2009年3月23日月曜日

To put them in statistic perspective.

個人的な備忘録も兼ねて統計データ的な整理をしておきます。

1 FOMCが長期国債購入を発表した3月18日の米国10年債利回りの下落幅は1987年10月以来最大。(債券価格で言えば上昇幅)

2 同じく米国債利回り全体の下げ幅は1962年1月以来最大。(債券価格で言えば上昇幅)

3 米国債利回りの週ベースの下げ幅は今年最大。(債券価格で言えば上昇幅)

4 ドルインデックスの週ベースの下げ幅は1985年以来最大の4.1%

5 対ドルの週ベースの上昇幅がドルインデックスの下落幅の4.1%を上回る勝ち組は、NZD(6.04%)、CHF(5.12%)、EURO(4.81%)。

6 AUD(4.05%)は、ドルインデックスとほぼ同水準で、GBP(3.22%)、CAD(2.45% )、円(2.14%)は
  やや後発の感あり。負け組みと見るか、出遅れ感ありと見るか・・・You will be the judge.

このあたりは意識して今週の相場を見ていくことにしましょう。

2009年3月22日日曜日

What the market is cooking.

ドルインデックスのDailyチャートの動きを見てみましょう。



最後の3本が先週のFOMC後ということになります。


水曜日に大陰線、木曜日も下落止まらずで金曜日には流石に陽線を出して終了していますが、FOMC以前の強気相場は完全に破壊された格好です。


最近愛用しているVantage Pointという分析ツールを使って引いた移動平均線が黒い実線で、このツールが示す予想移動平均線が青い実線です。このチャートでは予想移動平均線が実際の移動平均線をFOMC1週間ほど前に上から下にクロスしており、先週もずっと乖離幅を拡大しているので米ドルのベア転換を先読みしていたツールが米ドル下落バイアスの継続を予想していると読むことが出来ます。


FOMCの長期国債買取りの実施が持つ大転換の可能性の一つがドル安の始まりであると言う事に疑いの余地は無いようです。

今は例外なく世界中の景気が悪いので、Relative Gameと形容される通貨市場では不美人投票的な状況が継続してきました。かつては美人投票で積極的に買われる通貨が決まるという形でトレンドが形成されましたが、サブプライム問題を契機に世界経済が大きなダメージを負ってからは、不美人投票で積極的に売り込まれるべき通貨を探して攻撃すると言うパターンが定着し、新興国通貨や円以外のアジア通貨が攻撃対象となってきました。


主要通貨では米国以上に新興国へのExposureが大きいと指摘された欧州通貨が攻撃対象となり、相対的に米ドルの上昇が演出されてきました。まさに通貨はRelative Gameです。

それがFRBの長期国債購入で何が変わるのかと言えば、それが明確な量的緩和政策だからです。


国が債券を発行し、民間がこれを購入すると言う場合は民間から政府に資金移動が起こり、政府がこれを公共投資などで民間に再投資するという事になりますが、資金量事態は移動するだけで変化はしません。


ところが中央銀行が国債を購入するとなると、民間の資金はそのままで国債が政府から中央銀行に渡り、中央銀行が新たに造幣局に命じて印刷したお金が政府を通して民間に投資される事になるために世間に流通するお金の量は純増する形になります。

これはまさに量的緩和であり、単位あたりの資金価値は希薄化するので通貨安バイアスが掛かることになります。更に将来景気が回復してクレジット市場が修復しはじめた時には中央銀行が適時的且つ速やかな資金吸収を行わないと物凄いインフレーションが起こる事になりますが、中央銀行にとってそれは至難の業です。


バブルの発生は予想することは不可能ではじけた時の対応策があるのみだというグリーンスパン前議長の言い訳とも取れる説明は、的を得た事実なのです。


先週の金融市場における激しい米ドル売りは、このような背景を織り込んだ動きだったと言えますが、FRBは金融市場の先手を打つことを優先する対価としてドル安のリスクを敢えて取ったとも解釈出来る節もありますので、今後金融市場がそのあたりをどのように評価し、消化していくのかは極めて大きな材料になっていくことは間違いありません。


