When fundamental and technical do not see eye to eye.
株式市場の予想外の大復活と同様に為替市場では米ドルが気を吐いています。
ユーロが対ドルで遂に1.60超えを達成したのが4月22日の火曜日でしたが、結局1.6020を高値に反落し、25日の金曜日には1.56台lowまで約400ポイント下落して週の取引を終えています。
米ドルは対円では週初に103円台を回復したことで短期ベクトルが完全に反転しており、終盤には105円に迫る勢いを示した後104円半ばでの越週となりました。週初の安値が102円67銭ですので、こちらは丁度2円ほどの上昇幅と言う事になります。
ここ2週間ほど、特に先週の北米市場のセンチメントの改善は著しいものがあり、株式市場も通貨市場でも米国復活とでも言いたくなるような動きが見られたわけですが、過度の悲観論が後退した事は間違いないものの、米国経済のファンダメンタルズを考えれば決して楽観は出来ない状況が続いています。
米国がどれほど落ち込んできたのかを最近の経済指標から見てみれば、全く材料に事欠かないと言う感じなのです。
・4月18日 Jobless claims 4年振り高水準
・4月24日 New Home Sales 17年振り低水準
・4月25日 Consumer Confidence 25年振り低水準
これだけ見れば株式市場や米ドルの復活は一時的な調整とも思えるのですが、ファンダメンタルズに対抗してテクニカル的には少し違う絵が見えてくるのが悩ましいところです。
以下は、ドルインデックスとユーロを同一チャート上に描いたものですが、注目するべきは最近のユーロ反落、ドル上昇の動きは共にチャートのペナント型ウェッジを綺麗に抜け出ており、ユーロはサポート割れ、ドルはレジスタンス超えを達成している事です。
これは普通に考えればテクニカル的には相場は一旦反転したと判断するのが普通ですね。
ただし、ごく短期間のうちに相場が呆気なく元のペナント型ウェッジの中に押し戻されれば今回のBreakoutが”騙しの髭”となり、偽物だったという判断となりますので今週は前半にFOMCがあるので油断は禁物です。
ファンダメンタルズとテクニカルの指し示す方向感の乖離は短期間で修正されるような気がしますので、大型連休中の金融市場からは目が離せませんね。
どうせ私も含めて多くの金融市場関係者はカレンダー通りの出勤でしょうから、大型連休という気もしないのですが・・・・