていくかにも注目しています。

現時点で個人的には意外と大きな潮流は円安方向に抜けてくるような予感も強まっているのですが、もしかしたらドル円で上昇、クロス円が下落と言うMIXなシナリオもあるかもしれませんね。

この辺りは夏から秋口にかけて明確な結論が出そうな気がしています。


Italy/Spain : Through the Window of Stock Market.



  イタリアやスペインの国債利回りのところに株式市場の動向を付すのを失念しましたので追記しておきます。

メールで質問(というか指摘ですね)も頂いたのですが、債券市場から資金流出があって利回りの上昇が起きていても、それが株式市場に流入している間は大騒ぎする問題ではないとも言えますので、債券市場からも株式市場からも同時に資金流出が起きているかどうかを確認してみます。

 
スペイン IBEX 35指数 ⇒ 資金流出が明白


イタリア FTSE MIB指数⇒こちらも長期低迷+下げ基調

イタリアの方が早くから問題視されてきたので株式市場は長期低迷状態なのが明白です。逆にここに来て唐突に欧州問題の新たな主役の座に上り詰めた(?)感のあるスペイン市場のほうが急速に状況が悪化してきた事が明白ですね。

スペインの場合はやはり不動産なんだろうなーと言うのが経験上からも推測出来ます。リゾート高級マンションなども大量に売れ残っている状態ですし、何年も前から出張や旅行で訪れた外国人にホテルまで営業に来ると言う事が「ちょっとやばくない?」と言う感じでしたので・・・・・。

やはりバランスシート調整は日本が圧倒的に進んでいますね。家計ベースでも企業ベースでも然りだと思います。



EUR: Even a Dead Cat can Jump.

前項通り、スペインとイタリアへの懸念の再台頭を背景にユーロの動向が要注意だと思います。
EURUSD DAILY⇒金曜日の下げ方が悪すぎ!












前週の持続的な下げを受けて先週は序盤で粘って週央の特に木曜日には大きく反発しました。ユーロはこのように市場に売りポジションが溜まるとそれを一気にSqueezeするような大きめの反発をするのですが、いつもその後が続きません。特に先週は最後の陰線が大きすぎますね。

ユーロ円でも然りです。
EURJPY DAILY⇒どう見ても正念場?












タイミング的にもやや気になるのは、過去数年5月の欧州危機と言うのは定番になっており、東京市場参加者からすれば気の休まらない黄金週間を過ごすパターンも目立っています。今年も既に4月中旬と言う事で5月はすぐそこまで来ている事を考えれば、今週あたりから小反発があったとしても所詮は”Dead Cat"のジャンプでしかなく、一呼吸置いて5月に崩落というパターンにも注意が必要な気がしてなりません。

AUD and NZD as The Mirror Proxy of China.

繰り返しになりますが、投資家にとっては一種のPUTオプションのようなProtectionになっていますが、中国の経済データが強ければリスク資産の相場は素直に上昇する一方で、データが悪ければ直にも中国当局が緩和的なサポート措置を取ると言う思惑から相場が値持ちすると言う環境が定着しています。

先週発表された中国の第一四半期のGDPは年率換算で8.1%の成長となり、昨年の第四四半期の8.9%や今回の市場予想の中心であった8.3%を明確に下回る内容でした。

日米欧辺りと比較すれば8.1%なんて凄いのですが、中国経済としては2009年の第一四半期以来で最低の数字と言う事になります。

更に世銀のデータと予測によれば、中国の貿易黒字規模は2012年はGDPの3.1%にまで縮小する事が予想されています。これは2011年の3.4%と比較しても低下しており、貿易黒字の縮小は同国の外貨準備高が過去のようなペースでは増加しないと言う事をも意味しています。

振り返れば、2007年に世界中が中国を指差して人民元の過小評価を叫んだ時の同国の経常黒字は実にGDPの10.1%でしたが、その後は急速に低下しており2011年にはGDPの2.8%まで低下しています。NDF市場で人民元の先高観測が急速に萎んできていることも不思議では無いと言うことでしょう。

人民元はまだまだ規制通貨であり、取引に制約も多いので実際には中国経済に対する見通しをその代役として受け止めているのが資源国市場であり、中でも豪州市場はその代表格です。豪ドルの動向は中国経済に対する先行きの思惑の実況中継とでも言いたくなるような状況なのですが、先週も結構Choppyな振幅でした。
AUDUSD DAILY⇒週央に反発も失速。












NZDUSD DAILY⇒AUDとパラレルな動き











兄弟通貨のNZDもほぼパラレルな動きですね。この辺りはまだまだ利回りも取れるので投資家が保有したがる傾向が強いのですが、そういう意味でも中国経済の双肩には非常に重いグローバルな期待がのしかかっている事になります。

Renewed Concerns For Spain/Italy.