インフレの匂いを嗅ぐと上昇するのがGOLDですが、同様に先週の水曜日以降が物凄いチャートになっています。



チャート的にはやる気満々というか、始まったばかりとも解釈出来る訳ですが、ちょっと荒い値動きとなりそうですね。

Weekly Recap( March16-20)

先週は、もしかすると今後の金融市場の大きな転換点となる週だった可能性があります。本邦の年度末要因も合わせて今後の各市場の動向が注目されます。

1 FRBによる長期国債買い入れ表明

FRBによる長期国債買入れの可能性はこの数ヶ月の間、債券市場を中心に金融市場の大きな焦点となっていました。これは間違いなくFRBの選択肢の一つだった訳ですが、内部に慎重意見も根強いと伝えられていた事や実際に他の選択肢を優先実行してきた経緯もあり今回のFOMCでも実施に向けた検討を継続しているという事以上のメッセージは出ないと思われていました。

今回市場を驚かす格好で発表された内容は、このようなものです。

・今後6か月間に、最大3000億ドルの長期
・米国債を購入・モーゲージ担保証券の購入、7500億ドル追加して最大1兆2500億ドル
・政府機関債の購入、1000億ドル増やし、総額2000億ドル

2 金融市場の反応

多くの著名シンクタンクが直前に発していた予測にも反する形で発表されたFRBの長期国債購入に対して、金融市場は大きく反応しました。

・ 株式市場は上昇
・ 債券市場は爆発的上昇⇒長期金利急低下
・ 為替市場ではドル売り
・ 金価格は大幅上昇


米国債の10年物利回りは火曜日の終値3.01%水準から2.53%まで48 basis pointも下落しましたが、この下落幅は1987年の10月以来最大の値幅だったようです。
米国債市場全体での一日の金利低下幅に至っては1962年1月以来最大と言う事なので激震の大きさが感じ取れます。

金価格は1オンス800ドル台から一気に960ドルへ急騰し、為替市場ではこれまでの米ドル上昇バイアスが180度転換する激しいドル売りが始まりました。

この潮流は水曜日~木曜日で大きく進展し、東京市場が休日だった金曜日にはちょっとした調整を経て週の取引を終えています。

本邦年度末に向けた金融市場は濁流に襲われた感じですが、今回の出来事は長い目で見ても大きな転換点となる可能性を秘めており、週明け以降の動向にも大いに注目したいところです。

2009年3月16日月曜日

Weekly Recap(March 9-13)

先週の金融市場は幾つかの潮流に乱暴に洗われたという展開でした。


Risk Appetiteの復活

これについては依然半信半疑の参加者も少なくないのですが、結構なメジャーどころも含めた影響力のある勢力が果敢にこのシナリオで動いているのは明白です。


金融市場に関しては株価の反発、円安、そしてドル安という方向に影響しています。総括すれば、Risk Aversionシナリオで好まれたポジションを反転させているという事です。

株価に関しては有力議員を含む米国議員団がSEC(証券取引委員会)に対して2007年に廃止したUptickルール(空売り規制の一種)の復活とMark-to-Marketルール(時価会計)の抜本的な柔軟化を働きかけていると言う報道もサポート要因となりました。


また、週初にはCiti, 次いでJPMorganChase1月―2月の期間で営業黒字を確保したと言う発表もRisk Appetite復活の触媒となりました。

2 スイス中銀の利下げ+介入


週後半にはスイス中銀が利下げプラス為替介入により為替市場を大混乱に陥れました。0.25%の利下げで政策金利を0.50%から0.25%にまで引き下げて、いよいよゼロ金利政策が視野に入ったところでスイスフラン売りの為替介入に打って出たのです。この自国通貨売りは対ユーロで行われたと思われますが、一部報道では対ドルでも行われたとレポートされています。結果的にユーロスイス、ドルスイスというクロスが上昇しています。


