金融市場とて大きな意味での社会の一部です。社会現象として大きなトレンドが出ている時には金融市場もそれに呼応した波動が発生します。
逆に言えば、金融市場で起きているトレンドのポテンシャルの強さを計る際には、同様の現象が社会全体で起きているか、起き易くなっているかという視点も必要なのかもしれません。
そういう意味では、もう何ヶ月も頭の中に鳴り響いているのが今日の表題でもある Fall from Graceです。これはかなりの高みにまで上り詰めた人や勢力が唐突に紙の寵愛を失ったかのごとく転落するという意味の慣用句です。
既に起きている事で言えば、①自民党政権の崩壊、②タイガーウッズのスキャンダル発覚と名誉失墜、③朝青龍の復活優勝一転引退、④ユーロの最強通貨から最弱通貨への転落、⑤JALの失墜、⑥トヨタのリコール騒動・・・等があります。
またこれから起こる可能性があることとしては①中国経済のバブル崩壊⇒アジア全体の失速、②金価格の暴落、③危機を脱して大復活したかにGoldman Sachsの弱体化・・等があり、政治では小沢一郎氏の大幅な影響力低下などのリスクもあるのではないでしょうか。
今後も相当期間に渡り、社会全体で番狂わせや想定外の展開が待ち受けていることでしょう。
デリバティブの世界にいる人々は、Volatilityは安い時には確実に買っておくという戦略をメインに据えつつ機動力を保っていくと言うことが肝要ですね。