スペインの国債利回りが先週遂に6%に迫るところまで上昇してきました。同国債に対するCDSについても500bpsに迫る勢いです。経済状況に改善の兆しが見られない状況に国家としての借り入れ規模に懸念が集まります。
スペイン国債の利回り⇒6%を視野に。















更に心配なのが銀行セクターの借り入れ状況です。最新のデータによればスペインの金融機関が3月に行ったECBからの借入額が316.3billionユーロと過去最高となっており、2月のほぼ2倍にまで膨張しています。これは先般のECBによるLTROでOFFERされた529.5billionユーロの資金のうちの30%以上を同国の金融セクターが受け取っていた事になります。

イタリア、スペインの銀行のECBからの借り入れ推移















今週も色々な材料がありますが、スペインとイタリアの国債の利回りやCDSの水準動向には十分な注意が必要でしょう。

The Final Round Rush:How They Finish The Week.

いつものように先週の最終ラウンドー最後の4時間の攻防を抜き出して見ます。

       通貨ペア ↑↓ 終値     4時間前 変動(pips) 変動(%)
CADJPY 80.91   81.15    -24        -0.30% 

CADCHF0.9192 0.9213  -21        -0.23% 

NZDJPY66.58   66.73   -15        -0.23% 

GBPJPY128.13 128.41  -28        -0.22% 

USDCAD0.9992  0.9974 +18       +0.18% 

NZDUSD0.8229  0.8243 -14         -0.17% 

AUDCAD1.0362 1.0345 +17        +0.16% 

EURJPY105.76  105.92  -16        -0.15% 

GBPAUD1.5272  1.5293  -21        -0.14% 

CHFJPY 87.95   88.07   -12        -0.14% 

全体感として強いImplicationを残すような値幅ではありませんが、通貨ペアを分解すると上昇した通貨は、JPYが5回,USDとAUDが各2回ずつでCHFが1回登場しています。下落サイドはCADが4回,NZDとGBPが2回ずつでEURとCHFが1回ずつでした。

円の反発バイアスを残しての越週というところでしょうか。

Top FX Movers Last Week.

前週の予想を裏切る米雇用統計の影響が心配された先週の金融市場でしたが、明確なトレンドが定まらない状況下で目先の材料次第の一進一退の攻防戦が続いた印象です。

米国⇒期待を裏切る3月雇用データを受けてQE3が今後の焦点に再台頭。

欧州⇒市場の懸念はスペインの銀行セクターに。LTRO実施などで一服していた欧州懸念はやや雲息が怪しくなってきました。

日本⇒日銀の追加緩和はありませんでしたが、今後に含みを持たせる状況で小康状態。

アジア⇒中国の経済成長に明確な失速感。同時にこれが金融緩和期待を刺激。

最近は、世界的に何処でも同じですが、悪材料が出れば追加緩和や流動性供給期待も高まるので、それが所謂 Built-in Stabilizerのような働きをして寧ろリスク市場に買いが入るという展開も定着してきましたね。

では、先週の主要通貨ペアの動向です。

       通貨ペア ↑↓ 先週終値 前週終値 変動(pips) 変動(%)
CHFJPY↓  87.95    88.97      -102       -1.16% 

NZDCHF 0.7565   0.7482   +83        +1.10% 

AUDCHF 0.9530   0.9427   +103      +1.08% 

AUDCAD 1.0362  1.0253   +109      +1.05% 

EURJPY  105.76   106.81    -105       -0.99% 

GBPJPY 128.13    129.35    -122       -0.95% 

CADJPY 80.91      81.68      -77        -0.95% 

NZDCAD0.8218   0.8150     +68      +0.83% 

USDJPY80.88     81.53        -65      -0.80% 

EURAUD1.2605   1.2692      -87      -0.69% 

上記の通り値幅的には大きくありませんね。

通貨ペアを分解すると、上昇サイドでの登場回数は、JPYが5回,AUDが3回でNZDが2回でした。下落サイドでは、 CHFとCADが3回ずつ,EURが2回でGBPとUSDが一度ずつの登場でした。

米国雇用統計への失望、欧州のスペイン問題台頭、中国経済の成長鈍化と言う懸念材料で円高圧力が確認されますが、同時に特に中国の金融緩和期待から豪ドルやニュージーランドドルには買戻しが入っていると言う両面相場だったと総括出来ると思います。

2012年4月8日日曜日

Dow Had 2 Gaps in 1 Down Week.

株価の先行きに対する懸念が強まっています。
先週は著名なアナリストが不定期に発する警告レポートも出ていたようです。

改めてチャートを見ると先週は週を通してちょっとした下落幅となっていますが、明確なギャップをあけて下落する局面が2度もあった事がわかります。

このDowのチャートでは、水曜日と木曜日に相場がギャップダウンして取引が開始されていたことがわかります。ともに場中には盛り返す展開もあったようですが、お世辞にもポジティブな解説は出来ないでしょう。

Nasdaqはここまで酷いギャップは開けていませんが、やはり週を通した下落傾向は拭いようも無い状況に見えます。


株価の動向に十分に注意していきましょう。

Happy Together?