スイス中銀の為替介入と言うのは19958月以来初めてであり、この中銀による為替介入のトラックレコードは極めて高い(介入効果、成功率が非常に高い)事から市場は一気に追随モードとなり、ユーロスイス買い、ユーロドル買い、ユーロ円買い、ドル円も買いという連鎖が生じました。


円に関しては週半ばに反発していた矢先でしたが、このスイス中銀の政策がかつての日本のそれと酷似している事から市場の一部には本家本元の日本も円売り介入をするのではないかという思惑も広がっています。


週末の時点で金融市場は依然として Risk Appetiteの復活モードを支持しているのですが、Risk Aversionで好まれたGoldと米ドルが下落して、原油価格が反発してきていると言うのが象徴的と言えるでしょう。

週末のG20は成果に乏しい内容で、米国が提案して日本が賛成した各国がGDP2%分の財政出動で足並みをそろえて需要を創造するという提案は欧州などの反対で頓挫したようです。


このような中でRisk Appetiteが萎えることなくこの動きが持続性を持つのかどうか。週明けからの相場の注目点はこれに尽きます。


米ドル下落Gold下落、原油が上昇


2009年3月8日日曜日

The Intrinsic Colour of JPY.

先週のドル円は水曜日までは終始100円を目指す動きをしつつ木曜日には特殊要因的な大幅反落による長い陰線を出した一方、週末には米雇用統計の大幅悪化観測を背景とした追撃売りに欧州時間に大きめの下落をした後、北米時間には雇用統計発表後に結構な反発を見せ、結果的に長い下髭と実態部分でも不気味な陽線を残して週の取引を終えています。

2月以降世界中の株式市場の底抜け的な下落に注目が集まりましたが、為替市場の一大イベントだったと言ってよいのが円の評価の暴落だったと思います。

中川金融相の酩酊会見が日本売りのキッカケになったと言う説には組しませんが、少なくともタイミング的には丁度あのころから海外勢の日本経済、日本株、日本円に関する見方が劇的に変化したと言う事は間違いありません。

実際に商売柄わかるのですが、海外のファンド勢などは2月の頭位までは結構な気合を入れた円買いをしていました。ドル円、クロス円をショートにしていたのです。それが90円超えで戦略を解消する動きとなり、92円を超えあたりからは積極的な円売りに転じる勢力が現れ始めたという印象です。

色々な事が言われていました。


  1. 中川金融相の失態など日本の政治、金融当局者への失望


  2. G7において世界的Reflation政策の確認と日本の通貨安戦略への回帰が確認されたとする説


  3. サブプライム問題以来、他国比で影響は軽微とされて来た筈の日本経済の落ち込みがむしろ世界中で突出しているという奇妙な(?)事実に世界中が目覚めた。


  4. 景気急減速で輸出企業の業容の縮小も激しく、会計年度末に向けた外貨売り円買いのフローが全く増えず、むしろ国内に投資先を見つけられない本邦投資家の資本が国外流出を再開している。


    などなど・・・・

実は通貨オプションの市場でも2月半ば辺りから激しくドルプットとドルコールの価格差の縮小が始まり始めていました。これはRisk Reversal Spreadと呼ばれるもので、実需の需給の歪みなどを背景に恒常的に前者が後者よりも高い状態が続いてきましたが、前者の値下がりが主導する形でこの価格差が急縮小しました。

双子の赤字などを背景にいつか米ドルは暴落するだろうと言う金融市場に刷り込まれて来た既成事実的な相場観は、いつかまた95年につけた80円を上回る大円高時代が到来するという予言的な相場観と相まって通貨オプション市場の需給構造を円高ドル安方向に大きく歪めてきましたが、これが短期間で大規模な外科手術が行われたかのごとく変化してしまったのです。


必ずしも相場観を変えたと言うことではないのかもしれませんが、円高ドル安方向に戦略を傾けた非常に大きなポートフォリオを何らかの事情により短期間で清算しなければならない大口プレーヤーがいたように思われます。


