2012年4月22日日曜日

Admiration for 山中慎介


中々試合を通して見る機会が無かったのですが、今月の7日に行われた山中慎介選手の初防衛戦の録画をやっと見る事が出来ました。

試合が決まった時に相手があのビック・ダルチニアン選手だと言う事にも驚いていましたが、何度も相手をぐらつかせた上での文句の無い判定勝ちでした。

ダルチニアン選手については米国在住の時から同じく移民王者として豪州で一時代を築いたズー選手の後継者のような扱いを受けていた時から見てきましたが、突進力とパワーは手がつけられない選手であり、フライ級、スパーフライ級の2階級を制覇する過程では多くのBig Nameをなぎ倒してきました(あのアルセ選手ですらダルチニアン選手の前では満身相違状態で力尽きました)。

西岡選手の次の対戦相手とも噂されるドネアー選手に痛烈なKO負けを喫してからは総合格闘技への転進も視野に入れている程の好戦的な選手ですが、山中選手は見事に試合をコントロールしきったのではないでしょうか。欲を言えば終盤でポイントを計算せずに倒しに行く位の気概も見たかったとは思いますが、先ずはこの相手に初防衛を成し遂げる事が大事です。
 ダルチニアン選手が試合後に「山中が逃げ回った」等と負け惜しみを言っていましたが、明らかに倒れそうになっていたのはダルチニアン選手でした。西岡選手が打ち合わずに逃げ回ったと語っているマルケス選手の負け惜しみと一緒ですね。気にする事は無いでしょう。

思えば今ほど日本のプロ格闘家に、日本に勇気を与えるような活動が望まれる時は無いでしょう。その意味では敗れたとはいえ長谷川穂積選手が世界に打って出た勇気は賞賛されて良いし、西岡選手がラスベガスのメイニベントでマルケス弟を明確に下した快挙や今回の山中選手のダルチニアン選手相手の初防衛には心からの敬意と賞賛を送りたいと思います。同様に内山選手なども今後間違いなく世界中に知れ渡る世界王者となるポテンシャルがプンプンしていますね。

残念ながらいまだに興行重視のタレント路線で、どこぞから無名の相手を連れて来てはしょっぱい凡戦を繰り返し、制覇した階級や防衛回数ばかり伸ばして何ら強い印象を残さないエセ世界王者も存在するのですが、西岡、山中、内山、井岡と言う選手達を中心とした選手達には是非とも武士の子孫として世界を相手にするという姿勢を貫いて欲しいと思います。こういうことの積み重ねが必ずや日本の復興の触媒となる事を確信しています。

兎に角山中選手には心からの賞賛を送ります。