先週は豪州、カナダ、英国、欧州の金融政策の発表があり、週末には注目度の高かった米国2月雇用統計の発表がありました。
0.25%の利下げが予想されたRBA が予想に反して3.25%に政策金利を据え置いて市場を驚かせましたが、その他の3中銀は予想通りの0.5%の利下げを行いました。政策金利を0.5%まで引き下げたカナダと英国はゼロ金利が視野に入りますが、英国はいよいよ中銀による国債購入も表明して量的緩和政策に正式に舵を切りました。欧州も今回利下げ後の1.5%という政策金利をボトムとは考えていないとして追加利下げを示唆しており世界的な金融緩和の波は継続中です。
雇用統計ですが、金曜日のアジア時間に非農業部門就業者数の減少数が百万人を超えると言う噂が広がって株式市場下落、債券市場上昇、米ドルには売り圧力が強まりましたが、北米時間に実際に発表された数字は▲651千人となり1月分の減少が▲598千人から▲655千人に下方修正された事と合わせて十分に悪い数字だったのですが百万人という噂が現実とならなかったことから各市場とも乱暴な切り返しを経て終了しています。
失業率は一気に先月非0.5%も悪化して8.1%という1983年12月以来の高水準にまで急上昇していますが、この数字のインパクトは少し後になってから効いて来る可能性がありそうですね。
1ドルインデックス
黒線=移動平均 青線=予想移動平均
ドル安への転換には慎重ですが、足元のモメンタムは確実に弱まっているようです。目先ドルが反落するならば上昇候補の筆頭はユーロということになります。
2 ユーロ
黒線=移動平均線、青線=予想移動平均
先週終盤のパフォーマンスの印象は悪くなく、金曜日の陽線は幾分かの可能性を感じさせます。
3 Gold
ここ2週間ほどは意外な調整が入った感じの金ですが、週末には底打ち=調整終了の可能性を感じさせる反発がありました。
黒線=移動平均線、青線=予想移動平均線
金に関しては、弱気派が駆逐された状態だと感じています。実際に世界経済や金融市場のファンダメンタルズは金価格の持続的上昇を支持するものばかりです。
個人的には金価格は予想外の水準にまで上昇してここでもバブルを形成し、最後は大規模な反落を演ずる事になると予想していますが、今何かをやれと言われれば当然買いでしょう。
4 Crude Oil
1バレル当たり40ドル割れも見た原油価格ですが、反発しそうですね。上抜けのタイミングは読みにくいのですが底値形成過程は終わりつつありそうです。
5 株式市場
ダウ工業平均
日経平均
世界の株式市場はほぼ相似形の展開なのですが、震源地となる米株市場に底打ち感が全く見られない状況ですね。テクニカルには日経平均の方が安定しそうな形状ですが米株連動感も根強く、センチメントの回復にはかなりの時間が必要と言う印象です。
とにかく各市場とも荒れ模様ですので今週も最新の注意をしていきましょう。