 少なくとも数年という時間をかけて構築した巨大なポートフォリオをものの数週間で清算するとなると、市場の足元の需給は劇的に変化する事になりますが、まさにそういうレベルの動きがあった訳です。通常は円安に振れる時には短い期間からこのRisk
Reversalの縮小が始まり、ごく短期ではドルコールの方が高くなると言う逆転現象も起きて来ましたが、今回は寧ろ長期ゾーンから暴力的に縮小すると言う感じの動きでしたので、上述のような背景があった事は間違いないのでしょうか。


そんなドル円ですが、121日に8710銭のボトムを付けた後、211日に8970銭で下値を固め、先週の木曜日(35)までにほぼ10円の上昇をして9969銭をつけた後から少し動きがおかしくなってきました。


 市場参加者がいよいよ100円超えかと身構えた所で、いまや銀行間取引の90%以上を占めていると言われている電子ブローキングの業界最大手のプラットフォームが突然の機能停止となり、取引再開後には98円台まで下落していたのです。


 金曜日には9659銭まで続落した後に雇用統計後に9830銭まで戻して越週していますが、ちょっと相場と言うかトレンドにダメージが残っているように感じています。


週明けから呆気なく上昇軌道が修復されてあっさり100円を越えていく相場になるとは考えにくいような気もするのですが、どうなるでしょうか。


もう少し下を試す場合のメドも8970銭(211日)と9969銭(35日)の38.2%戻しで9587銭、50%戻しなら9470銭という程度なのでしょうけど。


とにかく2009年は円にとって真価を問われる試練の年になる可能性が急上昇しています。

Weekly Recap and SnapShot

先週は豪州、カナダ、英国、欧州の金融政策の発表があり、週末には注目度の高かった米国2月雇用統計の発表がありました。


0.25%の利下げが予想されたRBA が予想に反して3.25%に政策金利を据え置いて市場を驚かせましたが、その他の3中銀は予想通りの0.5%の利下げを行いました。政策金利を0.5%まで引き下げたカナダと英国はゼロ金利が視野に入りますが、英国はいよいよ中銀による国債購入も表明して量的緩和政策に正式に舵を切りました。欧州も今回利下げ後の1.5%という政策金利をボトムとは考えていないとして追加利下げを示唆しており世界的な金融緩和の波は継続中です。


雇用統計ですが、金曜日のアジア時間に非農業部門就業者数の減少数が百万人を超えると言う噂が広がって株式市場下落、債券市場上昇、米ドルには売り圧力が強まりましたが、北米時間に実際に発表された数字は▲651千人となり1月分の減少が▲598千人から▲655千人に下方修正された事と合わせて十分に悪い数字だったのですが百万人という噂が現実とならなかったことから各市場とも乱暴な切り返しを経て終了しています。


失業率は一気に先月非0.5%も悪化して8.1%という198312月以来の高水準にまで急上昇していますが、この数字のインパクトは少し後になってから効いて来る可能性がありそうですね。

1ドルインデックス



黒線=移動平均 青線=予想移動平均


ドル安への転換には慎重ですが、足元のモメンタムは確実に弱まっているようです。目先ドルが反落するならば上昇候補の筆頭はユーロということになります。


2 ユーロ



黒線=移動平均線、青線=予想移動平均

先週終盤のパフォーマンスの印象は悪くなく、金曜日の陽線は幾分かの可能性を感じさせます。

3 Gold

ここ2週間ほどは意外な調整が入った感じの金ですが、週末には底打ち=調整終了の可能性を感じさせる反発がありました。



黒線=移動平均線、青線=予想移動平均線

金に関しては、弱気派が駆逐された状態だと感じています。実際に世界経済や金融市場のファンダメンタルズは金価格の持続的上昇を支持するものばかりです。


個人的には金価格は予想外の水準にまで上昇してここでもバブルを形成し、最後は大規模な反落を演ずる事になると予想していますが、今何かをやれと言われれば当然買いでしょう。


4 Crude Oil



1バレル当たり40ドル割れも見た原油価格ですが、反発しそうですね。上抜けのタイミングは読みにくいのですが底値形成過程は終わりつつありそうです。


5 株式市場

ダウ工業平均



日経平均



世界の株式市場はほぼ相似形の展開なのですが、震源地となる米株市場に底打ち感が全く見られない状況ですね。テクニカルには日経平均の方が安定しそうな形状ですが米株連動感も根強く、センチメントの回復にはかなりの時間が必要と言う印象です。


とにかく各市場とも荒れ模様ですので今週も最新の注意をしていきましょう。

2009年3月2日月曜日

Oops, a storm has hit me.

