2007年10月28日日曜日

きのこの話

先日、仲のよい後輩からご馳走されてしまいました。

東京に来てから、かつての後輩に奢って貰うのは3度目なのですが、3人とも既に転職して別の会社の幹部となっており、非常に頼もしい限りです。
 3名共に元同僚ですので向こうは当然今の私の収入はほぼ正確に察しが付くわけで、それで時にはご馳走してあげたくなるのなら寂しい限りですが。(苦笑)

で、今回後輩がご馳走してくれたのは、和食の割烹料理だったのですが、キノコを中心とした素材が売り物で、多種多様なキノコを市場で購入するのではなく、定期的に店のスタッフ総出で富士山麓などに”仕入れ”に行くそうです。勿論とても美味且つ健康的な食事となりました。

ところで・・・・

昔からきのこと言うのは何か不思議な存在だと思っていました。

これは冗談ではなく、真剣にInspirationだったと勝手に思っている事があります。

子供の頃に「ハゲとガンを治す方法を発見すればノーベル賞」という事がよく言われていたのですが、私は無意識に、それはキノコだろうと思っていました。

残念ながらハゲにもガンにも特効薬は見つかっていないと思いますが、特に後者の有力候補としてこの10年くらい何種類かのキノコが注目を浴びるようになってきました。

アガリクスというキノコが引き金を引いて、そのβグルカンという物質が注目を浴びるようになり、アガリクスと同等以上にそれを含み、且つプラスアルファの効能もあると言う事からアラビア砂漠特有のキマ岳や日本の舞茸も有名になりました。
 数年前からは、この日本の舞茸の効能が注目されて米国のガン研究・ガン治療の権威であるスローンズケータリングでも採用されるようになっています。

数年前に怖い病気をした私も当初はアガリクス、今では舞茸のカプセルを毎日飲んでいます。舞茸のほうがだいぶ安いからです。

閑話休題

キノコ以上に、とても不思議な、奇妙な話があり、先日NHKで放送されていた特集に釘付けになってしまいました。

かつてフランスにレオナルドダビンチやガリレオガリレイ等と並び称されるポアンカレという多分野に渡る天才がいたのですが、彼も他の天才達と同様に幾つかの”予言”をしており、その中で彼自身も証明出来なかった”ポアンカレ予想”という宇宙全体の形状を予想する一大予想があったそうです。

その後の数学者たちが躍起になって証明を試みますが皆挫折の連続で、遂に100年後にあたる2002年にロシアの天才グレゴリー・ペレルマン博士がこれを証明したという話なのですが、この功績により数学の世界ではノーベル賞以上の価値と権威があると言うフィールズ賞に選ばれながら、同博士は受賞も賞金の百万ドルも辞退したという話です。

ここまでならば、ま~何か考えがあっての事だろうと思うだけなのですが、同博士は更に研究の世界から引退し、その行方すらくらませてしまったというのですからまるで推理小説のような話です。

関係者の話では、かつて快活で冗談の好きな、旧ソ連でも群を抜く天才少年だったペレルマン氏はこのポアンカレ予想の証明に取り掛かった頃から人を避けるようになり、別人のようになってしまったというのです。
 これだけの偉業を成し遂げながら全てを捨てて世捨て人のような生活を始め、今では母親の年金などにも頼りながら、日々山に入ってキノコ狩りをしていると言う話も出ていました。

番組は、謎を謎としてそのまま放映して終わっているのですが、久しぶりに強烈に引き込まれるような内容でした。

数学、物理などの所謂自然科学系の研究は、森羅万象の根底を貫く原理原則の解明にあり、その系統だった秩序の美しさは、大袈裟に言えば神の存在をも感じさせるほどだといっても過言ではなく実は自然科学の研究者が一番聖書の内容を忠実に信じていると言う調査結果もあるほどです。

ベレルマン博士は、遂に我々の誰もが知らない何かを知ってしまい、それが原因で隠遁生活に入ってしまったのではないかという気がして仕方ありません。フィールズ賞とか100万ドルとかが何の意味も持たなくなってしまうような何かを・・・・。 そしてそんな彼が単に貧しい生活の中での食材調達としてと言う事ではなく、実は研究対象としてキノコ狩りをしている・・・なんていう可能性は無いのでしょうか?

とにかくちょっと自分でも勉強してみたくなる話でした。