最近は意外と週末兼月末と言うケースが良くあるような気がしますが、先週の金曜日も丁度7月の月末兼週末と言う巡り合わせでした。
こういう時は週と月の需給が均衡する終値の水準に注目が集まるのですが、この週末・月末に向けて金融市場はやや気迷い的なレンジ相場となっていました。為替のユーロドルのチャートで見れば以下のようなボックス内での取引でした。
これが月末兼週末となった最後の北米時間にユーロが上昇して終了。上記のボックス取引はユーロ上昇、米ドル下落と言う方向に崩れ去ったと言う結果となっています。以下はその週末のユーロドルのチャートです。
実は今回のドル安は少しややこしい感じです。
ここまでの市場動向を俯瞰すると、Risk-onモード(世の中が景気回復を楽観してリスク許容度が上昇する環境)でドルが売られ、Risk-offモード(上記の逆)ではドルが買い戻されると言う図式がベースとなっていましたが、金曜日に関しては発表された米国の第二四半期GDPが予想よりも悪く、Risk-offモードで安全資産と位置付けられる米国債に買いが集まり、ドルの金利が低下した事などを背景としたドル売りだったと説明されています。
Riskという尺度のON-OFFではなく、寧ろ金利要因という切り口からの動きだったと言う事になりますが、今後Risk許容度よりも金利水準が注目されるようになるならば8月以降もドルは下落圧力に晒される展開となりそうです。
最近目にしたあるデータによると拡大の一途を続けてきた為替市場の出来高が今年は減少している可能性があるようです。これには個人的に大いなる驚きを持っているのですが、何ら客観的データに基く訳ではないと断った上で私見を述べれば出来高減少の主因は実需筋のInactivityであり、非実需目的の参加者によるActivityはあまり落ちていないという実感もあるのでここからの動きは非常にテクニカル中心な値動きになっていく可能性があると感じています。
タイミング的に週末、月末でサポートをやや割り込んだように見えるドルは多くの通貨に対して今週も売られ易いと思いますが、更に金曜日の米国雇用統計で悲惨な数字でも出れば一気に下値が崩れるリスクがあり、逆にそこまでショートポジションが積みあがった状態で予想よりも良い数字でも出れば今度の週末は先週末とは正反対の値動きとなる可能性もあるでしょう。
Risk-onだろうがRisk-offだろうがドルは断続的に(on and off)売られ易いというお話ですね。ちょっと正念場かもしれません。