現時点では真面目に追いかけるほどの事ではないと思っていますが、南半球では豪州とニュージーランドが通貨統合を検討していると言う憶測が出回っています。

資源も豊富で工業化も進んでいる豪州と農産物の国ニュージーランドが通貨統合をするならば、豪ドルにとってはValueを切り下げるような動きとなるとの深読みからこの2通貨の交換レートが大きめに動いています。(対AUDでNZDが上昇する方向=AUDNZDの下落)
AUDNZD DAILY⇒明確な下落トレンド











実はこの通貨は一旦トレンドが出ると驚くほど長期間のビッグトレンドになる事も多いので、大いに注目していく必要があると思います。主要通貨が判り難い時にこういうところに判り易いトレンドが出ていたなどと言う事も意外とあるものですからね。

Is JPY Taking Another Turn Now?

円の動向に注目する市場参加者が増えてきました。暫く続いた円安の動きが一服しているのですが、先週は欧州懸念が次の標的としてスペインにフォーカスし始めている事や米雇用関連データの失速感を背景としたリスク回避の動きから円がしっかり上昇する動きとなっています。

USDJPY DAILY⇒先週は陰線が4本











EURJPY⇒こちらも先週大きく下落











ドル円、ユーロ円の動きは上記チャートの通りですが、2012会計年度のコストレート(社内レートなどとも言います)を円安方向に引き上げている輸出企業も多く、期初からの円高傾向は大きな懸念材料となります。

円高は殆ど全面高の様相となっており、殆どの個人投資家や多くの機関投資家に強く先行されてきた豪ドル(AUD)も対円で大きく下落中です。
AUDJPY⇒節目の85円も割り込みました。











この程度の円高では大騒ぎする事はないのですが、今週は9日(火曜日)に日銀の政策決定会合がありますので、そこでのメッセージの出し方が極めて重要度を増してきました。流石に追加緩和は可能性薄ですが、市場が一気に円の買い戻しに走るような内容は避けるべきでしょう。

The Final Round Rush: How They Finished the Week.

先行き不透明感を強めたまま越週した先週の取引の最終ラウンド(最後の4時間)の攻防を見てみましょう。

   通貨ペア ↑↓ 終値      始値       変動(pips) 変動(%)
GBPNZD 1.9310 1.9387  -77        -0.40% 

EURNZD 1.5933 1.5990  -57        -0.36% 

GBPCAD 1.5782 1.5833  -51        -0.32% 

NZDCHF 0.7482 0.7506  -24        -0.32% 

AUDCHF 0.9427 0.9451  -24        -0.25% 

AUDCAD 1.0253 1.0277  -24       -0.23% 

GBPCHF 1.4526 1.4560   -34       -0.23% 

CADCHF 0.9176 0.9194   -18      -0.20% 

GBPAUD 1.5377 1.5405   -28      -0.18% 

CADJPY 81.68  81.82    -14       -0.17% 

上位10ペアの分解は上昇サイドがCHFが4回,NZDとCADが2回ずつで,AUDとJPYが1回ずつでした。下落サイドはGBPが4回,AUDとCADが2回ずつで,EURとNZDが1回ずつとなっています。

最終ラウンドでも景気に敏感なコモディティ通貨が弱かったと言う印象ですが、全体的には調整色が強い感じですね。週末週初が欧州休日となるので余計に調整色の強い展開となったのでしょう。

Top FX Movers Last Week.

2012年の第二四半期のスタートとなる先週の動きはかなりChoppyでしたね。

週前半には前回のFOMC議事録が公表されましたが、経済指標の持続的改善により追加緩和(QE3)の可能性が明確に後退したとの印象を強める内容でした。これを受けて緩和緩和期待で上昇していた株式市場等のリスク資産が総崩れとなる展開が先行しました。欧州問題ではスペインに対する懸念が強まっており同国債の入札不調などもリスク回避色を強める材料となっています。

週後半のメインイベントは金曜日の米3月雇用統計でしたが、市場期待が上昇していた事もあって発表された内容は・・・必ずしも悪くは無いのですが・・・・期待を裏切る内容であったために市場はその解釈を巡る乱高下を消化した後に不透明感とリスク回避モードを強めたまま越週しました。

週を通した主要通貨ペアのパフォーマンスは以下の通りです。

  通貨ペア ↑↓ 先週終値 前週終値 変動(pips) 変動(%)
EURJPY106.81   110.46    -365       -3.42%    

CHFJPY88.97     91.72      -275       -3.09% 

GBPJPY129.35   132.51    -316       -2.44% 

EURNZD1.5933   1.6284     -351       -2.20% 

EURCAD1.3037   1.3305     -268      -2.06% 

AUDJPY84.06    85.71       -165      -1.96% 

EURUSD1.3093   1.3344     -251      -1.92% 

CADJPY81.68    82.97      -129       -1.58% 

USDJPY↓ 81.53     82.77      -124       -1.52% 

USDCHF0.9157   0.9018    +139      +1.52% 

分解すると上昇サイドの登場回数はJPYが6回,USDが2回でNZDとCADが1回ずつでした。
下落サイドでは EURが4回,CHFが2回で後はGBP,AUD,CAD,USDが1回ずつとなっています。

変動上位10ペアのうち6ペアがJPYの上昇であったと言う事はリスク回避モード上昇を明示していますね。