実は私事ですが、最近異動があり、リサーチ、国際営業と言ったファンクションからトレーディングの実働部隊へと復帰しました。

先月の特に後半は金融市場が荒れる中で色々なプロジェクトも佳境に差し掛かった事で殆ど終電にも間に合わない日々が続き、旧セクションが企画してくれた私の送別会も主賓がドタキャンして面目を潰す始末でした。

ブログが書けない事もストレスになったりして悪循環だったのですが、今後はこれまでよりもトレーディング色を強めた書き物を増やしていく積りです。とにかく先ずは早く自分のペースを掴む事なんですけどね・・・

ところで、旧友宛の情報と近況発信という目的で書き始めたこのブログですが、インターネットの凄みと言うか日本を含めて5カ国からメールでの感想などを頂きました。感謝の一言です。

一方で、時折過激な事(?)を書いてしまっているのでしょうか、このブログが不適切な内容を含むという報告がこれまでに複数回行われているようです。
 先ずは読んで頂いた事に深く御礼申し上げますと共に出来ましたら具体的に不適切な内容であると判断された箇所などを直接教えていただけると助かります。私の無知、無学、無神経から迷惑を掛けてしまっていると言う事があるならば謹んでお詫びして訂正もさせて頂きますのでよろしくお願いいたします。

It is all about RISK.

相変わらず足元の金融市場の動きは非常に不安定なようです。

為替市場ではかなり乱暴な円安が進行しており、その解説の多くが日本人が再び海外への投資を活発化させているという要因を含んでいますが、一方で外為証拠金取引のバランスを見ると膨大な円ロングポジションが残っていたり、会計年度末を控えた機関投資家レベルでは引き続きRepatriationの円買い圧力の方が強かったりして今の状況がRisk AversionなのかRisk Takingなのかすら斑模様なようです。

残念ながら世界景気は下向きの連鎖から抜け出せない状態であり、株式市場の低迷も止まる気配が無い中で安全資産として米ドルに資金が流入しているの状態なので大きな絵としては間違いなくRisk Aversionなのでしょうが、この安全資産というカテゴリーから転落してしまった日本円の売りや国有化観測が絶えない米国の主要金融機関の株式への売り浴びせ等には相当な規模のRisk takingが進行中です。

金曜日の米株市場の終値は非常に弱く、Dowが7千ドル割れを視野に入れた$7062、S&P500に至っては$735という実に12年振りの安値水準となっており、3月の序盤戦に大きなVolatilityが引き継がれる事は間違いないでしょう。

今週はこれまたEventの多い重要週なのですが、主要国の金融政策発表が続いた後に米国の雇用統計がとりを勤める事になります。
 RBA,BOC,BOE,ECBと続く金融政策では、RBAが25bp利下げして3%に、BOCとBOEは50bpの利下げで政策金利を0.5%に、ECBも今回は50bp利下げにより政策金利が1.5%に低下する事が予想されますが、これだけで各国の株式市場が反転上昇に向かうとは思えず、基本線としての米ドル上昇は継続する可能性が高いでしょう。

短期的にはここへ来て失速してきた金の調整がどの程度の深さになるのかと言う事と殆どの指標が短期的な売られ過ぎを示唆する日本円がどこまで反発出来るのかに注目したいところです。

2月に金融市場にもみくちゃにされた日本円の動向については別稿で分析したいと思いますが、3月末にドル円が100円を超えているのか、結局は本邦勢のレパトリで円高水準に振れているのかは非常に大きなテーマとなるでしょう。