2009年3月22日日曜日

Weekly Recap( March16-20)

先週は、もしかすると今後の金融市場の大きな転換点となる週だった可能性があります。本邦の年度末要因も合わせて今後の各市場の動向が注目されます。

1 FRBによる長期国債買い入れ表明

FRBによる長期国債買入れの可能性はこの数ヶ月の間、債券市場を中心に金融市場の大きな焦点となっていました。これは間違いなくFRBの選択肢の一つだった訳ですが、内部に慎重意見も根強いと伝えられていた事や実際に他の選択肢を優先実行してきた経緯もあり今回のFOMCでも実施に向けた検討を継続しているという事以上のメッセージは出ないと思われていました。

今回市場を驚かす格好で発表された内容は、このようなものです。

・今後6か月間に、最大3000億ドルの長期
・米国債を購入・モーゲージ担保証券の購入、7500億ドル追加して最大1兆2500億ドル
・政府機関債の購入、1000億ドル増やし、総額2000億ドル

2 金融市場の反応

多くの著名シンクタンクが直前に発していた予測にも反する形で発表されたFRBの長期国債購入に対して、金融市場は大きく反応しました。

・ 株式市場は上昇
・ 債券市場は爆発的上昇⇒長期金利急低下
・ 為替市場ではドル売り
・ 金価格は大幅上昇


米国債の10年物利回りは火曜日の終値3.01%水準から2.53%まで48 basis pointも下落しましたが、この下落幅は1987年の10月以来最大の値幅だったようです。
米国債市場全体での一日の金利低下幅に至っては1962年1月以来最大と言う事なので激震の大きさが感じ取れます。

金価格は1オンス800ドル台から一気に960ドルへ急騰し、為替市場ではこれまでの米ドル上昇バイアスが180度転換する激しいドル売りが始まりました。

この潮流は水曜日~木曜日で大きく進展し、東京市場が休日だった金曜日にはちょっとした調整を経て週の取引を終えています。

本邦年度末に向けた金融市場は濁流に襲われた感じですが、今回の出来事は長い目で見ても大きな転換点となる可能性を秘めており、週明け以降の動向にも大いに注目したいところです。