北京オリンピックの聖火リレーの騒動と金融市場のゴチャゴチャした動きを見ていると市場も世相の構成要素の一部であり、なんとなく落ち着かない世相なのだと言う事が再確認される思いです。
火曜日は日本は"昭和の日"という休日でしたが、海外市場では米ドルと日本円が上昇しています。FOMC前のポジション調整と言う意味合いもあり、さほど大きな動きでもないのですが潮流としては株式市場と商品市場が下落、米ドルと日本円が上昇と言う絵になっています。
・株式市場の下落⇒日本円上昇
・商品市場の下落⇒米ドル上昇
という従来からの図式が作用しているのですが、ここでは敢えて特に後者に注目したいところです。
金価格が前回ボトムの1オンス$880のサポートを割り込んでいます。これは最近最高値を更新し続ける原油価格に大きく遅れを取ってきた金価格が再反落の過程に入ったと言う可能性を強く示唆するものです。
インフレヘッジの代表的アセットなので、長期的な上昇トレンドまでは崩れないのでしょうが流石に最近は投機資金が原油に向かい始めており、意外にも中国を抑えて米国、インドに次ぐ世界第三位の金輸入国であるトルコのデータを見ても3月の輸入量が2月の実に27分の1にまで落ち込んでいた事が示すとおり、新たな資金の流入が細ってきている事が背景だと思います。
一方、原油価格にも大き目の調整が始まっている可能性があります。以下に注目している動きを2つほど・・・
1 OPECからのメッセージ
先週末にローマで行われた世界エネルギーフォーラムで原油価格高騰を背景に増産の議論が出るかと期待されたOPEC諸国代表からは寧ろ先進国経済圏での需要の頭打ち傾向への懸念が示される事態となり原油価格は一気に1バレル$120の最高値の壁に向かって直進しました。
直後にOPEC首脳がある意味でケツをまくる(素晴らしく品のある表現ですね・・・)発言をしたことに関係者はショックを受けました。
"人々が原油高と騒いでいる問題の本質はドル安である"
原油が高いのではなく、ドルが安いのだと言っているのです。多くの商品価格は原則ドルで建値され、取引もされるのでドルの価値が下がれば原油価格が上昇するのは当然ではあるわけです。
更に同首脳は、従って米国がドル安問題に有効な手を打てば原油価格も収まるのだと言う話をしており、彼らの試算では、ドルの価値(=ドルインデックスと思えばいいでしょう)が1%変化すると原油価格は$4変化すると言っています。
これは、昨年中国がフランスとの二国間協議の最中、人民元の切り上げの必要性を持ち出された時に中国サイドから、「その問題は米国に聞いてくれ」と切り返された事と基本的に同じ性質のものでしょう。
人民元も米ドルを中心とした通貨バスケットへの連動を基本とした変動バンド性である以上、ドル安ならば人民元も安いのだと言う開き直りであり、ここでも暗に米国に対してドル安放置をやめるようにシグナルが発せられたと言う訳です。
このように中国、そして今回は中東産油国からケツを捲くるという臭いシグナルを発せられた米ドルがどういう行動に出るのか、どういう回答を用意するのか。
その答えの一端が水曜日に始まるFOMCの金融政策と声明文の中に示される事になるはずです。
金融市場はこのイベントの重要性を正しく理解して商品市場でも投機資金が足早にリスク縮小の動きに出ていると言う事になります。
リスク分散で商品市場に資金が流れ込み続けた結果、リスク縮小時には商品市場から資金が流出するようになっていると言うわけです。
This is not the same old story....not the same gold story.
Stay tuned. We are almost 24 hours away from FOMC meeting now.
火曜日は日本は"昭和の日"という休日でしたが、海外市場では米ドルと日本円が上昇しています。FOMC前のポジション調整と言う意味合いもあり、さほど大きな動きでもないのですが潮流としては株式市場と商品市場が下落、米ドルと日本円が上昇と言う絵になっています。
・株式市場の下落⇒日本円上昇
・商品市場の下落⇒米ドル上昇
という従来からの図式が作用しているのですが、ここでは敢えて特に後者に注目したいところです。
金価格が前回ボトムの1オンス$880のサポートを割り込んでいます。これは最近最高値を更新し続ける原油価格に大きく遅れを取ってきた金価格が再反落の過程に入ったと言う可能性を強く示唆するものです。
インフレヘッジの代表的アセットなので、長期的な上昇トレンドまでは崩れないのでしょうが流石に最近は投機資金が原油に向かい始めており、意外にも中国を抑えて米国、インドに次ぐ世界第三位の金輸入国であるトルコのデータを見ても3月の輸入量が2月の実に27分の1にまで落ち込んでいた事が示すとおり、新たな資金の流入が細ってきている事が背景だと思います。
一方、原油価格にも大き目の調整が始まっている可能性があります。以下に注目している動きを2つほど・・・
1 OPECからのメッセージ
先週末にローマで行われた世界エネルギーフォーラムで原油価格高騰を背景に増産の議論が出るかと期待されたOPEC諸国代表からは寧ろ先進国経済圏での需要の頭打ち傾向への懸念が示される事態となり原油価格は一気に1バレル$120の最高値の壁に向かって直進しました。
直後にOPEC首脳がある意味でケツをまくる(素晴らしく品のある表現ですね・・・)発言をしたことに関係者はショックを受けました。
"人々が原油高と騒いでいる問題の本質はドル安である"
原油が高いのではなく、ドルが安いのだと言っているのです。多くの商品価格は原則ドルで建値され、取引もされるのでドルの価値が下がれば原油価格が上昇するのは当然ではあるわけです。
更に同首脳は、従って米国がドル安問題に有効な手を打てば原油価格も収まるのだと言う話をしており、彼らの試算では、ドルの価値(=ドルインデックスと思えばいいでしょう)が1%変化すると原油価格は$4変化すると言っています。
これは、昨年中国がフランスとの二国間協議の最中、人民元の切り上げの必要性を持ち出された時に中国サイドから、「その問題は米国に聞いてくれ」と切り返された事と基本的に同じ性質のものでしょう。
人民元も米ドルを中心とした通貨バスケットへの連動を基本とした変動バンド性である以上、ドル安ならば人民元も安いのだと言う開き直りであり、ここでも暗に米国に対してドル安放置をやめるようにシグナルが発せられたと言う訳です。
このように中国、そして今回は中東産油国からケツを捲くるという臭いシグナルを発せられた米ドルがどういう行動に出るのか、どういう回答を用意するのか。
その答えの一端が水曜日に始まるFOMCの金融政策と声明文の中に示される事になるはずです。
金融市場はこのイベントの重要性を正しく理解して商品市場でも投機資金が足早にリスク縮小の動きに出ていると言う事になります。
リスク分散で商品市場に資金が流れ込み続けた結果、リスク縮小時には商品市場から資金が流出するようになっていると言うわけです。
This is not the same old story....not the same gold story.
Stay tuned. We are almost 24 hours away from FOMC meeting now.