先週の金融市場も随分色々なものを見せてくれました。
先々週は週初からFreddie Mac, Fannie Maeといった米国のGSE救済問題に端を発する米国売りが加速したものの、財務省のPaulson長官が公的資金注入を含む抜本的な支援策をまとめると木曜日から相場が急反転すると言う流れとなりました。
その流れを受けた先週は米国市場の復活と原油価格を筆頭に商品市場の下落が続き、特に米株価の上昇と原油価格の下落に大いに注目が集まりました。
木曜日には、米国の新規失業保険申請件数が弱く、中古住宅販売も10年来の低水準となった事で米国のアキレス腱も再認識された格好で米国市場が株も通貨も反落しかけましたが、それ以前にドイツのIFO景況感指数も大幅に悪化していた事や金曜日早朝には遂に先進国では最高金利のニュージーランドが利下げを断行(8.25%⇒8.00%でまだ十分高金利ですが…)するなどのライバル経済圏の失速も表面化したことで週末には米国市場が小幅復活して終了しました。
ドル円が107.16⇒106.37⇒107.45⇒107.99⇒106.59⇒107.94 という断末魔のような乱高下を演じていますが、その他の通貨やアセットも似たようなもので、非常に脈絡の無い値動きを繰り返しています。
先週の相場で個人的に非常に印象深かったのが各市場のExpertの悲観振りです。
元ベテランファンドマネージャーで今では個人の株式投資家のグル的な存在であるJim Cramer氏が先週遂に持株を全て売り払うよう投資家に助言しています。Mad Moneyという彼の株式市場解説及び投資指南の番組は米国時代は私も毎晩見ていましたし、彼の著書も数冊読んだのですが、”There is always a bull market somewhere”という信条の彼が自身の20数年のキャリアの中でここまで絶望的な状況は初めてだと言う理由で保有する全銘柄を一旦処分すると言う助言をしたことは大いなる驚きでした。
また本格的な調整が入るのかどうかに注目が集まる原油価格についても日本人にこの市場を語らせるならAstmaxの江守氏かYosoukaiの松本氏かということになると思うのですが、その江守氏から、「現状は原油価格を押し上げる要因が全く見当たらない」という原油価格には相当期間聞かれたことも無いようなベアな発言も出ています。
米株市場も原油市場も目先のサポートが効いている状態で、その後下げ渋ってはいますが、株式市場も商品市場も年季の入ったベテラン専門家の目には弱気材料ばかりが目立っていると言う事のようです。
ところで全く同じ事が通貨市場でも言えるのではないかと感じています。どの通貨を見ても明確に指摘できるのは弱気材料ばかりなのです。
各市場とも、この数週間の状況を見る限り、中々持続的なトレンドが出難いようです。
換言すれば、LongでもShortでも短期トレードでの収益機会は十分にあると言う事になりますが、問題はタイミングです。
Time is money in life, time is of the essence in business and NOW TIMING IS EVERYTHING IN THE MARKET NOW.