2012年4月29日日曜日

Mixed Data Keep QE3 Still in the Picture.

FOMCは予想通り政策金利を0-0.25%に維持する事を発表しましたが、今回は時間軸など追加の緩和策の発表はありませんでした。 バーナンキ議長は足元の景気回復基調を維持するために必要に応じて追加緩和の措置を行う用意があることを明言し、2014年半ばまでは現状の"exceptionally low level"の低金利を維持すると言う文言も維持しています。

一方で発表された一連の経済指標は強弱入り乱れていると言う評価が適切だと思います。年率換算ベースでQ1の経済成長は2.2%でしたが、これは昨年のQ4の3%から大きく失速しています。個人消費は2010年のQ4以来で最大となる2.9%と言うペースで増加し、住宅建築も2010年のQ2以来最大の伸びとなりました。
 しかし事業消費は2009年のQ4以来初めての減少(-2.1%)となるなどビジネス関連は失速感があり、雇用関係の指標も市場予想比で弱いものが目立ち、消費者信頼感も低下しています。

 経済指標全般的には、昨年後半に感じられたUpbeatな勢いが無く、FRBが特別に言及しなくても多くの市場参加者は、結局はQE3は時間の問題との思惑を共有しているようです。

中々QE3の影を振り払えない中で、米ドルの動向も一時のUpbeatな勢いは失っており、先週は結局完全に守勢に回る展開でした。

AUDUSD DAILY⇒週後半に反転上昇で高値引け












EURUSD DAILY⇒欧州の悪材料は無視?

USDSGD DAILY⇒ずっと下落でした


USDJPY DAILY⇒特に日銀の緩和後に下落






























QE3のカードを温存しながらその可能性を垣間見せる事でModerateな株高、通貨安になると言う米国企業には好循環な展開が続いています。

QE3を実施するとすれば、それは状況が悪化すると言う時なのですが、その可能性が高まるとQE3期待などと言って金融資産が買われるなら、それはもう意図的なBuilt-in-Stabilizerになっていると言う事になります。

ある意味見事ではありますね。